治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

ゴーマンなタイプのASにどう対応するか

2009-10-10 10:30:45 | 日記
イノー博士の講演で
「アスペルガーの人は自信がないことが多いが、15%くらいはむしろ傲慢なタイプ」という話が出た。
一瞬「ほえ?」と思った。
会場にも「ほえ?」という空気が流れた。
そうしたらイノー博士はすぐに「それより多いという人も結構いますけど」と言った。
「そうそう」という空気で会場が落ち着いた。
熱心な支援職の方が多かった参加者の皆さん。
現場で苦労している方々もいたのだろう。

イノー博士は傲慢タイプのASを
「テフロン加工」という秀逸な表現をしていた。
教育が「しみこんでいかない」そうだ。
god-mode(気分は神様)になっていて
「I'm OK. YOU are wrong」になっているんだそうだ。
その人たちを教育するのは「傲慢じゃないタイプの少なくとも二倍は大変」だということだった。

そういうタイプにどう対応したらいいかというと
「とにかく時間をかけて信頼関係を築く」んだそうだ。
きっとその関係を築けるのがプロなんだろう。
おおお、大変そう。やっぱりプロの支援者って大変だ。

一般人の場合、そういうまどろっこしいことはしない。
ただ単純に、難しそうな人にはかかわらない。
一般人は、つきあう相手を選べるからね、仕事じゃないと(ときには仕事でも)。
それを「障害に理解がない」と言われても「へ?」っていうのが非・支援職の人たち。

社会人っていうのはね、
みんな限られた時間、限られたエネルギーの中でそれぞれ果たすべき義務があるから
めんどくさい人には近づかないのが得策なのです。
障害に理解がないんじゃなくて
サバイバルのコツなんですよ、社会人としての。

というわけで、私も難しいタイプのアスペルガーの人とはあまり縁がない。
難しくないタイプの人とは、うちで本を出していない人とでもときどき交流があって
どこかの団体から「講演してくれる人いませんか?」とか訊かれると推薦したりしている。
そして難しくないタイプのアスペルガーの人たちには
たしかに共通した大変さと同時に、共通した美点もあると思っている。まじめだとかね。
でもそういう美点を持っていないASの人だっているのはわかってる。ASも人それぞれ。

要するに、定型であれ自閉であれ
「I'm OK. YOU are wrong」モードの人はたいていの人が苦手なんではないだろうか。
やっぱり、努力することを知っている人
頑張っている人のほうが交流していて気持ちいいもんね。
人の愚痴ばっかり聞きたくないもんね。

私は自閉っ子の理解者だと世間に理解されているが
実は自分が「宵越しのストレスを持たないタイプ」なので
わりと人の愚痴とか悩みとかを聞くのが苦手である。
愚痴を聞いても、何に悩んでいるかよくわかんないことが多い。B型だし。
それを知っているせいか、交流のある自閉の人でも私には愚痴をこぼさない。
言ったって仕方ないとわかっているのかもしれない。

そういう意味で、支援者ってやっぱり貴重だと思う。話を聞くのが上手なんだろうね。
そしてイノー博士も、会場を埋めた支援者の方たちも、えらいなと思うのでした。

写真は東京駅の一番街キティちゃん。限定版。
トイプードル連れてます。

成功体験を積むっていってもさ

2009-10-09 08:30:25 | 日記
10月3日にニキさんが講演した青森の主催者さんからご連絡。
「おかげさまで大成功に終わりました!」
おおお、よかった。
ニキさんに知らせておこう。
たぶん気がついてないからね、大成功だったって。

ニキさんはあんなにいっぱい講演をこなしているから
もうすっかり慣れっこになっていると思うでしょ?
それがそうじゃないんです。
ちゃんと一回一回、それはそれはハイパーりちぎにびびる。
フシギだな~と思いながらも
そういう脳みそなんだろうなあと思っています。
「一回も失敗したことないじゃん」って言ってみると
「そうだったっけ?」って。

