ヤンディーズ

現在闘病中で「病んでいる」ボーカル&ギタリスト、「太郎」の独り言

映画 「レスラー」

2016年05月28日 | プロレス
日本では09年頃?に公開された映画「レスラー」
当時、観に行くのに付き合って貰える状態では無かったので
観に行けず、マイナーな映画だと思っていたのでレンタル屋には
てっきり置いてないと思いましたが探してレンタルし観ました。

主演がミッキーローク。
日本では「ナインハーフ」を始めセックスシンボル男優と
必殺「猫パンチ!」あれはホント衝撃でしたね。対戦相手は大の字KO。
メインでユーリー海老原(当時)が素晴らしいボクシングの試合を見せたのに
ミッキーロークの6回戦がテレビではメインイベントに!
必殺の「猫パンチ」は暫く明石家さんまを始めお笑いのネタに。
解説席に居たガッツ石松か、輪島か?
ボクシングを冒涜している!と激怒させた試合。(いや、ショー)
その後ミッキーは銀幕を離れボクシングをやるも
顔面ボコボコ骨折、整形失敗・・・。セックスシンボルの面影も・・・。
と、まさにそんな転落人生にピッタリな映画「レスラー」

80年代のスーパースターだったランディー、今ではスーパーマーケットでパートし
週末はインディーのリングへ。往年の善玉名レスラーで試合はメインで。
そこで生々しい「高橋本」のまんま「打ち合わせ」という
対戦相手と試合の組み立てを話し合う、リングの真裏を画きます。
当時のWWFで「ビヨンドザマット」が公開された事もあり
スポーツを混ぜたエンターテイメントという存在表明を赤裸々に暴露した映画。
勿論そこにはステロイドを使い、ハードコアでイスやガラス等
フルスイングで受け怪我だらけのボロボロになってまでリングに上がるスーパースター達。
そこに起きる生々しい現実、哀愁・・WWFの映画も当時の彼女に拒否されたので
見なかったのですが、それをキッカケに「高橋本」という暴露本が出来てしまうという
皮肉な現実。
そのまんまの光景が「レスラー」にでも画かれます。
ステロイドを打ち、長年の激闘でボロボロになった身体、
栄光を得た代わりに失った現実。娘を棄ててしまった
映画上でミッキーがいう「クズ」・・・(泣)
(ミッキーローク自身もそうだったらしい。)
リングが居場所で外の世界は辛い現実。それがランディーの世界。

レスラー


トレーラーハウスに住み、そこも家賃滞納。
長年の激闘にステロイドの多用。
スーパースターを演出する為金髪に染め、日焼けサロンに通う。
片想いするストリッパーに逢いに通い、
娘に拒絶されるも関係を取り戻しかけた矢先に
ランディーはバーで会った女に誘惑されコカインを決めSEXした事が原因で
娘に絶縁され、フルタイムで働く事をになったのに
昔のファンにランディーだと判ってしまったのをキッカケに
キレてスーパーを辞め、かつてのライバルと20年ぶりに再戦。
(しかも「ROH」のリングで)
心臓発作を起こしたランディーを知っている
片想いのストリッパーがリングに上がるのを止めに来るのは
まさに「あしたのジョー」!!!
しかし彼女を振り切りリングに戻る。
リングに戻れば孤独では無くなる。
彼女は去っていく。
イラン人ギミックのライバル、ボブが「もう無理するな!」「もう止めろ!」と
耳元で説得するもランディーの必殺技「ラムジャム」という
ダイビングヘッドバットを放った所で
映画は幕を閉じる。

正直・・・感動しました。
この役は転落人生を歩んだミッキーロークにハマりすぎ
ミッキー以外に演じられる人は居ないでしょう。
モハメドアリ達と練習した元プロボクサーとは云え
プロレスラー用に肉体改造し、数少ないレパートリーながら
プロレス技をこなし、ハードコアデスマッチもやってみせる。
(因みに一番ハマった技というのがボディーへのアッパーというのが生々しい)
背負った哀愁。あの背中。
共演した選手達もかつてリングに上がっていたプロレスラーも居る。
ファンとの交流イベントを開くも、ランディーも含め閑古鳥・・。
アンヴィルの映画「夢を諦めきれない男達」とは間逆の寂しい映画。
映画評論家曰く「素晴らしい負け犬映画」だそうな。

