好みは人それぞれで、食べ物にも好みは分かれるものだ。
私は高校を卒業するまで、地元以外で暮らした事は無かった。
私の子供時代は昭和30年代後半から40年代である。
外食をすることは年に1~2度、誕生日すら特別な食事なんて
出た事がなかった。レストランと言う所に連れて行ってもらった時に
注文した物を今でも覚えている「一口ヒレ定食」だ
洋食屋だったので、ナイフとフォークで出てきたが箸もあったので
箸で食べた記憶がある。
外食で一番多かったのがラーメンである。手っ取り早くて安い。
地元では「中華そば」と呼ばれる鶏がらベースの醤油味
細縮れ麺が使われる。中華料理屋のラーメンとは少し違う。
ほとんどのお店のメニューは中華そばとご飯くらいであった。
当然餃子なんておいてなかった。
地元を離れ、一人暮らしを始めて仕送りも少なく贅沢は出来なかったが
昼食は学食や喫茶店のランチが中心だったので、友達にラーメンを
食べに連れて行ってもらったのが寿がきや だった
白く濁ったスープにも、ラーメンの種類にも驚いた
初めての味に美味しく思ったのだが、これはラーメンであって
中華そばでは無いと思った。
社会人になっても、中華そばが食べたくなるとラーメン屋に
食べにいっても地元のとは全然違う。メニューに中華そばと
のっていてもただの醤油ラーメンで太麺だったりした。
27歳位だったと思うが、地元のスーパーに中華そばが売り出されていた。
お店のスープがそのまま袋に一人前パックされ、生麺と焼き豚、薬味のネギ
が入っていた。スープは袋事湯煎で温め丼に移し、麺を茹で丼に
最後に真空パックされた焼き豚、薬味のネギをトッピングして出来上がり。
お店そのものの中華そばが自宅で味わえた。
中華そばのお店は沢山あって、地元でも好みのお店があって
前出の自宅で味わえる中華そばを売り出したお店は今では
ビルを建てて大きくなった。このお店も美味しくて好きなのだが
一番のお気に入りは「桔梗屋」さんの中華そばです。
先代のご主人は引退され、現在は息子さんが後を継いでいるのだが
味は昔と変わらず大変美味しい。
あ~、食べたくなってきた