というわけで大成功だったようですよ、青森の講演。
講師ご本人は気づいていないみたいですけど。

でも全部のアスペルガーの人がこうじゃないらしい。
イノー博士の講演にもそういう話が出ていました。それはまた次回。

写真は台風一過の富士山。横浜からもくっきり。

AS女性の診断基準ができるそうだ

2009-10-08 09:33:55 | 日記
先日イザベル・イノー博士のセミナーで
アスペルガーの表れ方にもジェンダーによる違いがあり
AS女性のための新しい診断基準を今
トニー・アトウッドやバロンコーエンといった著名な研究者たちが作っているという話が出ていた。(詳しくは専門家の方たちにきいてください)

新たな診断基準のアウトラインを聞いて
ああ、なるほどな~と思った。
ASの特性はたしかに、女性と男性では違う表れかたをするんだろうなと思った。
女性ならではの保護要因があるから、今までASと見抜かれにくかったのだという。
ならば、社会の中で直面する困難も男女で違ってくるだろう。

この新しい診断基準を使うと
ASの男女比が従来とは変わってくるかもしれないと言う。
男女比が4:1とかじゃなくて
従来より女性のASが増えるかもしれないということのようだ。
それに女性ASを今より早く診断できるようになる。

ジェンダー差と言えば
私は今の日本の女の人って世界一自由なんじゃないかと思うことがある。
俳優を追っかけて女性が隣国までお友だち同士で旅したりする現象は
他の先進国でも見られないんじゃないか。
その陰に「行ってこい」と送り出して旅費まで出してくれる夫の存在があるのだ。
まあ夫たちは夫たちで楽しみがあるわけだが。
日本は、男女がそれぞれ同性と接することが多い文化だからね。

だんなさんが社員食堂で300円の定食を食べているとき
奥さんはお友だちと2800円のランチを食べていても
日本のだんなさんたちはわりと寛容だ。
これって実はよその国ではあまりないと思う。
生活のためにパートに出る女性はたくさんいるが
働かないから離婚される女性なんて日本にはあまりいないだろう。
専業主婦をしながら節約し、夫の安月給を嘆いても許される文化。
よその国なら文句言うくらいなら働けと言われそうである。

でもこの自由さにASの女性は気づけているだろうか。
そしてそれをエンジョイできるのだろうか。
そこに困難があるかもしれないと思った。
そして、日本では同性の集団の圧力が強いからこそ
つらい面があるのかもしれないと思った。
その中に入ってしまって、論理に取り込まれちゃうときついよね。
ASの女性は
女性同士の集団の論理をうのみにして苦しみそうだ。

写真は入り鉄砲出女の箱根関所キティちゃん。

セオリー・オブ・酔っ払いマインド

2009-10-07 10:58:25 | 日記
中川氏訃報を聞いて。

「やっぱり禁酒とかしようとしたのが悪かったんじゃないかな。酒はともかく、睡眠薬なんてさ、身体に悪そうだよね」
「うん。酒はやっぱりやめないほうがいいね」
「いきなり禁酒とかってさ、ストレスたまるよね」
「健康損ねるよね、やっぱり。急に酒やめないほうがいいね」

これが酒好きの理屈である。

自閉っ子には自閉っ子の理屈があるように
酒飲みには酒飲みの理屈があるのである。

ちなみにこの人たち、草なぎ君にはとっても優しかった。
「あれってつかまるんだ?!」
「俺って今まで運がよかったのかも・・・」
「もうカンベンしてやれよ>マスコミ」
「草食系とか言ってたのに、けっこう元気だね」

先日友人と、私たちも酒量が減ったねとほめあった。
プレッシャーのきつい仕事についている人は、年とともに酒量が減ったりしないものなのかもしれない。

=====

それでも場というものはある。
たしかにあの記者会見は国辱ものであった。

でも
アメリカが再三の取り決めにもかかわらず牛肉の危険部位を送りつけてきたとき即日輸入停止したのは中川大臣だ。
中国の毒野菜をきっぱり拒否したのも中川大臣だ。
東シナ海、北朝鮮、竹島、いつも態度がはっきりしていた。
食い詰めたアメリカの更なる米国債売りつけも撥ね返した。
国益を守ろうという姿勢がはっきり見られる政治家として頼りにしていた。

