偽史倭人伝 ~ Carnea Historia

march madness の次が April Foolなんて小粋ぢゃないか。

●グラフィティなんつっても所詮はガキの落書き

2006年10月02日 17時41分41秒 | ◎ツッコミ思案1
Obey Bush Stencil



 こないだ、夕方のニュースで「BNE」という謎のステッカー魔のことを取り上げていた。“こないだ”のことばっかり書いているからこのブログのアクセスは最近低迷しているのだろう(苦笑)

 それにしても木村太郎、
「これはもしかすると費用対効果のいい宣伝方法かもしれませんよ」
と調子にのって、いつもやりこめてる安藤優子に逆に怒られてた(笑)。
 
太郎氏はしばしば自慢の英語力を駆使してネットで仕入れたような情報を自慢したがるが、今回は完全に場違い発言。きっとバイラル広告とかバズ広告のことを言いたかったんだろうけど、そんなのいまさら海外のサイトを見るまでもないし、そもそもBNEのしていることは安藤氏の指摘したように犯罪行為だ。

太郎さん今回ばかりはやっちゃったね(笑)

 まぁ、冒頭でも言ったように古いネタではあるんだけど、いまだ犯人は捕まってないので、新鮮味はなくてもまだ賞味期限内ではあるだろう。
 それにこれは街作りということに関しても示唆に富んでいる事件ともいえるのでニューヨークタイムスの記事などを紹介しながら考察していきたい。

 
スポーツ記事ではおいらの間違いなどの可能性を考えて原文併記方式にしてたけど、読みづらいというデメリットもあるとも気づいたので今回は実験的に原文は併記しないことにした。
 なので原文見たいときはこちのリンク先を参照アルヨ
↓元ソース
◆地元紙:サンフランシスコ・クロニクルの記事
◆ニューヨーク・タイムスの記事

 そもそもBNE騒動とは何か?

(サンフランシスコ市長のギャビン・ニューサムはパーキングメーターやら標識やら市のあちこちの施設にステッカーを貼りまくる汚損犯に2500ドルの賞金を掛けることにした。
 警察の発表によれば、シンプルな四角形の白地に黒のゴシック体で「BNE」と書かれた問題のそのステッカーは、もう200以上の場所で発見されているという。)


また

(ここ数ヶ月、何者かが街のあちこちに「BNE」と黒い大きな字で印刷されたステッカーを貼りまくっている。そのいくつかには日本語で"visit" や "come to"を意味する“参上”とも書かれている)

とも

さらには

(現在はニューヨークでアート・ディーラーをしているヒューゴ・マルチネス氏はBNEの正体も知っていて、ヤツは今東京で次の作戦を練っているのだという)

 つまり古いネタとはいったけど、捕まっていない犯人は今もこの日本にいるかもしれないのだ。
実はこのBNEステッカー、もう見た人もいるかもしれないけど、サンフランシスコだけでなく、ニューヨーク、東京など世界5都市で発見されているのだ。


(サンフランシスコ市警はこの“ステッカー貼り”も落書きの一種であるとみなしている。タギング(スプレーやペイントによるグラフィティの落書き手法)を施したステッカーを作ることによって、落書き犯は直接落書きが困難なところにも悪さをすることが可能になるのだと。

 一時期、日本でもマネしてるバカが増殖していたので記憶している人もいるかもしれないけどスプレーで毒々しく描かれたラクガキね。その昔ニューヨークの地下鉄などを席巻して、キース・ヘリングみたいな人が有名になっちゃったりもしたんでアートと崇めるバカまで出てきてややこしくなっちまった。

 前に深夜のテレビ見てたら汚れた壁の上に“合法的に”グラフィティアートを描かせてもらおうと渋谷区役所とかけあってるあんちゃんたちのドキュメンタリーみたいのやってたけど、それもどうかと思ったね。

 だってさ、なんで落書きがダメなのかっていうと

(グラフィティはより深刻な犯罪への入り口になっているという専門家の指摘もある)

ということ。
もっと詳しく言えば、

(サンフランシスコ市長のスポークスマンであるジェニファー・ペトルシオーネは“BNE”を追うということは、「ブロークンウインドウ理論」にもとづいて街を守る行動の一環だという。
「ブロークンウインドウ理論」というのは街の中のちょっとした傷、例えば割れたガラス窓や汚された公衆便所、そしてグラフィティ(落書き)などを無くすことが、安全な町作りへとつながるというもの。)


 つまり、きったねー街のままにしとくと、ツバ吐いたりゴミ捨てたり「少しくらい、少しくらい」が重なって、しまいにゃ怪しい人が空きビル住みついたりとか、ヤンキーかたむろしたりとか犯罪都市にまっしぐらになってしまう可能性があるという理屈。
 ニューヨークでは実際に地下鉄の落書きを消しただけで犯罪件数減少効果があったというし、日本でも札幌あたりで違法駐車の取り締まりを強化したら犯罪防止に効果があったという。

 それらを考えあわせるといくら“合法”にしたところで、(いちいち説明されなきゃ)誰が見てもラクガキにしか見えないものを描いても、通りの雰囲気はおどろおどろしいままぢゃねーの?っていう。
っていうかむしろ怪しさ増幅…

(サンフランシスコ市付きの法律家曰く
「これは清掃費といった銭金の問題だけじゃないんだ。人々の生活そのものの質が低下する恐れがあるんだよ」)


 番組では、街行く人にインタビューして
「いいんじゃないですか」
などと無理矢理、肯定的な答えを引き出してたけど、
「こういう善意の取り組みをした結果があれなんですけどどうでしょう?」
みたいなフリをされたら、そりゃ大人として否定的なコメントはしないだろうさ。
一種の誘導尋問だ。
それに聞かれてたのは単なる通行人でそこらに住んでる人でもない。

