王様の耳はロバの耳

乙女ゲームやその他ゲーム、読書、映画の感想を書いていきます。
大体ネタバレありです。

【ネタバレなし】ミステリーの歩き方  レビュー&ざっくり感想

2025-01-20 00:10:06 | ゲーム
こんにちは、サニーです。



2025年最初の記事は、昨年末に買ったゲーム

ミステリーの歩き方
これの簡単レビュー&感想(ネタバレ無し)を書いていきます!



※ちょっと辛口






【簡単紹介

ゲームを始めたきっかけは、去年の12月くらいからインスタでちょくちょく広告を見かけて気になったから。

もう既に3部作だと明言されているシリーズ第1作で、広告見ても公式HP見ても気合い入ってんなーという印象。

ゲームの企画・ライターさんは
ここでも紹介した7'scarletと同じ人

【Vita】7´scarlet (セブスカ) 感想 - 王様の耳はロバの耳

こんにちは、サニーです。今回は真夏のミステリー物7´scarlet感想を書いていこうと思います。【ネタバレなし感想】ゲーム内容は田舎町が舞台のミステリー物にプラスで恋愛要...

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内容はざっくり言うと
「大学生の主人公とサークル仲間達が、大学の課題の一環で30年前に起きた殺人事件を調査していくうちに段々と事件の真実に迫っていく」
という王道な青春ミステリー。

途中バッドエンドもデッドエンドもない、操作も難易度も超イージーな一本道ノベルゲーム。

地の文で殺人描写は出てくるけどグロくはないし、事件スチルもざっくり抽象的なイラストになってるからそういう描写が苦手な人でも安心安全👍


プロローグ→エピソード1章〜10章→解答編(11章)→エピローグといった流れで、
特定の条件で解放されるエピソードもある。
具体的に言うと一通りクリアした後に解放される12章、(多分)各章の捜査パートを好成績で収めると解放される真相編がある(長押し反転)
そこまで真剣にやりこんではいないので、もしかしたら他にも解放エピソードがあるかもしれない。ざっと他のサイトさん見た感じこれでおしまいだとは思うけど。


探索パートや尋問・推理パートが章ごとに出てくるからダレることなく進められるし、簡単でやり直しも出来るから詰むこともなくテンポ良く進められる。

初心者向けの超親切設計

ただ、ゲームに慣れた人や、自分で色々考えて本格的にミステリーを楽しみたい人には物足りないかも。
色んなところで「物足りない」「この内容で6000円近くなのは高い。」って感想見かけたし。




【個人的評価】

難易度
★☆☆☆☆
超親切設計初心者向け。探索も推理もらくらく簡単。


システム
★★★★☆
「飽きさせない」「わかりやすさ」に力を入れてる感じ。
過去の探索パートがドット絵レトロゲーム風になってたのは面白かった。


ストーリー
★★★☆☆
良くも悪くも癖がなくてとっつきやすい。
ちょいちょい説明くさい部分も。
「謎解きはディナーの後に」みたいな、民放のコメディ寄りのミステリードラマを見てる気分。
色々謎や伏線が出てきて面白いんだけど、3部作の第1部だからこのゲームでは回収されず次回に持ち越しの謎がかなりあってちょっとスッキリしない。


キャラ
★★★☆☆
キャラのノリや掛け合いは好き嫌い分かれそう(コメディ系民放ドラマで見る、大学生のふざけてるけどやたらテンポのいい掛け合いや、マイペースすぎる態度)
主人公含めて全編フルボイスで目パチ口パクあり。声優は女性キャラの方がネームバリューある。
主要キャラは色々と秘密を抱えてそうだけど、今回秘密が明らかになったのは主人公ともう1人だけ。


ボリューム
★★★☆☆
私がかかった時間は1章ごとに30分ほど(探索、推理パート込み)
早い人だと1日で終わるかも。
1章ごとに区切りがあるからダレることなくテンポよく進められる。




【ざっくり感想】

まぁまぁ面白い。

1章ごとに区切りがあってテンポよく進められるし、キャラも内容も特に地雷はなかったから楽しくゲームすることは出来た。
わかりやすいしグロも胸糞もないから人にオススメしやすい。
ただ、良くも悪くも癖がない分ガツンとくるものもなかった。
キャラも特段好きな子もハマる子もいなかったし。
話を進めるごとに違和感や謎が出てくるのもよかったけど、3部作の第1部だからあえて回収されずに気を持たせられるのがちょっとね。
次も買ってもいいかなーとは思うけど「わー楽しみ🎵待ち焦がれるぅ!」っていうほどでもないかな。

『禁忌の子』 著:山口未桜  感想

2024-12-02 01:17:50 | 日記
こんにちは、サニーです。


今年10月発売で、Xやインスタの読書垢で話題になってた本

『禁忌の子』
読了しました!!!


本書は鮎川哲也賞受賞作、作者は現役女性医師で
デビュー作!

凄すぎ

ミステリとしても社会派としても面白いし、登場人物は主人公をはじめ一人一人キャラや人となりがしっかりしてるし、情緒揺さぶられるし…

もう次回作が楽しみすぎる

これから感想のターンになるけど、
①社会派の部分について
②ミステリについて
に分けて書いていきます!
いつものごとく
ミステリの犯人等は伏せ字(長押しタップ反転)にするけど、ネタバレばっちりあるので未読orまだ途中の方は
自己責任でお願いします🙇





⚠ネタバレ注意⚠











【感想】

社会派の部分について

本書のテーマは
「出生・ルーツの秘密」
「不妊治療と子どもの権利
かなと。


主人公の救急救命医・武田は、ある日自分のもとに運び込まれた遺体が自分そっくりなことから、
「自分には生き別れになった兄弟か親族がいるのでは?」
と疑問を持つようになる。

で、旧友の城崎と色々調べていくうちに辿り着いたのが老舗の不妊治療クリニック。
武田の母も一時期このクリニックに通っていたらしく、武田は
「ここで不妊治療の末に双子の片割れが別の母親に宿ったのでは?」
と考えるように。
専門的な部分は流し読みしてたけど、理論上は体外受精で可能らしい。