友愛も大事。
でも毅然とした国家観も大事。
酒癖が悪かろうと、国益を守る政治家はいい政治家だ。
やっぱり私たちは得がたい人を亡くした。

合掌。

自閉っ子のためのSAFE SEX

2009-10-06 08:30:20 | 日記
それいゆさんの日曜日のセミナーレポートです。

当日の講師、ASDと性の研究・教育家として世界でも貴重な存在であるイザベル・イノー博士はフレンチ・カナディアン。
モントリオールからいらした。かの地でクリニックを開いているという。
性教育だけではなく、成人カップルのカウンセリング、それに性犯罪者の更生などにも携わっているそうだ。

そのイノー博士の口から何度も繰り返されたのが「appropriate behavior(適切な行動)」という言葉。
たしかに性行動においては、これって重要だ。

人前で自分の性器に触れることはマナー違反。
人前で他人の性器に触れることは違法行為。
けれどもASDの人は、感覚の偏りや社会的判断力の乏しさから、こういうことをやってしまうリスクを持っている。
それをいかに防ぐか。
まずは原因を探る。たくさんの臨床経験があるイノー博士のもとには、色々な事例があるらしい。だから、原因を探るのにも近道ができるのだろう。こういうセミナーでは、近道も教えてもらうこともできる。
原因がわかればそれを適切な行動で置き換えていく。
What else can you do?
コンスタントにこの問いかけが続く。

日本では犯罪加害者がASDであるという報道への反発も多い。
「障害の特性のゆえ、いじめられてきたからこういうことをするのだ。いじめられなければ本来は天使のような人たちなのだ」と主張する専門家も多い。
一般人から見ると、こういう主張はどう映るか、そこに「想像力の障害」を持つ専門家もうんざりするほどいる。
きれいごとを説けば説くほど、一般人は引いていく。理解はかえって進まない。

私はあえて問いたい。
じゃあ甘やかせばいいのか。ASDの人々を刺激しないよう、一般の人々は大変なコストを払ってASDの人を真綿にくるんでいればいいのか。
その実験をやってみて、十数年後どうなるか。
そのときの責任を「天使説」の専門家たちは取る気があるのだろうか。
理解と甘やかしは別である。とくに性の問題は、他人に大変な傷を残すこともあるのだ。

こういうとすぐに出てくるのが「被害者にだってなる」という大号令。
その通り。でも被害者にもなるからって、加害も帳消しじゃないだろう。クーポン制じゃないんだから。
被害者にも加害者にもならないほうがいいに決まっている。
そしてどちらを防ぐためにも鍵になるのは「教育」なのだ。

少なくとも療育先進国では、「甘やかし」と「理解」ははっきり分けられている。
appropriate behaviorを教えること、すなわち「教育」に重点が置かれている。
「ありのままでいい」なんて甘いことは言われていない。
「教えないとわからない人たちだから、その特性に配慮をして、徹底的に教える」
それが原則だ。

そして、雲の上の有名な研究者たちが天使説を唱えても、現場の人たちは教育の必要性を知っている。
日曜日を一日使って、高いセミナー代金を払って、勉強しようという支援者・保護者が出席していた。そして、積極的に質問を出していた。多くの人が、現場で問題を抱えているのだから。

近親者を性的対象としてしまう当事者の問題が取り上げられていた。
大変に深刻な問題であることに間違いない。
それにどう対処していくか、視覚支援を使いながら、イノー博士は具体的に説明する。

当事者にも性欲があることは、素直に認める。
その発露の必要性も素直に認める。
そしてそれを社会的に許されるパターンに流し込んでいく。
それが現実的な解決方法であるようだ。

私は自分の地元で、画期的な視覚支援材料を見せてもらったことがある。
当事者同士のカップルに、若い支援職の人が視覚支援でラブホの使い方を教えていた。
それまでは作業所のトイレでセックスしていたらしい。だからラブホの存在を教えた。平日作業所でやってはだめだけど、週末ラブホでならやってもいいと教えた。

