松沢哲郎さんの「想像する力」を読んだ。
また新たなとてもためになる知識を得た気がする。
松沢さんはチンパンジーの研究で著名な方だ。
今迄自分は山極寿一さんの本をよく読んでいた。
山極さんはゴリラ研究で有名だ。
ゴリラだけでなく他の類人猿、霊長類、人類学にも造詣深い。
もちろん松沢さんもチンパンジーだけでなく、山極さんと同じように
他分野に対しても知識が豊富であろう。
そもそも二人が類人猿に興味を持ったのは、人間について考えるようになったからだという。
自分はこれに共感できる。
自分は心理学に興味を持ち始めて、類人猿そして人類学に興味が移っていった。
山極さんも言っているが、人間を知るのに人間だけを見ていてはわからない。
祖先である類人猿からどのようにして現在の人間になったのかを辿ることにより、見えてくるものがある。
現代には猿人、原人、旧人は存在していないのだから、現存する類人猿を研究して人間の進化を考察するしかない。
だから説は想像なので研究者によっては諸説様々だ。
松沢さんと山極さんでもその辺の考えは違うと自分は思う。
しかしチンパンジーやゴリラと人間とは、何が同じで何が違うのかという見解はどちらもそれぞれ大変面白い。
人間とチンパンジー、ゴリラは本当に似ているということを知ることができるが、人間はチンパンジー、ゴリラに
ないものを確かに持っているものがあることも知った。
それを認識することで人間がどうあるべきか、これからの社会形成や生き方の指標のようになる気がする。
本当に素晴らしい本だった。