結論から言うと武田の読み通り、自分そっくりの遺体は双子の片割れで、
自分たちの生物上の親は不妊治療クリニックの理事長とその夫(故人)だった。
つまり武田は自分を産み落とした女性(母親)とその夫(父親)とは血の繋がりがない。

全くの赤の他人からの卵子や精子の提供、代理母出産は取り締まる法律はないけど日本では事実上禁止されていて、武田や双子の片割れは日本の医療倫理的には「禁忌の子」になる。
とはいっても、海外で赤の他人の卵子や精子を提供してもらったりSNSで精子ドナーを探す人はごまんといるんだけど。

そして武田は自分の双子の兄の生い立ちを兄の「産みの母」から聞くんだけど、
悲惨の一言。
ここは読んでいて胸糞悪くなった。
手前勝手な事情とお気持ちで、幼い子供に当たり散らすような虐待をする「両親」
保守的な地域の閉塞感。
大人たちの淀んた空気に感化されてか残酷なことを平気でする子どもたち。
双子の兄は歪みに歪みまくって暴力的な人間に。
本当に可哀想すぎる。
3歳かそこらの男の子に、今まで可愛がってたくせに急に理不尽な暴力や恨みつらみ浴びせるようになるんだもんなぁ…
正直、両親が成長して力関係が逆転した兄にやり返されるところは「ざまぁ」って思った。
でも、
関係のない人間までいらん被害にあうんよなぁ。
特別支援級の、口も聞けない女の子が堕胎させられ、兄の詭弁とそれに乗った周りの大人たちの保身で泣き寝入りさせられる…
母親は「少なくとも1人」と言ってたし、他にも被害にあってる女の子はいるんだろうな。

産んだ息子がどれだけ道を踏み外してもお金だけ渡して知らんぷり、出生の秘密を知られてもきちんと向き合わずに「自己保身ばかりだ」と詰られてもピンとこず、ずっと「どこの馬の骨ともわからない遺伝子が悪いのであって私たちは悪くない」と身勝手な言い訳をしてた母親は、
同じ遺伝子を持って真っ当に育った武田を見て初めて後悔をしたと。
まぁ、そうだろうね。
自分達の行いの責任から目をそらすために貶めていた息子と同じ遺伝子をもった人間が、
医者になれるくらいにはきちんと教育を受けていて、
常識的な行動が出来るくらいにはきちんと真っ当に育てられて、
まざまざと自分達と相手の親御さんの子育ての結果の対比を見せつけられたんだもんなぁ。
双子の兄だって根っからの悪人じゃないし、辛い境遇でもウサギを可愛がる心を持ってたんだよかつては。
でも、双子の兄が死んでから後悔したって何の意味もないんだよなぁ。
女の嫌なところ煮詰めたようなこの母親に読んでて嫌悪感しかないけど、武田は一定の理解を示して慮れるの凄いな。いい人すぎる。

終盤の総括の部分でも、体外受精で生まれた両親とは違う遺伝子を持つ子供ルポルタージュの一節という形で
我々は、子供を持ちたいという夫婦の願いを叶えることばかりに気をとられていて、産まれてくる子供たちの権利を、人権を、あまりにも蔑ろにしてきたのではないか。」
という文が出てきます。

子供が産まれることは、どんな形でも究極的には親のエゴによるものだとは思う。
だけど子供は1人の人間で、大人の都合の良いペットでも親の所有物でもない。
未熟で力のない存在だからこそ、
1人の人間として向き合うという姿勢を忘れてはいけないと思う。



②ミステリについて

ミステリ内容を大まかにいうと、
自分の出生に関わりそうな身元不明の死体の謎をとくのに、武田は旧友医師・城崎に協力を依頼。調べていくと老舗の不妊治療クリニックの存在が浮かび上がる。事情を知ってそうな理事長に話を聞きに行く直前、理事長は密室で死んでいた。警察は自殺だと思ってるけど、不自然な点が多い。果たして本当に自殺なのか。他殺なら犯人は誰なのか。

といった感じ。

鍵となるのは「背理法」
すなわち、
前提となる条件を立証する仮説にことごとく矛盾が生じたとき、そもそも前提条件が間違っている

結論を言うと、
理事長の死因は衝動的な自殺。原因は武田が尋ねてくる直前に会った人物。

で、「犯人」は
主人公の妊娠中の奥さんの絵里香

事件の流れは
絵里香は実はもう1人の武田の兄妹で、武田の双子の兄にある日突然色々暴露され、暴行される。
このままだと夫やお腹の子に危害を加えられると恐れ隙をついて反撃。意識不明になった相手を車イスに乗っけて海まで運んでドボン。
その後、武田が不妊治療クリニックの理事長から真実を聞く約束をしていることを知って先回り。理事長に自分の身の上、武田の双子の兄を殺したこと、武田と結婚して子供を身ごもっていることを伝え、武田には何も伝えないよう懇願。絵里香が帰ったあと、自分のやったことに罪悪感に耐えきれず自殺。


壮絶


タイトルの「禁忌の子」はまさに最大のタブー・近親相姦から出来た主人公の子どものことだった。

主人公の衝撃たるや…。

でも、理事長的にも衝撃だよね。
理事長はグレーなことをしてても悪徳金満医師ではなく、むしろ理想に燃え信念を持った立派な医師。
日本の不妊治療の発展に文字通り身を捧げてきたけど、その結果が
血を分けた子供たちの悲惨な末路。
片や子供を大切にすると約束した両親から身勝手な理由で虐待されたあげく道を踏み外し殺された息子、
片や知らずに兄と結婚し近親相姦の子どもを授かり、もう1人の兄に真実を暴露され暴行された挙句殺してしまった娘、
片や真実を探しにこれから自分のもとにやってくる、何も知らない重すぎる十字架を背負った息子。

