SMILEY SMILE

たましいを、
下げないように…

Marvin is 66 JMB連携TB企画 第37弾 /We Love Marvin!

2005-04-05 12:13:20 | 小沢・小山田
99年、モータウンからマーヴィン・ゲイのトリビュートアルバム

「Marvinn is 60」

が出た。

それまで、「私はマーヴィンゲイ?誰?」というお恥かしい状況だった。

何故、そのリリースを知ったか、それはなんと小沢健二が参加(当然、

というべきか日本盤のみのボーナストラックだったけれども)するか

らであった。

かれはこのアルバムにこんなコメントを寄せている。


Marvinは繊細な知性と、孤独と、それから性愛の輝きを、黒人音楽の
最高峰の1つに昇華しました。このアルバムはその彼が残した美の設
計図を基に現在のMotownに関わっているおおぜいのアーティストが
豪華に官能的に、録音したものです。


小沢は「got to give it up」をなんと自ら日本語詩に訳して歌った。

折角だから、以下に。


あなたと行ったパーティー あの頃
心若く 駄目でした
体はやりたい
壁のそばに立って 誘うよ注意

そんな風にするうち
おとなしくしてちゃダメと
わかったよ
燃えるように熟れてる
その形 無駄にしてる

動いてきれいに 踊ろう
腰の振り かわいい
一人ぼっちは寂しいから
物思い ちょっと好きだから

今夜パーティー どうぞ
沈ませてあなたの底

動いて 回って 突きな

腰と腰一つに
美しい人ばかり 集まる日
女の子たち 遊ぶ

その瞳 どう見ても
やりたいのは一緒 我慢しても ほら…

踊ろうよ ねえ その気なら
踊ろうよ 愛 その気なら


スゴイ訳詩だ!!

ところどころ原詩を意識した空耳的なところがカワイイとすら思える。

さすがは小沢、「ただ訳すなんて芸のないことするワケないじゃん」

というトコが堪らない。

小沢のことはさておき、私はトリビュートアルバムがあまり好きでは

ないのだけれども、エヴァンスに関してはつい買ってしまう。そして

大抵、失望する。結局はエヴァンスの偉大さを再認識するだけなのだ。

それは、マーヴィン・ゲイにおいても同じだった。

小沢のことばかりで、ほとんど彼について触れなかったけれど・・・。

一番好きな曲は、

「mercy mercy me」

ということで♪

マーヴィン・イズ60
オムニバス, 小沢健二, エリカ・バドゥ, ディアンジェロ, ブライアン・マックナイト, ウィル・ダウニング, ジョンB, プロファイル
ユニバーサルインターナショナル

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天使の微笑み

2005-04-05 04:54:26 | 
あなたの笑顔が見たくて、私は、生きているのです。

笑顔の中でも一等好きなのが、人と別れるときの、笑顔から素の顔に

戻る表情の動き。とびきりの笑顔から、ひとりになったほんの少しの淋

しさや、会えてよかったという安堵、その余韻が、表情の移り変わりに

凝縮されている。


以前、こんなことを書いた。

さて、別れて、僕らは、また会えるのだろうか?

そんな保証は、ない。

そう思うと不安で、とても笑顔ではいられない。

でも、僕らは笑顔で別れなければならないんだ。

たとえ、涙が溢れ出ようとも。

笑顔で、

笑顔で、別れよう。

また会えるから。


澄みきった切なさ

2005-04-05 04:35:42 | 偏愛
とても悲しい歌が出来た

けさ目を醒ましたときに

あんまり悲しい歌だから

きみに聴かせたくないけど


『悲しい歌』~pizzicato five 作詞:小西康陽


この歌は悲しい。小沢の『いちょう並木のセレナーデ』も哀しいけれど

それ以上に悲しい。

あんまり悲しい歌だから、歌詞を全部、引用できない。

死に彩られた生

2005-04-05 03:54:02 | ビルエヴァンス
前述、エヴァンスの本を読了。

久し振りに夢中になった本だった。

電車で読み、読みながら電車を降り、駅を出ても読み、暗くて読めな

くなって初めて本を閉じる。そんなことはそうそうあることではない。

エヴァンスの伝記は一度読んだけれど、それより面白かった。中山康

樹さんの思いも伝わって来たからだと思う。


エヴァンスは、我々が想像する以上に過酷な人生だった。

ドラッグ、父の死や恋人と兄の自殺、最良のパートナーだったラファロ

の事故死、当時のジャズ業界の生き馬の目を抜くような厳しい環境。

彼に安息の場があるとしたら、ピアノを弾いているときだけだったのか

も知れない。だからこそ、あのような繊細で危うい美を表現できたの

だろう。

やはり、エヴァンスと太宰はよく似ている。

あの美しさを表現するには、尊い犠牲が必要なのだと。

死に彩られた生は、この世のものとは思えないほど、美しいものを生み

出す。死に近いからこそ、生の美しさが目映く感じられる。

芸術家の業。

どんな苛烈なものでも表わさずにいられないという業。

彼も人間であることより、ピアニストであることを選んだひとだった。