ヤンディーズ

現在闘病中で「病んでいる」ボーカル&ギタリスト、「太郎」の独り言

セルティックフロスト 「モービッドテイルズ」

2020年09月12日 | 音楽
ステレオ不在期間にヨーロッパエクストリームミュージュクのパイオニア
トムウォリアー率いるセルティックフロストのCDを数枚頂き(有難う御座いました)
徐々に聴いているのですが、セルティックフロストというバンドは
デスメタル、ブラックメタルの始祖的イメージが有り、
ほぼ触れなかったバンドなんです。
しかし、多種多様なロックンローラーの中で多くのファンが居る事
そこに色々な興味をそそられておりました。
そして名前を耳にしたその時期は私自身が
メタルはおろか、ロックとは疎遠な時期でしたしで。

昨年末、頂いた本でのトムウォリアーのインタビューがとても興味深かったんです。
劣悪な家庭環境。ネグレクトをした母の豊富な音楽レコードコレクション。
ドイツのメタルインディーの雄と思っていたノイズレコードが極悪なレーベルだった事。
まあノイズレコードの事は他の多くのユーロメタルミュージシャン達が
実情を語りますが、若いのに後に契約したEPICでのお金が
裁判での弁護士費用に流れたという。

このセルティックフロストの前身バンド、ヘルハマーを記事にした時
同様の事を書いているかもしれませんが

HELL HAMMER 「APOCALYPTIC RAIDS」 - ヤンディーズ

この間記事にしたトリプティコン、元セロティックフロストのトムGウォリアーが最初にリリースしたヘルハマー時代の1stアルバムを頂きました。(あ...

HELL HAMMER 「APOCALYPTIC RAIDS」 - ヤンディーズ

 


今回の「モービッドテイルズ」はそのヘルハマーの延長上にある作品だそうで。
ドラマーはセッションミュージシャンを起用したようですが
ユーロスラッシュメタルの多くがスタートを切るトリオ編成。
歌に多くのメロディーが必要では無いという事もありますが
描かれている世界感はスラッシュメタルでもあり、ドゥームメタルでもあり
荒廃的、陰惨な感じも表していると思います。

Celtic Frost - Morbid Tales


本人たち(ギター、ベース、ボーカル)は技術的に優れているのでは無い事を
自覚してアイデンティティや芸術を表現するスタンスを取ったそうですが
ヘルハマーも今作も酷評されたそうですが、本人達は絶対的な自信を持っており
このアルバムは私が読んだトムウォリアーという男の感性が確立されている感がします。
トーンを絞ったようなアタック感が薄い粘っこいドゥーミーなリズムギターに
速弾きではひたすらトリルとアームという感じ。
この繰り出すギターリフと技量は違えど確立されている様な
ギターサウンドとプレイはブラックサバスのトニーアイオミを思い浮かべます。
フィードバックが出るゲインの高さと音色等。リフや曲のドゥームさ。
実際、ブラックサバスの影響を受けているそうですし、
その他はやはりモーターヘッド、VENOMと。
スラッシュメタルというよりブラックメタル、デスメタルの要素を
強く感じます。そしてドゥームメタル。
当時、名の知れたバンドではVENOMが中心だったかも知れませんが
こういうアプローチ、上の3つの要素が深く絡み合った
84年当時では異端児なバンドだったでしょうねぇ。

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Unknown (KANA)
2020-09-12 12:41:37
Noiseからリリースされたドイツ盤はミニアルバム、アメリカMetal Blade盤は後にリリースされたEmperor’s Returnからの曲も加えフルアルバムとして出てた記憶があります。
燃えろ!誌のレビューでは点数(記憶では60点台)は低いながら、悪い評価はされてなかったですね。音楽性が一般HMリスナー向けではないので、あの点数になったのだと思います。
音的にはHELLHAMMER時代より演奏に整合感が出てきて、曲も練られてきたように思いますが、速い曲のリフはDISCHARGEのようなUKハードコア的に聞こえます。
デス、ドゥーム、ブラックだけでなくNAPALM DEATH等グラインドコア勢も彼らの影響を受けていますね。初期NAPALM DEATHの曲はCELTIC FROST的リフの曲がちょこちょこ出てきます。
CD化された時にInto the Crypts Of RaysのイントロSEがHumanとタイトルがついてて、何で?と思いました。
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ついに来たか… (ぶりぶりざえもん)
2020-09-12 19:18:30
どうレビューするか心待ちしてました。

「好き/嫌い」がハッキリ分かれるこのバンド、
もし「世界デス/ブラックメタル教会」という宗教があったら
間違いなくトムは教祖様になるでしょう。
あの、EmperorやMorbid Angelですら「ハハ~ッ!!」と
頭を下げる存在です。

トムの作るサタニックスラッシュは、
幼少の頃の崩壊した家庭環境や存在を認めない世間に向けて
「バカやろ~!!」と叫んでいるように聞え、
そう考えるとトムはポジティヴな人物だと思います。
コロナの影響なのか?最近、Celtic Frostのアルバムが
争奪戦アイテム化しています。

「暗くて重い」けど真摯な姿勢が感じられるアルバムです。
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KANAさん (太郎)
2020-09-12 22:22:26
スラッシュ本にEPと平行して発売されたと描かれているしで、
後半はEPをくっつけたモノが今は流通しているのかしら?
ヘルハマーはアレはアレで今聴くと面白い所が多いですが、その延長上の今作
ヘルハマーを前作としたとして、同じくより整合感が有ると感じます。
テンポの速い曲はスラッシュの要素とハードコアの要素が混じっている感もしますね。
例えると変ですが、スレーヤーはスラッシュ然としていますしね。
まあ、多くのスラッシュメタルバンドがハードコアバンドとの交流、ファンが多いのも事実ですし。
私、ナパームデス位しかグラインドコアを存じませんでしたが、
ナパームデスのアルバムが出た時の燃えろ!誌の点数も60点前後だった記憶があります。
トータルしてデス、ブラック、ドゥーム、グラインドコア、多方面に
音楽的な大きな影響を与えたんでしょうね。
この後の作品も追って聴いて行こうと思います。
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ぶりぶりざえもんさん (太郎)
2020-09-12 22:31:29
今回も有難う御座いました。
ステレオ故障とスマホ機種変で大トラブル、夏の暑さダウンと、もうコンボでして
音楽を聴ける状況では無かった故、遅くなってしまいましたm(__)m
このセルティックフロストが「ユーロスラッシュ」の中に入っていたのが個人的に驚きで
デスメタルバンドと思っておりました。その元締め的存在と。
VENOM、モーターヘッド宗教があったとしたら、分派教祖はセルティックフロストかしら?
陰惨な家庭環境で荒廃した精神心理が見事に作品へ反映されているというか。
世界でCDというモノが破滅に近づいている中、CD争奪戦、
しかもセルティックフロストとは、現在の世界情勢を反映する世界観と共通するかも?
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