その視覚支援は、とてもよくできていた。
駅を出てからホテルまでの道も写真で説明。
ホテルに入ったらパネルがあるとか。部屋をどう選ぶとか。何千円以上の部屋はやめようとか(笑)。
お風呂は無料です、とか。まず二人とも身体を洗いましょうとか。
それを教えてあげるまで、お風呂を使うとお金を取られると思って躊躇していたらしい。そういうことをわざわざ教えてあげる必要のある人たちなのだな、と感心した。
コンドームの使い方は、ドンキで買ってきたバイブレーターを使って教えたらしい。
地に足のついた支援だと思った。そして、若くて柔軟な支援者だからできる支援なのかもしれない。

日本にもこういう、カンのいい支援者はいるし、きっと各地にいるのだろう。
そういえばある地方に行ったとき、朝ホテルから電話がかかってきて、当事者カップルを迎えに行くと笑いながら話してくれた支援者もいた。
日本でも心ある支援者が、当事者の健全な性を支えている。
欧米の進んだ療育は、それを体系化してくれる。
そして豊富な事例を学ぶことによって近道をさせてくれる。

性教育はいつから始めるか、の質問があった。
イノー博士は、思春期が始まる前がいい、と答えていた。6,7歳からは始めたほうがいいと。
たしかに予防的に行うことによって、防げることはたくさんあるのだなと思った。

今日のキティちゃんは半蔵門の服部半蔵。

休んだような休まなかったようないつもの週末

2009-10-05 06:48:16 | 日記
金曜日は校了の日だった。
夜遅く印刷所の方に責了紙を渡し、しばしおしゃべり。
内容は出版界の現状と海外サッカー。
ともかく数か月分の仕事が終わり、脱力する。
食事をして帰宅。お風呂に入ってビールを飲んでテレビを見ながら寝る。
「チャンピオンズリーグ」と「ブレードランナー」のどちらにするか迷ったが
「ブレードランナー」を選んだおかげでよく眠れた。

土曜日は久しぶりの完全オフ。
といっても資料などを読みつつ焼肉ランチを食べたり。
でもゆっくり昼寝して、夕方走りに行き、ツマミを作ってビールを飲んでまた寝た。
まあ休日っていえば休日。

日曜日は日曜日にしては早起き。
NPO法人それいゆさんの東京セミナーに行くのだ。
「ASDの人の性」という非常に興味深いテーマ。性教育・性犯罪。
自宅最寄の駅のスタバで眠気覚ましのアイスコーヒーをタンブラーに入れてもらう。
ちなみに今スタバはタンブラーを持参すると50円引き。お得である。
ただしこのときのスタバのお姉さんはスタバ離れしているほどもたもたしていた。おまけに氷を入れ忘れた。
やはり仕事場において仕事ができないというのは「絶対悪」だと思う。

京浜蒲田駅側の会場に着き、それいゆのEさんとSさんにご挨拶。
本日の御礼を申し上げる。
私にとっては妹的存在のちゅん平さんがそれいゆにお世話になってたときの担当はSさん。
要するに恩人である。
一度横浜中華街で大々的にご馳走とかしたいと思っているのだが
いつもすぐに佐賀に帰ってしまう。
服巻先生、今度一晩Sさんを花風社に接待させてください!

午前中のセッションが終わり、食事所を求めて蒲田の街中へ。
意外と店がない。
仕方なく生まれて初めて「すき家」に入る。
牛丼は吉野家でしか食べたことないが、あまり好きではないので「焼き鳥丼」を注文する。
380円だった。安い!

「焼き鳥丼」を大盛りにしなかったおかげで午後も眠くなることなく講義が聴ける。
いやはやすごい内容。
これはまた、このブログでもゆっくりアップします。

会場でお会いした自閉っ子ママと、講演の内容に興奮しながら自宅最寄の駅へ。
そのままいつものジムへ。走りながら中川元財務大臣死去のニュースを見て驚く。
ムネオ氏が滂沱の涙を流していた。
大人の世界って難しいなと思いながら走ってシャワー浴びて帰宅。
ツマミとビール。

仕事と遊びが微妙に入り組んだいつもの週末なのでした。

セミナーで印象に残ったのは
・appropriate behaviorという言葉が繰り返されていたこと
・ASDの人が性のidentityにおいてもorientationにおいてもflexibleであること
・思春期
・薬の副作用が性に与える影響
・性犯罪
・性に関する教材、視覚支援

