「蟹工船」日本丸から、21世紀の小林多喜二への手紙。

小林多喜二を通じて、現代の反貧困と反戦の表象を考えるブログ。命日の2月20日前後には、秋田、小樽、中野、大阪などで集う。

2012小樽小林多喜二国際シンポジウム 日程、発表者決まる!!

2011-10-29 14:10:21 | 多喜二イベント案内

  2012小樽小林多喜二国際シンポジウム スケジュール   2011.10

 

 

 

2012年2月21日~23日に,小樽商科大学で「小樽小林多喜二国際シンポジウム」が

開催されます。
 

シンポジウムの全日程で,一般の方々の傍聴が可能です。

会場などの関係から事前の予約制とする予定です。
その予約募集の方法などについては,11月末に同大ホームページで,あらためてお知らせがあるようです。

情報ソースは小樽商科大学ホームページ

           ↓

http://www.otaru-uc.ac.jp/news/2011/10/post-45.html


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 2月21日(火)  9時開会  大学会館多目的ホール

9時 開会式 

学長挨拶 

シンポジウム趣旨説明               

第1分科会「多喜二文学の国際性」 

9時半 第1部「多喜二文学翻訳の可能性」

    梁 喜辰(韓国)「韓国語『蟹工船』翻訳をめぐって」    

    マグネ・トリング(ノルウェー)「方言と歴史」       

    ジョルディ・ジュステ・小野 志津子(スペイン)

          「スペイン語『蟹工船』翻訳をめぐって」   

    エヴリン・オドリ(フランス)

「フランス語『蟹工船』翻訳をめぐって」   

ファリエロ・サリス(イタリア)「「蟹工船」の現在」    

    全体質疑・討論                     10:4511:45

 

昼食・休憩                          11:4513:15

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1315分 第2部「多喜二と国際プロレタリア文学運動」 

秦剛(中国)「旧植民地の炭鉱での「蟹工船」公演

――瀋陽で出版された『戯曲蟹工船』について」 

高橋 純「1932年における国際的多喜二評価の一端」    

嘉瀬達男報告「多喜二「母たち」の中国語訳の意義」     

ヘザー・ボーウェン=ストライク

『安子』と国際モガのジレンマ」        

 

 休憩                              15:0015:30

 

    全体質疑・討論                      15:3017:00                    

 


18

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時半 シンポジウム記念講演会   マリン・ホール  

学長挨拶                             

商大グリー・クラブ合唱・室内管弦楽団演奏(予定)              
 ノーマ・フィールド(シカゴ大学教授)記念講演「小林多喜二を21世紀に考える意味」

                                 19:1520:15

『蟹工船』の広がりと深まり(ミニ・パネル)            20:1520:45

  『蟹工船』のノート草稿を読み解く(島村輝) 

  各国語への翻訳が語るもの 意図・苦心・反響、朗読(海外からの参加者を中心に)

 

 

 

2月22日(水)  大学会館多目的ホール
9
時 第1分科会「多喜二文学の国際性」(続)

 第3部「多喜二の「反戦・平和・国際主義」をめぐって」

サミュエル・ペリー(アメリカ)「小林多喜二と姜敬愛の新聞小説

――ジャンルと主義における文学的矛盾を求めて」 

   ジェリコ・シプリス「多喜二の世界中の同志達」        

今西 一「『蟹工船』とマイノリティ」            

全体質疑・討論                       10:2011:45

 

食事・休憩                            11:4513:00

 

 

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1時 第2分科会「多喜二「ノート草稿」を読み解く」  

島村輝「「蟹工船」から「党生活者」へ――ノート・草稿に見る多喜二の挑戦」

                              

尾西康充「草稿ノートの研究――『オルグ』を中心に」     

神村和美「独房」                      

高橋秀晴 (未定)                     

 

   休憩                             14:3015:00

    全体質疑・討論                       15:0016:30

 

●小樽商大大学史料展示室・図書館(寄託多喜二旧蔵書)見学      16:3017:00

 

夕食会(大学生協)                         17:3019:00

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 2月23日  大学会館多目的ホール

9時 第3分科会「多喜二研究の諸相」

鳥木圭太「多喜二・身体・リアリズム――「工場細胞」「オルグ」をめぐって」

                              

楜沢 健「壁小説」                     

   山崎眞紀子「小林多喜二『防雪林』防雪林に込められた比喩表現」                                 

荻野富士夫「社会経済史的・軍事的観点からみた『蟹工船』」  

全体質疑・討論                       10:2011:10 
総括討議・閉会式                       11:1011:40  