心を壊して衝動的に自殺するには十分よね。

真実を知った武田は多少葛藤したものの妻子を愛し守りたい気持ちは変わらず
真相を突きつけた探偵役・城崎を口封じしようとします。
まぁ失敗するけど。
そんなことをするには武田は人が良すぎるし、絵里香も望んでいない。

むしろ
武田の性格を見抜いたうえで「人に殺意を向けられてみたい」という欲求のために武田を煽った城崎のほうが人でなし。

城崎、探偵役にふさわしく「感情が常に凪いでて感情に振り回されることなくシンプルかつ論理的に物事を考える」性格なんだけど、
感情に支配される人の気持ちが全くわからないから感情のうねりが強く出る「事件」に関心をもち、
「僕は人間になりたぁい!」
的な理由で首を突っ込んで感情の勉強をしてるそう。
武田に何度も心のなかで「探偵より犯人のほうに親和性がある」って評されてるけど、
なんだかんだ人を思いやれる行動がとれて医療倫理も持ち合わせてる
光のサイコパス
まぁ武田を煽った理由は狂ってるけど。


事件の結末はたまに見られる、
当事者たちに推理を披露するけど探偵は警察に話したり公にはせず、
真相を秘密にするタイプ

賛否分かれるタイプよね。

武田や城崎が危惧したことを考えると、この結末が無難よな。
ただ、「禁忌の子」には「知る権利」がある。
墓場まで持っていくつもりでも何かの拍子に知ってしまうかもしれない。
混乱するだろうし、決定的な溝になるかもしれない。けど、決断をエゴだと自覚しているならその時は誠実に向き合ってあげてほしい。
「禁忌の子」が、知っても知らなくても自分の人生を肯定して生きることを願う。


ちなみに、私のミステリの楽しみ方は、ロジックを組んで謎に挑むよりも小説の雰囲気を楽しんだり、「こいつが犯人だったら面白いなー」というひねくれた視点で目星をつけたやつをもとに憶測をしてみる邪道なタイプ。
今回もひねくれ視点で犯人を推測したら当たった🤗



続編も出るのが決まってて楽しみ!
バディは男女に変わるみたいだけど😇


【乙女道士 〜華遊恋語〜】 感想 

2024-10-18 21:52:43 | 乙女ゲーム
こんにちは、サニーです。


サックサクにクリアしました!

🐼乙女道士🐼 〜華遊恋語〜





ボリュームもシナリオもあっさりライトな感じだからのんびりプレイの私でもスイスイ進められました👍

というか、X(Twitter)見てると買ってすぐにクリアしてる人もチラホラ。

明るめのシナリオでイラストも可愛くて良き🥰
小学生のときよく読んでたちゃおっぽい感じ。
途中挿入される漫画や、章ごとの次回予告が昔のアニメっぽくて
童心に帰れる👧🏻

ただまぁ、楽しめたって声も聞くけど評価は辛めなんだよなぁ。
Amazonのレビュー星3切ってるし…

私は好きだし合ってたけど、低評価の理由も納得。

今回はそのへんに触れた全体評価とキャラ別感想を書こうと思います。



【全体評価】※ネタバレなし

AmazonやXで眺めた意見要約すると、
お値段の割に色んな面で物足りないから
かなぁ…。
色んな面は主にボリューム、シナリオ、システム面かな。


①ボリューム
マジで少ない。共通短めで、個別も8章まであるけどゆっくりプレイの私がやっても1キャラ3時間掛かるか掛からないかくらいだった。
同じくらいのボリュー厶の乙女ゲはSwitchやVitaの吉原彼岸花くらいかなぁ。
ただあれは🔞シーンをカットしているから短めなんであって、乙女道士は最初から少ない😇
最近のボリューミーな乙女ゲに慣れてると物足りなく感じるかも。
だけど、長い文章が苦手だったり、日々の生活に疲れていて話が長いやつだと読むのが億劫だって言う人にはいいかも。

シナリオ
ラブコメ系で明るいタイプのシナリオなんだけど、
マジでちゃおとか女児向け漫画
こんな感じの漫画を小学生のときよく見たぞ
って思いながらやってた。
ルナルナティックとかB・BスクランブルとかDr.リンに聞いてみてとか…懐かしい…

シナリオの個人的評価は
・シリアスなところもあるんだけど、心の底から闇散らかす激重シーンもなければアダルティなシーンもない。
・バッドエンドもデッドエンドもなくて最後はハッピーエンドかハッピー寄りのノーマルエンドになる&ボリュームが薄くてライトだからご都合主義がすごい
・致命的な破綻はないけど強引な展開が多々
・難しくなくてわかりやすいシナリオだけどわかりやすすぎて先の展開が読める。
正直、大人の読み物として物足りない感はある。

でもCEROはCなんだよね。不思議。
昔のアニメっぽい章ごとの次回予告も相まってノスタルジーすら感じる。
現在の大人の自分として楽しむより、童心に帰って楽しむのはアリかも。
スーパーの駄菓子コーナーでセボンスターを買って自分の中の女児を喜ばすみたいな楽しみ方というか👧🏻

もしくはご都合主義上等で明るくて難しくない話を見て心身の疲れを癒すとか。
余談だけど母が昔から二時間ドラマが大好きで、その理由が「わかりきった予定調和の展開を、無駄にドキドキせず頭空っぽにしてのんびり楽しめるから」
学生の頃はわからなかったけど、いい大人になって日々の生活に追われるようになってからは理解できた
疲れてる時は情緒ゆさぶる物語で精神を摩耗させるよりわかりやすい話をぼんやり眺めてたい😇🍵

③システム
・目パチ口パクなし等、立ち絵の動きなし
・リップ音なし
・スチル少ない
最近の乙女ゲームでこれなかったら不満出るよねっていう😇
個人的にはこの辺なくても全然いいタイプだから気にならなかった。
なんならリップ音や喘ぎ声吐息苦手なんよね😇