などでした。じょじょにアップします。

秋ですね。というわけで箱根仙石原のすすきキティちゃん。
中秋の名月(一日遅れ)は見事なまんまるでした。

悪運強くてね

2009-10-03 09:15:16 | 日記
2004年年末。プーケットへ旅行。
いつもお願いしている旅行代理店なのに
その年に限って、ビーチのまん前にあるホテルは取れないと言う。
「一部屋もないんですか?」
「一部屋もないです」
私たちのような常連に、どうして海辺のホテルのたった一部屋が手配できないのか、理解に苦しんだ。ぷんぷん怒っていた。
結局予約できたのは、崖の上のホテル。
ビーチにはカートで降りていかなければいけない高台にある。めんどくさそー。

結果的には、これが命を救ったのだったけれど。

あのとき海辺の部屋を手配できなかった代理店の人は、今考えると命の恩人だ。
到着翌朝(すなわち2004年12月26日)、たっぷり寝坊してビーチに下りていくと、ビーチがなかった。
昨日まであったビーチが消えていたのだ。ディナーを食べたレストランも全壊。
ほんの10分前に津波が襲った浜にのこのこ降りていった私たちであった。
インド洋沿岸で30万人の命を奪ったあの津波を、10分違いで免れたのである。

私はよくこういうことがある。妙にタイミングに恵まれているのだ。
だいたい、晴れ女だし。
海外に行っている間日本が大荒れとか、よくある。NHKの国際映像で荒れる房総の海や雪の降り積もった皇居の景色を見ていても
成田に降り立つとピーカンだったりする。

だけどこの私が、めったにない羽田の大雪で、足止めを食らったことがある。
長崎で岩永先生と藤家ファミリーとお会いする約束をしていた日だ。

その日、アップグレードポイントを使ってプレミアムクラスに乗った私は、客室乗務員から日経新聞をもらい、読みながら離陸を待っていた。
いつまでたっても離陸しない。
おかしいなと思って外を見ると、銀世界だった。羽田では、とても珍しい。
結局その便は飛ばず、次の便に振り替え。プレミアムクラスは空いていないと申し訳なさそうに言われたが、「いいですいいです」と言いながら日経新聞を握って乗り換えた。

そのときの日経の一面ははっきり覚えている。
「国が精神障害者の就労を支援」。
おおこれはまたいいタイミング。
精神で手帳が取れたちゅん平に渡そう、と捨てずにしまいこんだ。

予定よりだいぶ遅れて長崎に着くと、迎えに来てくださったK先生が長時間待っていてくださった。
ありがたく車に乗せていただき、長崎大学へ。岩永先生やちゅん平ファミリーとお会いする。
ちゅん平さんとお父様に日経新聞を見せ「こういう制度あるみたいです」とご説明する。
「手帳が取れたから、こういう制度も使えますね」

ちゅん平のすごいところは、ここから始まる。
自分でハローワークに電話をかけちゃうのである。そしてアポイントメントを取った。
そういう妙に積極的なところが、ちゅん平のいいところだ。
ここから試行錯誤を経て、自分の適性を見つめ、「自立」について学習し、やがてちゅん平快進撃!
そして「心身安定生活」にたどりついたのだ。

ということが今度の本には書いてあります。
支援にたどりついても、いつでもうまくいくとは限らない。
でも、あきらめないことです。
大事なのは心理面でのケアだけじゃない。とにかく「生活の組み立て」が大事。
そのために必要なのは、カウンセリングだけじゃない。
そしてこの時代、自分で調べて、動けば
行政もそこそこのサービスを用意しているかも、と思いました。

99円で

2009-10-02 10:25:02 | 日記
近所に安いスーパーができた。
オフィス街に住んでいるので、今まではデパ地下っぽいところしかなかったのだ。
これからは生活費が安くついてうれしい。

と思って色々買ってみる。

99円のサンマはおいしい。
デパ地下のサンマほどメタボじゃないけど十分ジューシー。
99円でメインディッシュになってくれるなんて、サンマってなんてえらいんだろう。
漁業の方たちの生活がふと心配にはなるけれど。