 

 食事                               11:5012:40

 

●小樽市内多喜二関係地点視察他                   13:0015:00

 

15時 終了予定  

 

 

シンポジウムの全日程で、一般の方々の傍聴を歓迎します。会場などの関係から事前の予約制とする予定です。その予約募集の方法などについては、11月末に、あらためてお知らせをいたします。

 

シンポジウムについてのお問い合わせは、下記にお願いいたします。

シンポジウム実行委員会 荻野富士夫 ogino*res.otaru-uc.ac.jp
(*を@マークに変更してお送り下さい)

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11/10 <シンポジウム>草稿ノート・直筆原稿に見る小林多喜二 創作の軌跡

2011-10-07 22:21:30 | 多喜二イベント案内
草稿ノート・直筆原稿に見る小林多喜二 創作の軌跡 

第13回図書館総合展(パシフィコ横浜) 第3会場(アネックスホール203)
11月10日(木15:30-17:00
[受付開始15:10]

 

主催:(株)雄松堂書店

島村 輝氏(フェリス女学院大学 教授)(座長)
日高 昭二氏(神奈川大学 教授)
尾西 康充氏(三重大学 教授)
神村 和美氏(東京学芸大学 助手)

貴重な遺品資料として永らく丁寧に保存されていた多喜二の創作ノート15冊2000ページと、日本各地に散在していた直筆原稿類800枚が2011年2月、DVD版資料集としてまとめられた。多喜二のノート稿類には普段一般読者の目に触れることのない、作家の血のにじむような文学的営みの痕跡が、赤裸々に残されている。一例として代表作「蟹工船」を挙げるなら、このDVDにはその草稿ノート・直筆原稿・初出誌(「戦旗」掲載)が収録されており、それらを綿密にたどることによって成立過程でこの作品の本文がどう変化していったのかを明らかにすることができる。非合法の地下活動中に、若くして世を去った多喜二の作品は、その生成過程に不明な点が多かったが、そうした謎がとかれてゆくことが期待される。近代文学の分野で今注目されている草稿研究の分野に新たな一石を投じることになろう。

 

2011年11月9日(水)~11日(金)の間、パシフィコ横浜にて第13回図書館総合展/学術情報オープンサミット2011が開催されます。第1回図書館総合展が1999年に開催されて以来、年に一度のペースで開催が続き、本年で13回目を迎えることとなります。

図書館総合展とは、図書館を使う人、図書館で働く人、図書館に関わる仕事をしている人達が、“図書館の今後”について考え、「新たなパートナーシップ」を築いていく場です。当日会場では、図書館にまつわる様々なフォーラムやプレゼンテーション、多様な団体によるポスターセッション、そして企業による最新の技術や動向が伺えるブース出展など、様々な企画が行われます。

このサイトでは、出展団体、開催フォーラムの詳細などの情報が公開され次第お伝えしてゆきますので、新着情報、事務局だよりを、ぜひご覧下さい。

図書館関係企業、図書館職員の皆様はもちろんのこと、学生や一般の方々のご参加を心よりお待ち申し上げております。

開催概要

展示会名称
第13回図書館総合展/The 13th Library Fair & Forum
同時開催
学術情報オープンサミット2011/The 2011 Scientific Information Open Summit
期間
2011年11月9日(水)~11月11日(金)10:00~18:00
会場
パシフィコ横浜(横浜市西区みなとみらい1-1-1)
主催
図書館総合展運営委員会
後援
総務省、文部科学省、経済産業省、国立国会図書館、国立公文書館、国立情報学研究所、国公私立大学図書館協力委員会、日本図書館協会、国立大学図書館協会、公立大学協会図書館協議会、私立大学図書館協会、私立短期大学図書館協議会、全国学校図書館協議会、専門図書館協議会、日本医学図書館協会、日本薬学図書館協議会、音楽図書館協議会、神奈川県教育委員会、横浜市教育委員会、神奈川県図書館協会、神奈川県資料室研究会、神奈川県歴史資料取扱機関連絡協議会、東京都図書館協会、日本書籍出版協会、科学技術振興機構、知的資源イニシアティブ、図書館振興財団(順不同・予定)

「多喜二碑の前で~蟹工船から現代へ~」

2011-09-21 10:54:22 | 多喜二イベント案内

2011年 秋のフェスタ 合唱構成劇
「多喜二碑の前で~蟹工船から現代へ~」



日時 2011/10/14 (金) 19:00

会場 札幌市教育文化会館 小ホール

入場料

【大人】 2,000円【小・中学生】1,000円【親子券】(小・中)2,500円
【学齢以下】無料(保育は要予約)