スキップの速さは無問題。
選択肢スキップは…シナリオが短いからスキップだけでストレスフリーでいけたから、あったかどうか覚えてない😇
視認性も悪くなかった。


乙女道士、悪くはないし楽しかったけど
正直、ダウンロード限定やアプリで2500円〜3000円ちょっとのお値段なら文句出なかったって感じのクオリティかなぁ。

イラストも可愛いしシナリオライターさんも人気の人達だったから前評判は良かったし期待値も高めだったけど、
蓋を開けてみたら良くも悪くもライトすぎて落差が凄い。
ちょっと前に発売されたミストニアやトラマギが同じようなお値段で良ゲーと評判だから見劣りもするよねぇ…。

あとは、ルートによって主人公のノリが寒いって意見もあった。
私は結構好きだけどねあのノリ🤗

ただ、買ってみるまでは自分に合うかどうかなんてわからないし、どんなに評判のいいゲームでもどうしても合わなくて皆が楽しんでるのを横目にやる気が起こらなくて詰んだり売ったりして「お金もったないなかったなぁ…」って思うこともある。
私的にはサクサクできるライトさが合ってたし、

私は好きだよ乙女道士🐼✨

あと、ミーミが可愛いからそれだけで買った価値大アリ🐼💕

私的に乙女道士が合ってそうな人は
・日々の生活に追われてて(もしくは疲れが出てて)重めのゲームをする気力がない
・ずっと重めのゲームをしてきたから箸休めしたい
・初めて乙女ゲームをする、久しぶりに乙女ゲーム再開するから肩慣らしにライトなゲームをしたい
・鬱展開のない明るいゲームがやりたい
・ご都合主義上等のハピエン厨
・童心(女児)にかえりたい
・可愛い中華風の雰囲気を楽しみたい
・シナリオは重視せず好きな声優さん、一目惚れしたキャラ、可愛いイラストを堪能したい
・関西弁の胡散臭い細めキャラCV福山潤に会いたい
・可愛いパンダのマスコットキャラを愛でたい
ってとこですかね。



次はキャラ別感想!
ややネタバレありで、肝心なところは伏せ字にします。





⚠ネタバレややあり⚠







キャラ別感想


攻略順はユーハン→シャオウ→ハオラン→ロンレイ(制限あり)→ウロ(隠し)がオススメ



シュンリン

元気ハツラツ主人公ちゃん。
ちゃおとか女児向け漫画に出てきそうな、
前向き天真爛漫お転婆ガール

道士見習いとしてキョンシーと戦うけど、武術の心得もあるから対人戦でも戦える。
なのに共通では攻略対象に出会うために
やたら人にぶつかったりそのへんの雑魚おっさんに突き飛ばされたりする😇
共通だとなんでそんなに足腰弱いんだ

複数ライターの影響か、ルートによって大分印象が変わる。
ユーハン√ではちょっと鈍感系なのにシャオウ√はガッツリしてたり。

乙女ゲームにありがちな実は主人公には重要な秘密が…みたいなの、今作の場合は大したことはない。
赤ちゃんの頃に出会ったシユから道士の力を一部吸い取ったのと、実は捨て子でリーホンとは血が繋がってないことくらい。
シャオウ√で何か特別な力がある…!みたいな事言ってたけど最後まで詳しく言及されることはなかった😇


ハオラン

優しいお兄ちゃん系幼馴染。
心清らかで優しい。
優しすぎて他人を優先しすぎるところがある。
シュンリンとは兄妹同然に育ってるせいで周りが引くくらい距離が近い。自√ではそのへんを指摘されてお互いが徐々に異性として意識していくのが可愛かった🥰
黄泉にいって生き返ったりなかなか超展開ご都合主義だった。


ユーハン

同い年の可愛いツンデレ幼馴染。
思春期全開少年って感じで可愛い。(ユーハンもシュンリンも19歳くらいだけど)
すぐ「バーカ」っていう🤗
ユーハン√は親目線で見ちゃう


シャオウ

シュンリンのどタイプの漢。
シャオウ√は主人公大分がっついてる。
ロンレイ√もそんなとこあるけどシャオウ√ほどじゃない。
私も攻略対象の中では一番見た目が好き🥰
キャラ的にもアリ💕
村を焼かれて真相を探ってるんだけど、復讐に燃えて我を忘れるとかそんなことはない。怒りや悲しみはあれど冷静。

このルートは村を焼いた王様を倒す話だから、シユがめちゃくちゃ協力してくれる。



ロンレイ

超絶美形ワーホリ官人。
攻略制限ルート。
本作の監禁枠
他ルートでは王宮サイドの物腰柔らかな頼もしい協力者なのに、
自ルートだと急にヤンデレ化します。
実はキョンシー並みに体温が低くて他人の体温も感じ取れないのに、なぜかシュンリンだけは温もりを感じ取れることが発覚。生まれて初めての人の温もりを手放したくなくて超唐突にシュンリンに並々ならぬ執着を持ちます。
あまりの急展開にシュンリンもプレイヤーも戸惑う😇
そして一度はヤンデレが収まったのに、恋情エンドで唐突に監禁属性復活。なんでやねん。



ウロ

パケにも描かれてる隠れてない隠しキャラ。
ロンレイルートで唐突に出てきて、ロンレイ攻略後にロンレイからの派生で攻略可能。

本作の運命枠

記憶喪失の謎の青年として出てくるけど、正体はすぐ察しがつく。
どっちかっていうとこのルートで印象深いのはヨキの方かな


あとは非攻略キャラ2人ほど


シユ

軽薄薄目関西弁CV.福山潤の
胡散臭さ100%男
本作のボスキャラ
死してなお復讐のために50年以上の年月を費やした執念の男なんだけど、キョンシー生の中で時折人と関わり、無情になりきれなかった憎めないキャラ。