99円のハンバーグ(成型しているヤツね)はまずい。
一応牛肉らしいが。
これはもう買わない。

99円のアイスコーヒーは泥水の味がした。
泥水は飲んだことないけど、たぶんこんな味。
一口で捨ててしまった。

99円のブロッコリーは塩茹でするとおいしい。
99円の梨は普通においしい。

要するに99円で済ませようと思ったら、製品ではなく素材を買って調理すればいい。

という当たり前の結論。

=====

節約してスマトラ島に義援金を送ります。
インド洋大津波の日、現地にいた私にとって
いたたまれない出来事がまた起きてしまいました。

一人でも多くの方が助かりますように。
日本の方もたくさん救助に向われるとのこと。
どうかどうかお願いします。

教員免許更新制

2009-10-01 08:38:45 | 日記
8月29日の朝日新聞「声」になかなか興味深い投書があった。

「教員に重い免許更新制」というタイトル。

免許更新のための講座受講料が3万円、交通費も自腹、研修なのに休暇を使わされるなどといったどっかのセンセイの文句たらたらの投書だった。

う~ん。浮世離れしている。

私たち一般の社会人がどれだけ自腹を切り、私的な時間を使って研鑽を積み、仕事を維持しているのか、想像の外なんだろうな。

ていうか、これからの世の中で知識産業に携わっていたければ、自分に投資するのは当たり前でしょう。
それと、免許を更新するのはセンセイ個人だからね。学校じゃなくて。自腹切るのは当たり前じゃないだろうか。

とは言っても私、教員免許更新制が廃止されるかどうかは、実はあまり関心がない。
どうせそれほど機能しなかっただろうと思うし。
まあ廃止されたら民主党の支持率が落っこちるだろうなと予測がつくだけのこと。

でも、こういう人々が子どもたちを教育するんだな、というのは気になる。
なんというか、こういう「けちくさい」感覚だと「才能に秀でた人」は育てられないんじゃないかな、と思って。

いや、昔から私は学校に「個性を伸ばす」ことを期待してはいないけどね。
それは無理だと思う。
せいぜい「個性が伸びる邪魔をしない」くらいしか期待していない。
だって学校は集団教育の場だもの。無理無理。

このセンセイに私が言いたいことは以下の通り。

一切の持ち出しがいやならば、ルーティン的な仕事につけばよい。勤務時間外に勉強するのがいやなら、ホワイトカラーの看板を下ろせばよい。

自閉っ子の中にも、IQが高かったり、一つのことに興味を寄せていたり、専門職・研究職等に向いている人とかはいると思います。
そういうお子さん・若者には「ご家庭で」教えてあげてください。
好きな仕事につくためには、時間と労力(ときにはお金)の先行投資を怠らないこと、
そして、勤務時間で仕事は終わらないのが当たり前の仕事が社会にはあるんだって。
仕事に「やりがい」が見つけられる類の仕事はだいたいそうだって。

それがしんどければ、もっと楽な仕事を探せばいい。
それほど楽な仕事があるかどうかは知らないけど。
少なくとも私の周囲には、そこまで楽をしている人なんていないよ。
時間外に勉強していない人もいないし、自腹を切っていない人もいない。自閉症支援のプロも含めてね。みんな時間外の自腹の勉強の連続だけど。
それが社会人としての最低条件だと、私は感じているけど。

もちろん全員がこうじゃないことはわかってますよ。
だってPECSとか、その他のセミナーに参加している先生だっているもんね。
少しでも教師としてのスキルを上げたい、子どもたちの役に立ちたいという気持ちでね。
そういう先生が教員免許更新で無駄な時間とられるのはたしかにもったいないと思うけどね。

ただ、たまたま何かの才能のある人が、「時間とお金の持ち出しって不当」と思い込んでいる教師の言い分を信じちゃうと才能の無駄遣いになると思うんだ。それは社会の損失でもある。
それがやだな~と思うわけです。

センセイ方は、労働者としての自分の権利を追及する自由があるよね。
でもね、
教え子たちは自分より「自分の仕事が好きな大人」になるかもしれないってことだけは覚えておいてね。

今日のキティちゃんは東京都庁にのってます。巨大キティちゃん。