ダイアトーン DS-66EXのレストア(6) ウーハー編
<ウーハーの布エッジの再生>
5)ウーハーユニットの最終特性
前回、ウーハーエッジ再生の最終段階として、エッジの裏側に液体ゴムを塗布しました。その結果、エッジは当初とは比較にならないほど柔らかくなり、コーンもスムーズに動くようになりました。
液体ゴムを塗布してから三週間。特性が十分に落ち着いたと思われるので、インピーダンスの周波数特性を測定しました。当初、及び軟化剤塗布後のインピーダンス変化も併せて示します。
共振周波数fsは、当初の110Hzが、最終的には軟化剤塗布後の35Hzよりも11Hz高い46Hzになりました。また、機械的共振先鋭度Qmsは、当初の15.7が、軟化剤処理で7.5に、更に液体ゴムの塗布により5.3と大きく低下しました。これは、高損失な液体ゴムのダンピング効果で機械的損失が増大したためと思われます。一方、総合共振先鋭度Qtsは、当初の1.24が、最終的には臨界制動状態に近い0.49となっています。
以上の検討から、最終的なレストア後のウーハー特性としては、fs=46Hz、Qts=0.49、Qms=5.3、Qes=0.53が得られました。このユニットのEBP値(Efficiency Bandwidth Product; fs/Qes)は87なので、密閉型、バスレフ型のどちらにも使用可能なユニットです。
今回のエッジのレストアによって、fsは少し高めにも感じますが、27cmコーン型ウーハーの本来の特性をかなり取り戻すことができたように思います。
>>次は、ミッドレンジユニットの調査を予定しています。