ヨキ

聡明で理知的な王子様。
騒動後は王様になってるルートも多いけど
真の黒幕

本性は双子の兄や父王に並々ならぬ憎しを抱え、国のトップになるために暗躍する。

シュンリンを気に入っているのは昔出会ったシュンリンを心の支えに辛い王宮生活を乗り切ってきたから。
実際はあったことがなくてウロの思い出話を自分の記憶だと思い込んだだけだけど。

ウロ√でシュンリンへの執着が深いことが発覚したけど、他ルートでのエンディング後のシュンリン大丈夫だったのかな。



ルオジン

色んなことの元凶。
立ち絵は威厳に溢れてる感じなのに、実際は小悪党感。


そして本作の私の推し

ミーミ🐼

超可愛い💕
今までのマスコットキャラの中で一番好き🐼💕

この子に出会えただけで乙女道士買った価値がある!🐼



以上!
FD出るかわからんけど出たら買おうかな。





逆転美人  著者:藤崎翔  読書感想

2024-09-14 02:56:11 | 読書
こんにちは、サニーです。


乙女ゲーム感想用に立ち上げたブログだけど、最近はすっかり読書感想ブログになりつつある😇


今回も読書感想あげます!


今回の本は

「逆転美人」
著:藤崎翔





とある事件の被害者である香織(仮名)が出した手記という形で、
内容は「美人の不幸な半生記」

ジャンルはミステリーで、
「紙の本でしかできない驚きのトリック!
という煽りに惹かれ読むことにしました。

面白かったし、トリックも斬新だった。
ただ見破るのはかなり難しい。ヒントも分かりにくいし、とある分野の知識があるか、めちゃくちゃ勘が良くないと無理かも😇


今回の感想はミステリーやトリック部分には一切触れず、
「美人の不幸な半生記」を書いた手記部分の感想を書いていきます。
帯に「読み終わってからネタバレ厳禁!」って書いてあったし。
あと、最後に肝心要の部分には触れずに「解答箇所」についてもやんわり感想を書きます。

ちなみに、前回「方舟」「十戒」の感想を書いたときにミステリー部分は反転で読めるようにしたけど、 
編集作業が大変だった&かなり見辛くなった
ので、
今回はナシです!


参考

『方舟』感想  『十戒』感想  ネタバレあり - 王様の耳はロバの耳

『方舟』感想  『十戒』感想  ネタバレあり - 王様の耳はロバの耳

こんにちは、サニーです。1,2年ほど前に話題になったミステリー小説「方舟」「十戒」(著作:夕木春央)を読み終えました!今日はこの2冊の感想を...

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⚠ネタバレ注意(ミステリー・トリックはなし)⚠
















手記感想


これを読み進めながら真っ先に思ったのは、

「何これ自分の生い立ち語るふりした周囲の人間の所業の暴露?こわっ」
です。

香織(仮名)は性犯罪の被害者でありながら殺人等のあらぬ疑いをかけられて連日マスコミやSNSを騒がせている人物。
読者視点だとピンとこないけど、現実にいたら個人情報がネットに出回ってるだろうし、地上波のニュースでも所在地はわかりそう。
そんな人物が過去を丁寧に振り返り、周囲の人間の所業を事細かにあげつらった読み物を大々的に出版したら…

本に書かれた人は、少なくとも周囲の友人知人地元の人間には何やったかがバレそう。

覗き現行犯で香織の親父に捕まって泣きべそかいてた人気者の少年Eくんとか、
香織をイジメた原因がEくんに振られたことだった元親友のA子ちゃんとか、
セクハラおぢの魂胆に気づいていたのに香織がおぢの元に行くように仕向け、逃げ出してきた香織を追い返したバイト先の先輩美希とか(当時の彼氏と別れてるんならまだしも結婚してたら手記のせいで気まずくなりそう)

知り合いの知り合いは知り合いっていう地方都市特有の人間関係の狭さに香織は子供の頃苦しめられたけど、今度はイジメてたやつらが煩わしい思いをする番だね!
実際手記の初版が出たあとに色々あって香織の生い立ちに関わる人たちに取材が入ったみたいだし。

あと、香織が勤めてたキャバクラも反社バレして打撃すごそう。キャバクラ自体がなくなっててたり特定されなくても繁華街自体に反社のイメージついて打撃受けそう。手記が出版されたのはコロナ禍真っ只中だからただでさえ客足悪いのにやばいよね。

香織が一瞬だけ在籍してたセクハラ会社J工業も、規模が小さくて仮名だから難しそうだけど場所から特定は出来そう。香織は何度か引っ越しているけど、ネットにもし昔住んでいた土地など具体的な個人情報が晒されていたら手記をよく読めば特定出来てしまうかも。

そして極めつけがB県警。手記を出版するきっかけになった事件の捜査をしているんだけど、香織は若い頃に警察官とも因縁があったそう。
他と比べるとそこまで悪辣なことをされたわけでもないけど(十分ドン引きものだけど)、香織はB県警だけほぼ名指しで批判してるのよね。なんせ連日のニュースでどの都道府県で起きた事件かは日本中の人の周知の事実だし、「B県警」って仮名にしたところですぐわかる。
最初は警察のズレた捜査のせいで誹謗中傷浴びたから不満があったのかなぁと思ったけど、多分あれは挑発というか発破をかけるためだったんだろうな。

その後は結婚して家庭に落ち着くも、旦那や父を失い娘が障害を負い、不幸がまだまだ続く中行き着いたのが今回の事件…

全く救いのない展開に読むだけでぐったり疲れる

本の感想サイトでもこの手記の部分は「冗長」「読んでいてダルい」等結構不評。
ただ、これはフィクションとして読んでいる私たち読者サイドの感想。
もしも現実にこんな感じの手記が出て、著者も事件も関係者も実在するとしたら、あまりの救いのなさに心を打たれて著者を苦しめた奴らに許しがたい感情を持つかもしれない。

