令和3年6月1日
ついに転職後初出勤の日を迎えた。前職退職直後から崩れた生活習慣が簡単に矯正されるわけもなく、本日も朝と呼ぶには些か早い5時前に目覚めた。
どのみち二度寝はできぬ。無職JKみなみは本日付で社畜JKみなみに逆戻り。新たなスーツを身に纏うと鞄を手に取り、午前8時前に出発した。
いかなる職場とて新人がやるべき最初の業務は先輩方への挨拶に他ならない。前々職みたく掃除をする心構えはしていたのだがそれも無い。朝礼の際に元気よく挨拶と自己紹介をするに止まった。
多少予想外だったのは、フロアを共にする同グループ他社へも挨拶に赴いたことだった。当然直接の関わりはない。これで一瞬ではあるが本社のほぼ全員と挨拶を交わすことになったのである。
その後、グループ長から心構えを含めた業務内容の説明を受け、支給されたパソコンの設定をし、社規について教えてもらう。
驚くべきはその精度。今まで在籍していた会社が終わっているにしても、ここまで多くの法令遵守精神を見たのは初めてである。
「出退勤はタイムカードなんですよ〜。ちょっと時代遅れなんですけど」
担当していただいた総務の方は、心なしかどこか恥ずかしげに見えた。しかしどうか安心していただきたい。私の職歴ではいくらでも加筆修正が可能な出勤簿でしかなかったのだから。
私からすれば最新鋭の革新的技術である。
そして終業を告げるチャイムと共に帰路についた。始業から終業に至るまでチャイムが鳴る職場に初めて来たため、時間管理の徹底ぶりを思う存分味わうこととなった。
もしかしたらこのレベルは世間のデフォルトなのかもしれない。しかし環境というのは恐ろしい。今までに無かった設備や規定というものは、場所が変わって現れた時にかなりの動揺をもたらすものなのだ。
転職というよりも転生に近い。ここからまた頑張りたいところだ。
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