そしてそして沢山かかるハードロックの楽曲達。
シンデレラ、モトリクルー、アクセプト、スコーピオンズその他。
極めつけがラットの「ランドアンドラウンド」
そこで片想いのストリッパーと歌い踊りながら
「80年代は最高!でもニルバーナーが出てきてから楽しみはパー!」
「90年代は最悪」とトシを重ねた二人がいう、ヘビーメタル・ハードロック界では
「暗黒の90年代」という現実も表現されるのが、
行き場を失ったそれまでのメタラー達にはとても心を打つセリフ。
(90年代好きの方々、ごめんなさいね。)
ガンズアンドローゼスの「スイートチャイルド、オ、マイン」で
ROHのリングへ入場する。
家にはAC/DCを始め、数々のロックポスターが。

何だか・・・私には、どハマりな、淋しく感動的な映画でした。
ツ◎ヤには置いてある可能性があります。
何個かの映画賞を取ったそうなので。
今更ながら、観ていない方にはお薦めです。

映画の結末・・恐らく「ラムジャム」を放ち
そのまま昇天してしまったのであろうランディー。
が、同時期に日本ではスーパースター三沢光晴がリングで事故死してしまうという
大悲劇&大事件が有ったのでとても微妙なタイミングでした。

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4 コメント

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この映画知ってるよ!! (ぶりぶりざえもん)
2016-05-28 04:00:41
かつて、名声と称賛を得ていたプロレスラーが
薬物を使用したため転落の道を辿り
トレーラーハウスでその日暮らしを
余儀なくされていたが自身の再起を賭けて
マットの世界に戻ろうとする内容ですよね?
自分を心配してくれる彼女の制止を振り切り
レスラーとして最期を迎える…。
(悪役レスラーが心配し、試合を止めようとするが
観客の声援がまるで死刑宣告に見えてくる)

実際は「自身が本当にやりたい事」と
「現実の厳しさ」で葛藤して生きていくことの
覚悟を描写した作品だと思います。
返信する
ぶりぶりざえもんさん (太郎)
2016-05-28 14:42:16
この映画はランディがやりたい事に生きてきたのは勿論
最終的に戻る場所、そして生きてられるのが
リングだけだと悟り最後に命を落とす映画に思えます。
生きれる場所がリングだけ‥‥のような。
現にステロイドの時代では無いレスラーでも
ブルートバーナード等、自分がプロレスの出来ない体になったら
自分で自分にトドメを刺し自殺したケースもあり。
ミスター高橋曰く、それをやってしまうのがレスラーなんだよ‥‥と。
大仁田が一度目の引退した後、土方やって時
ファンにサインを求められるのが一番辛かったそうです。

なんか、中年の悲しさがね、堪らないです(泣)
地の繋がらない親に虐待され、自分も二度離婚し、
ミッキーロークにピッタリの役柄に感じます。

あのラムジャムコールは自分の栄光とエネルギーを確認した後
死地に向かったように見えました。
返信する
同感です (momo)
2016-05-29 20:29:38
こんにちは。
映画レスラーは面白かったですね。
当時劇場で二回見ました。
ミッキーロークの人生のようなストーリー。
大好きなハードロックの曲がたくさん流れるのもたまらないですU+1F3B5

個人的にも若い時よりちょっと崩れて味があるミッキーロークはタイプです
でもやっぱり見ていて辛いシーンもあるので、DVDは買いませんでした。
引退後のレスラーの生活は日本でも大変なのかな?
返信する
momoさん (太郎)
2016-05-29 23:31:32
こんばんは♪
素晴らしく、久々に感動した映画で文章も熱くなってしまいました(汗)
劇場で2度も観たんですか。私もDVD2回観ましたがまだ観たく
今日amazonに注文するモノが有ったのですが900円・・悩み延期しました。
ホント、ミッキーロークの人生ストーリーですよね。
私はやはり当時究極のエロス映画に感じたナインハーフのイメージでしたが
顔面崩壊歴写真を見てビックリしました。
でも、あの金髪ロン毛ヘアがデイブムステインにも似ているような。
あの哀愁の背中は堪りませんね。ホント味がありますね。
娘さんとの絶縁、ファン交流会に参加したレスラー達の閑古鳥は辛かったです。
ハードロックとのコラボ?も最高ですね。ニルバーナの登場で~が
私の気持ちも物語ります。
引退後レスラーの生活は、やはりスターだった選手にしか伝わらない事多いですね。
日本、アメリカでも実業家として成功した人間、スレロイドや
過酷なツアーを乗り切る為のドラッグ等で早死に、自殺のニュースはよく出ますね。
特に筋肉美系レスラーとか。
只でさえ巨体の体で格闘するのでファイトスタイルにもよりますが
多くのレスラーが怪我や病気を抱えていますよね。
209cmの巨体だった馬場が61歳まで生きたのは脅威の長生きだったそうです。
キラーカーンやザ・グレートカブキが出しているちゃんこ鍋や焼き鳥屋は
一度行ってみたいです。


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