そう思ったから香織の手記も爆弾だと思ったのかもしれない。


ちなみに手記の主題である
「美人は損である」
という主張や手記内での意見については、概ね賛同。
結構前にコラムニスト・犬山紙子と漫画家・峰なゆかの対談モテ本「邪道モテ」を読んだときに、まさに香織のような美人についての記述があった。
邪道モテは「どんな女の子かモテるか」というテーマの本なんだけど、「正統派美人」については
「生まれ持った美しさのせいで気苦労が絶えず意外と薄幸。男にはストーカー等で狙われ女からは嫉妬を買い、最早芸能界に入るしかない人たち。気が強いタイプならまだしも子鹿みたいに繊細な子はメンタルやられがち」
という評価。
まんま香織じゃん。
作者は邪道モテ読んだことがあるのかもしれない🤔

そして私のリアル知り合いにも大人しめの美人がいるんだけど、香織ほどじゃないけど話聞いてると色々嫌な目にあってきたっぽい。

過ぎたるは及ばざるが如しというか、容姿に限らずだけど優れすぎた才能や資質はそれを活かせる整った環境か強靭なメンタルがないと宝の持ち腐れになるんだなぁと。というか美人すぎるのに中身が普通だと周囲が勝手に落胆したり舐めてきたりする。
この辺は嶽本野ばらの「変身」に通ずるものがある。イタイ性格をした冴えない不細工男がある日突然絶世のイケメンになったけど…という小説。

「ただしイケメン・美人に限る」なんていうけど、それだけで良い事がなんでもかんでも舞い込むわけじゃない。
むしろ普通の人より無駄に期待値があがってハードルが高くなりそう。

 





【解答箇所ふわっと感想】
本の終盤が解答箇所になるんだけど、ここでミステリーのトリック等解説が入ります。

ヒントいっぱいあったし確かに読んでて「ん?」ってなったけど
これで真相にたどり着くの無理だろ

1番の目玉である「紙の本でしかできないトリック」についてはわかったとき鳥肌ものだけど、

専門知識があるかよっぽど勘が良くないと気づかんやろ😇


話全体としては面白いし解答編のカタルシスもあったけど、
謎解き部分は難易度高いというよりフェアじゃない




今回は以上!


『方舟』感想  『十戒』感想  ネタバレあり

2024-06-02 03:36:15 | 読書
こんにちは、サニーです。

1,2年ほど前に話題になったミステリー小説

「方舟」 
「十戒」(著作:夕木春央)

を読み終えました!
今日はこの2冊の感想を書きます。


ネタバレありですが、真相や犯人、殺人事件に関わるところは反転←反転(長押し)してお読みください。


この2冊の繋がりはほとんどないので片方読んでなくても楽しめますが、「方舟」→「十戒」の順で読むと「おお!」ってなるところがあります。

ちなみに、公式の解説サイトがあります。

方舟

十戒
『十戒』ネタバレ解説サイト

『十戒』ネタバレ解説サイト

『十戒』を読んだ人がもっと楽しめるネタバレ解説ページ

『十戒』ネタバレ解説サイト






【2冊まとめてざっくりネタバレなし感想】


「方舟」「十戒」は2冊とも

極限状態で起きた殺人事件を紐解くクローズドサークルミステリー
です


「方舟」
長らく放棄された地下施設に肝試し半分で行ったら地震により閉じ込められ、しかも地下水が徐々に浸水し発電装置が2週間しか持たない。脱出する方法はあるけれど誰か1人を置き去りにしないといけない状況。


「十戒」
個人所有で電波も繋がる無人島で事件が起き、犯人に「犯人を見つけてはならない」を筆頭に色々制約を課され、3日間守れば解放されるけど守らなかったら全員死亡を突きつけられ、事実上島に軟禁状態になる。


どちらも過酷

状況は「十戒」のほうがマシかなぁと思うけど、犯人に生殺与奪を握られ自由を制限され、「犯人の言うことは本当に信用できるのか、生きて帰れるのか」と疑心を捨てられずずっと不安な状態が続くのはストレスだなぁ。


「方舟」と「十戒」、状況は正反対だけど巻き込まれた人たちの言動はよく似ている。
大多数の人は危機的状況を認識できているけれどどうすればいいかわからず何もできない人が多く、主体的に動ける人物(探偵役や犯人)が状況を打破する・変えるべく行動するのにひっぱられている。
それは物語の語り手(主人公)も同様。
ただ、それぞれの主人公は正反対の結末を迎えてる。

そして、2冊とも犯人が凄い。
ネタバレなしで言うととにかく凄いしか言えない。でも凄い。











⚠この先ネタバレあり⚠














【方舟】


デスゲーム始まりそうな環境整いすぎ

大学時代のサークル仲間とたまたま見つけた怪しい地下施設を探検してたらタイミングよく地震が起きて閉じ込められた上に地下水の浸水が始まって、脱出するために必要な道具やトリックに使える道具、「お話し合い」に必要になるかもしれない拷問道具が完備されてて、非常食がちゃんと備蓄されてて…


お膳立てが整いすぎて割とマジで一番最初のソウみたいなオチを予想してた
違ったけど
あんだけ注目されまくってた拷問器具も全然使われなかったし。


この方舟が元々一体どんな目的の施設だったかは結局よくわからず、怪しい宗教団体の施設だったってことしか作中では言及されてない。
物語的にはあくまで「早く脱出しないと死ぬ地下空間」っていう舞台でしかない。


まぁでも犯人の動機はなかなかエグかった

⚠犯人・真相ネタバレ(反転)

脱出するための条件を故意に捻じ曲げ、自分ひとりだけ助かるよう暗躍してたんだもんなぁ…
本当の脱出条件は「水没した非常口を目指してスキューバダイビングする」
だけどこの方法だと脱出できるのは1人か2人。何日かかっても救助を待つゆとりがあるならまだしも、何日かたつと施設が完全に水没して溺死するからボンベや道具を巡って壮絶な奪い合い殺し合いが始まりかねない。そうなると女性である犯人には不利な状況になるから、本当の脱出条件を隠蔽し、「自分たちが入ってきた出入り口を塞ぐ大岩を、1人を置き去りにして装置を使って動かせば残りの皆は助かる」(実際は出入り口の外は土砂崩れで埋まっている)と全員に思い込ませる。
犯人は3回殺人事件を起こしたんだけど、動機は一貫して「自分が脱出するための障害を排除する」。

