お帰りと優しくかける人もなく
帰り道から月を見る僕
今日の風は
まるで台風のようだった
歩こうにも
時折吹く強烈な風で
前へと進めなかった
毎年5月の連休の頃は
風が強いのを記憶しているから
当たり前なんだろうけど
今日は特別だ
やっとしばらくの間の休みだ
休みの前は
ほとんどと言って良い位
彼女と逢うことが無かった
やはり
運命の歯車は
僕から一縷の望みさえ
消してしまったのだろう
いつものお決まりのコースだ
やはり
勤務先が変わってしまったのが
悔やまれる
一緒に階段を下りる
小さな楽しみさえ
奪ってしまったから
僕の優しい花は
もう咲くこともないかも知れない
それでも僕は
君 想う
初恋亭夢中