ミドルとスーパーミドル級を制したアメリカの元ボクサー。
スタイルから見てアンチュアでもキャリアがありそうだが不明。
1988年にフランク・テートを倒し初戴冠。
以降名のある実力者を相手に5度防衛するも、3度目の防衛戦の
アイラン・バークレー戦は消極的な戦い方をして批判された。
ナンは本来アウトボクサータイプなのだろうが、パンチがあるので
それまでKO勝ちも多かった。
だから次世代のスーパースター候補と期待されていたのだ。
期待を裏切ったナンだが、5度目の防衛戦からトレーナーに名将
アンジェロ・ダンディがつき変化を見せる。
古豪ドン・カリーを倒し、自身もボクシングがより良くなったとコメントしている。
しかし6度目の防衛戦でジェームス・トニーを迎える。
大方がナン有利の予想だったがトニーに11回TKO負けを喫する。
この試合はハイレベルの素晴らしい試合だった。
この時挑戦者のトニーは無名だったが、至近距離でもパンチをかわすボディバランスや
シャープな右ストレートは、只者ではないことを物語っていた。
一方負けたナンは階級を上げ、翌年にスーパーミドル級王者となる。
その後は2000年辺りまで現役を続けたようだが、自分はあまり知らない。
残念ながら現在は麻薬で刑務所に収監されてるようだ。
190センチ近い長身のサウスポーのボクサータイプ。
細身だが背中は大きく繰り出すパンチは軽くなく、左フック、左アッパーで
何人も対戦相手をマットに沈めている。
ただし防御ではパンチをよける感がよいせいかガードが甘かった。
特にキャリア前半の頃はよく顎を上げてパンチを打っていたっけ。
ジェームス・トニー戦が転機になったように思う。