うーん、仕方ないっちゃ仕方ないけどなかなか鬼畜。
最後の最後で主人公だけに真相を教え、他のメンバーはもうすぐ脱出できる!って希望に満ち溢れていたのに真実を目の当たりにして絶望のどん底に叩き落されてたもんなぁ。
しかも主人公には救済の道が用意されてたんだよなぁ。
「探偵役に犯行を暴かれて置き去りにされた自分(犯人)に寄り添って一緒に残っていれば、一緒にダイビングして脱出するつもりだったんだよ」だって😇

ちなみに私、読んでる途中と読み終わった直後はこの犯人のことめちゃくちゃ嫌いだったんよね。
犯人の鬼畜外道っぷりにドン引きした以外にも、この女サークル仲間と結婚した既婚者のくせに、主人公に「夫とうまくいってないの🥺」って相談女ムーブかまして粉かけてたんだよね。というかそもそも主人公とは大学時代は付き合う一歩手前みたいな状態だったのに卒業シーズン付近で今の夫とお付き合い・結婚をしたらしい。そんな関係だから主人公と夫は中学時代からの友達だったのにぎくしゃくしてると。
サークラやないか。
身近にいたら「けっ」って思いそうだけど、作中のサークル女子達もそんな感じだったのか犯人と仲良さそうな様子は見られなかったんだよね😇

まぁ、でも、この女は主人公にも夫の手にも負えない怪物だよな。
観察力、判断力、分析力、演技力、フィジカル、機転、発想、冷静さ、どれも尋常じゃない。
しかも前々から計画してたわけじゃなくてその場その場で自分が助かるための最適解を計算してるんだよなぁ。
畏怖の念が芽生えるわ。

色々凄い犯人だけど、ちょっと突っ込みたいところもある。

物語中盤の
第二の殺人事件
わざわざ首チョンパしてかなり離れたところから超慎重にウェス持ってくる必要なくない?😇
なんか適当な袋かシーツ被せてナイフで顔ズタズタにすればよくない?そっちのが手間もかからないし返り血も防げるし犯人の目的も達成できるしいいことづくめでは?
探偵役曰く「顔面破壊は心理的抵抗がある」とか言ってたけど、首チョンパのほうがきつくない?


犯人について語ってばっかだから、主人公にも触れておこう。

主人公、
絶妙に頼りない
いや、語り手として読者に状況を伝えてくれる分には冷静な思考の持ち主なんだけど。

受け身だし積極性に欠けるんだよね。
探偵役の従兄弟の助手ポジではあるんだけど、ただただ従兄弟に従ってるだけだし。
そして切羽詰まった状況なのに好きな女のことで頭いっぱいになるし。

そもそもサークルに関係ない従兄弟連れてきた理由も、
好きな女とその夫との三角関係が気まずいからっていう。
うーん、頼りない

自分で状況を変える行動をせず誰かの考えや策略に乗っかるだけ流されるだけの果ての結末は…

そして、今作の探偵役の主人公の従兄弟。
ヘタレ主人公に頼まれて着いてきただけの人で、主人公以外全員と初対面。
冷静に状況を見ながら最善を模索し、殺人事件の犯人もズバリ的中させる…んだけど、
(反転)
残念、脱出方法の前提を捻じ曲げられていたせいで最後の最期に犯人にしてやられたりに。というか最初から最後まで完全に犯人の手のひらで踊っていた。
もうね、相手と状況が悪すぎた。可哀想。



総評
ツッコミどころはあるけど、極限状態の徐々に追い詰められる経過は生々しくリアル。
犯人すごい。













【十戒】


生殺与奪の権を他人に握らせるな!

鬼を滅する漫画の有名な台詞だけど、知らん間に10人近くがまとめてがっつり握られちゃったらどうしようもないよね。

いや、回避ポイントはあった。
島吹き飛ぶくらいの爆弾見つけたら四の五の言わずさっさと逃げよ?

確かに一晩くらいほっといたくらいで突然爆発しないやろってなる気持ちはわかるけど、普通に怖いやん。
主人公パパも、保身に走る気持ちはわかるけど主人公の言う通り問題を先送りしただけでいつかは警察に言わなきゃいけないんだし。
そんで一晩明けたら爆発はしなかったけど爆弾盾に行動制限かけられる羽目になるし。


今作のクローズドサークルは
スマホの電波ばっちり届いて3日間限定って言うなかなか開放的な環境
まぁ電波バチバチでもスマホは封印されたけどね😇
それでも前作の全員助かる道のない超ハードモードクローズドサークルと比べると一見希望はある。
がっちがちに行動制限・精神拘束されるけどね!
外部との連絡は怪しまれないように必要最低限だけとるけど会話はみんなに筒抜けとか、基本は単独行動推奨で複数人が30分以上一緒にいてはならないとか。
最大のポイントは
犯人が誰か知ってはならない
例えば皆でアリバイを確認し合うとか、証拠品を探すとか、そういった行為も禁止。
「これ、ミステリーとして成立するの?」って思ったけど、ちゃんと探偵役います。
主人公と相部屋だった人です。
探偵役は他のメンバーの目を盗んで主人公や主人公の父親と密談をする、他の人のスマホをこっそり盗み出すなど危ない橋を渡りながらロジックを組み立て、最終日に推理を披露します。

そんなことしなくても3日間大人しくしてた方がいい気がするけど、
探偵役曰く「思考停止して犯人を探らないのは危ない」
実際(反転)
2日目、3日目とも朝になると誰か1人殺されてて、残りの人間は犯人の証拠隠滅のために協力させられます。