 実際に番組の中で、近隣の住人から色が派手すぎるとクレームがきて色を変更したなんてシーンがあったけど、住人としてはホントのところはそもそもグラフィティなんて無くして欲しいけど区が許可したものを全くなしにするのはムリだろうってオトナの判断したってのが正直なとこだったんぢゃないのかな。

 っていうか、そもそも、テレビに映ってた絵は雑でヘタクソだった。なんかアフラバンドの猿まねパフォーマンスを思い出したよ。あっちがチンピラの学芸会ならこっちは文化祭か?
 なんかパンクムーブメントにのせられて日本の裕福な勘違いデブが描付きリストバンドでパンクバンドやってるような違和感があったね。

 日本人って表面的なものはすぐ真似するけど、その背景にあるもののことをあまり考えたりしない。
だから短絡的にマリファナ解禁しろなんて言うアホが出てくる。
マリファナこそ、よりシリアスな犯罪へのゲートウェイになる危険性があるのに…だ。
こういう論議になると必ずオランダとかの“たまたま都合のいい数字が出た統計”を持ち出して語るヤツがいるけど、ここは日本なんだぜ。
 おとなりに北朝鮮もあれば歌舞伎町では外国人マフィアは増え続けててるんだぜ。それにその統計とやらもコピペ、コピペ、コピペで、受け売りの受け売りのそのまた受け売りぐらいだろ。
 ちょっと自分が物知りだと思ってるヤツらはすぐに「外国ぢゃ…」とか「そんなのは日本だけだ」とかしたり顔で語るけど日本は何かの先例なっちゃいけないのかい。


 おっと興奮しちまった。
 合法的グラフィティの話題戻だけど、じゃあもう少しばかり絵が上手かったらいいのかというと、そんなこともないね。
 エアブラシやスプレー缶の怪しいボケ足とビビッドなカラーと自己主張の強いモチーフとの組み合わせって、トラック野郎だのアメリカンバイクみたいのを連想させ、日本人にとってはもともとあまりガラのいいイメージはないからね。

 だったら格調高いボッチチェリの「ヴィーナス誕生」あたりだったらいいのかっていったら、それも違う。
ナゼって、それもきっとあの通りには溶け込まないだろうから。(パルコの前とかだったらいいけど)

目立たない、それでいてどんよりとしすぎない色で素直に塗りつぶすのが一番いい。
いかにもって感じじゃなかったら木目とか地味目なパターンといった、ちょっとしたテクスチャーでもいいだろう。
絵で誤魔化すほうが消すより手っとり早いっていうんだったら、ヘタに勘違いなアートに走るより、ファッションブランドとかの看板のほうがグラフィティよりは100倍マシ。
そこそこオシャレで中年のオッサンや子供が見てもギョっとしないですむ。
つまりは万人向けってこと。
そう万人向けっていうのが大事なんだよ。
もし彫刻の森みたくしたいんだったら少なくとも街ぐるみで、合意してないとダメってこと。

わけわかんねーところで
大した考えもなく個性とか新しい試みとか叫ぶアホ
そこはてめーの部屋ぢゃねっつーの

…まぁ、看板なら広告収入も入るしね。

 「ブロークンウインドウ理論」が日本でも取り入れられてる例があるなんて言ったけど、まだその重要性は浸透してない気がする。
まぁ、もともと町並みと景観とか言ったことに鈍感な国民性だからね。
鈍感だったら悪影響もないんぢゃないかって思うかもしれないけど、影響は確実にあると思うよ。

 前にテレビで風水は科学的に見ても理にかなってるみたいな検証を番組でやってたけど、風水に基づいて家具を配置すると結果として風通しがよくなって、カビの繁殖も防げてるとかいうやつ。
 風水以外の占いでもよくいうんだけど、「部屋を散らかしておくと運がこない」ってヤツもかなり科学的ぢゃないだろうか?散らかしてるほうが落ち着くなんて言ってるヤツでも実のところは視覚的に注意が散らされて判断力が鈍ってるとかありそうだし、知らず知らずのうちにストレスが溜まってくるとか、それこそカビとか繁殖するとかね。
 これをそのまま街の規模まで拡大して解釈したのが「ブロークンウインドウ理論」ぢゃないかな。

 だから落書きを消しても、もちろん薄汚いままではいいはずないんだけど、上からグラフィティで塗りつぶすなんてのは違うと思う。そりゃまるでオシッコの匂い消すのにウンコするようなもの。

 区役所もなんで許可したのかわかんないけど、清掃費より安いと判断したのか、あるいは若者に理解を示さないとアタマが固いなんて思われちゃうととりつくろったのか、はたまたお役所らしく思考停止してるだけなのか(笑)。

 まぁ、お役所ってのは、なんとか地所だのなんとか建設だのに次々に乱開発の許可出して“合法的に”街を散らかしてる張本人だったりするからムリもないってか?

 とりあえずは早いとこBNEがとっつかまってくれることを願う。
そうしたらステッカーのかわりに渋谷のQ-FRONTの外に張り付けてやれ
野次馬な日本人も“漢字使ってくれてる”なんて喜んでんぢゃねーぞ。

アートと言い張って自己主張したいヤツらはギャラリーかdot-com thingでやってくれ
…例えばこんな風にね→●●●



ところでBNE゛一体何の略か?何を意味しているのか?という話題で

「Bush Not Elected」ってぇのがあって笑った。

フロリダの選挙でインチキやってるから、実は大統領選に勝ってないっていうヤツね
…ってこれ自体は笑えないか


BNE「Bush Not Elected」Stencil



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