犯人が被害者を殺した理由もわからないから(読者はもちろん読み終わる頃までにはわかるけど)次は誰が狙われるかわからないし、そもそも犯人は本当に3日後に自分たちを解放してくれるのか信用もできない、仮に助かったとしてもその後の警察の取り調べや世間の目で犯人扱いされるかもしれない、でも犯人に歯向かえば全員爆殺。外部との連絡の時も助けを求められず嘘をつかなきゃいけないから急に3日間帰れなくなったことを責められたりする…

なかなか危ない状況だし精神的にきつい…
実際情緒不安定になった人もいたし。


⚠犯人・真相ネタバレ(反転)
探偵役が示した犯人は
第3の被害者の藤原。
殺されたと見せかけて、他メンバーに部屋に閉じこもるよう指示したあと脱出の準備を整えた。
他の被害者の小山内と矢野口は爆弾魔仲間で、ずっと島に保管してあった爆弾をどうにかして回収しようとやってきたけどあっさり見つかってしまい、夜のうちにゴムボートで逃げ出そうとしたけれど小山内が崖の上で足を滑らせ事故死。藤原は矢野口を犠牲にして1人逃げ切ることを思いつき、今回の事件を起こした。
世間的に自分は死んだことにしたいから逃げたあとに残りの人間を爆殺する可能性は低いと考え、今後すぐに自分たちも逃げ出すか一晩様子を見て予定通りにくる迎えを待つか選択してもらいたいから推理を披露したとのこと。

まぁ、真犯人は探偵なんだけどね。
なんというマッチポンプ

探偵役の推理は被害者3人が爆弾魔ってところは本当だけど、小山内殺害からの推理は全くデタラメ。全員きちんと探偵役の手で殺されています。
殺害の動機は
3人は夜のうちに脱出したあと、証拠隠滅のためほかの人間ごと島を爆発させるつもりだったことを知ったから。
探偵役がそのことを知ったのはまさに3人が夜陰に隠れて脱出準備をする現場を見たとき。
他のメンバーに助けを呼びにいく時間もなく自分1人じゃ男3人を止めることは出来ないから、とりあえず起爆装置を持っていた小山内を殺害。
上述推理のように仲間割れして1人が逃走したように見せかけるため「十戒」を用意し、メンバー全員の行動制限をして殺人と偽装工作に暗躍します。
突発的な殺人を犯したあと、わずかな時間で一連の計画を思いつき完璧に実行。皆脱出したあとは島を爆発させてしっかり証拠隠滅。
ただ者じゃない。
主人公は
同室だった探偵役が深夜怪しい動きをしたことは知っていたけど、「犯人を知ってはならない」十戒を破ったら爆殺だと脅されたのと確証が持てないこともあってずっと口をつぐんでいたし、あまつさえ父親には探偵役のアリバイを証明した。
よくよく考えれば「個室だった他のメンバーとは違って同室だった2人はお互いのアリバイを証明できる」っていうのは十戒の前では無意味なんだけれど、(私もだけど)島メンバーは気づかなかったので探偵役は「犯人じゃない可能性が高い人物」として信頼度が高くなり、矢野口や藤原の警戒を下げて犯行がしやすくなったとのこと。
島から脱出したあと探偵役は主人公に真相を教え、今後も口を噤むよう笑顔で圧をかけ、主人公は涙を流しながら承諾する…

完全犯罪達成。

主人公、小説をよく読むと探偵役に対して鼻白んだり怯えたりしてるんだけど初見じゃ「大胆不敵な行動と推理に驚いたり呆れている」風にみえるんだよね。
大胆不敵もなにも犯人なんだから好き放題動けるんだけどね。
よくよく見るとまとめ役っぽい行動を取りながら皆を誘導してるんよね。
主人公は探偵役が犯人と知りながら一切邪魔をせず、自分や他メンバーの命運を探偵役に委ねた、消極的な共犯者のような立場。
よっぽどの気概ないと主人公と同じ立場なら誰でも同じだっただろうけど、主人公はしっかり罪悪感を抱えてるから涙が止まらなくなったんよね。


※ここからは「方舟」の真相にも触れます。
⚠「方舟」「十戒」両方とも見てない人は閲覧注意⚠


(反転)
今回一番ビックリしたのが
今作と前作の犯人と同一人物だったこと。
名言はされてないけど間違いない。
小説ラストのセリフ
「じゃ、さよなら」
をみた時はゾワっとした。
あの難易度高ランクのスキューバダイビングと地震で土砂崩れが起きた山からの下山達成して人里に戻れてたんだね。
やっぱりフィジカル凄い。
書類上はまだ既婚者だけど、仕事では旧姓を名乗ってるとのこと。
今回の登場人物がほぼ名字だけしかわからなかったのはこのための伏線か…!

前回も今回も行動原理は一貫して
「不測の事態に巻き込まれたときに、どうすれば自分は助かるのか」
であって、自分の命を助けるために手段を選ばずずば抜けた知力・体力・演技力を駆使して目的を達成するんよね。
凄すぎて一周回ってファンになったわ。

前回は全員の命を直接的・間接的に奪ってたけど、本人は別に快楽殺人者ではないから必要がなければ積極的に他人に害は与えないのよね。多分。
まぁ今回助かった人たちもトラウマやPTSDに悩まされるだろうし主人公に至ってはずーっと重い秘密を持つことに苦しむんだろうけど、そんなことは知ったこっちゃないんだわな。

前回の主人公は犯人を見捨てることで自分が見捨てられて命を落とし
今回の主人公は犯人に従属したことで生涯犯人の影から逃れられない
真反対の結末を辿ってるけど、どちらが良かったんだろうね。

総評
ドンデン返しは前作以上。前作読んでるとより味わい深い。
やっぱり犯人凄い。


【まとめ】

どっちも犯人についてがっつり色々書いたけど、
「方舟」も「十戒」も犯人が凄い。
これに尽きる。

色々舞台となった場所の謎は残っているけれど、そこはどうでもよくて
あくまで「特殊環境での殺人」「そのときの人々(探偵、犯人、モブ)の動き」がメイン。

次回作も絶対あると信じてる!待ってます!