お問い合わせ
2011年 秋のフェスタ実行委員会(福島)Tel. 080-3293-0436


三浦綾子読書会全国大会 9/22~ 「北国の闇に光は輝く 小林多喜二の母セキ」

2011-07-06 23:06:25 | 多喜二イベント案内

新日本出版社から『母が語る小林多喜二』が発売される。

「しんぶん赤旗」にこの企画の中心を担った荻野富士夫氏の記事がでている(下記は島村輝氏のブログ)。
 
                ▼

http://blog.livedoor.jp/insectshima/archives/52306864.html

同タイミングで、「三浦綾子読書会全国大会」で、多喜二の母セキがとりあげられる。

実は、今年5月は、母セキの没後50周年なのだ。

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2011年 三浦綾子読書会全国大会 9月22日(木)~24日(土)

- 北国の闇に光は輝く 小林多喜二の母セキ



•9月22日(木)
19:00~ 河東けい一人芝居 「母」 (入場料:3000円)
               小樽市民センター・マリンホール


•9月23日(金)
8:30~12:30 文 学 散 歩 (予定価格1500円)
 *バスにて 小林家墓・旧居・商大・水天宮・旧拓銀・小樽文学館など

14:00~16:30 講 演 会


「多喜二の母セキ、その愛といのちと真実」
              小樽経済センターホール(入場料1000円)


◦荻野富士夫 (小樽商科大教授)
  講 演 「多喜二の母セキが語ったこと」


◦荒到夢形 (講談師:東家夢助事務所所属)
  講 談 「母」


◦森下辰衛
(三浦綾子読書会顧問、三浦綾子記念文学館特別研究員)
  講 演 「三浦綾子『母』-いのちのふるさとへの旅」


◦高橋義 (小林セキ葬儀時のオルガニスト、美瑛読書会世話人)
  音 楽 「山路越えて」



ミニ展示 「発禁本の境界 」小林多喜二『蟹工船』禁止処分本と刊行チラシを展示

2011-01-29 16:27:17 | 多喜二イベント案内

千代田図書館主催 

ミニ展示 「発禁本の境界」のお知らせ

一体何をどこまで書くと発禁処分を受けるのか。

検閲官が発禁と判断する境界はどこにあったのか。

検閲をパスした本と発禁本とを並べて展示します。

双方に残された、検閲や伏字の痕跡をご覧ください。
●小林多喜二『蟹工船』禁止処分本と刊行チラシを展示するほか、

内務省委託本から堺利彦『猫の首つり』の検閲原本を紹介します。

また、

レーニン『左翼小児病』、

中本たか子『白衣作業』など

国立国会図書館所蔵の発禁処分を受けた

検閲原本数点を期間限定で展示します。

開催日時 2011年1月24日(月)~3月26日(土)
開催場所 千代田図書館9階 セカンドオフィスゾーン内ミニ展示コーナー
協力 国立国会図書館
お問い合わせ 千代田図書館  展示担当
  TEL:03-5211-4289・4290
  月曜日~金曜日(祝日を除く) 10:00-18:00

2/12映画「小林多喜二」上映会

2011-01-29 07:32:10 | 多喜二イベント案内

映画「小林多喜二」上映会@札幌

100224takiji 「蟹工船」で今再び時代の共感を集めている小樽出身のプロレタリア作家、小林多喜二(1903~1933年)の愛と青春を描いた映画「小林多喜二」を上映。
1974年、今井正監督、119分。山本圭、中野良子、主演。
詳細は会場HPの案内欄で。
・日 時 :2011年2月12日(土) 14:00開演
・会 場 :札幌市・札幌市教育文化会館 研修室403
      (中央区北1西13 地図)  
・入場料 :前売1,000円、当日1,200円
・お問合せ:北海道共同映画社 TEL 011-562-1711 

小樽商大創立100周年記念【小樽小林多喜二国際シンポジウム】2012.2.21-23開催予定

2010-12-08 22:48:23 | 多喜二イベント案内
【小樽商大創立百周年記念プレイベント】
平成22年8月9日(月)
(終了しました)
イベントの模様はこちら↓
(学報)(広報だより
講演会/史料展示室披露/祝賀ビアパーティー
会場:小樽商科大学

 

【学生寮の建設】
竣工:平成23年2月
【伊藤整文学賞講演会・贈呈式】
平成23年6月17日(金)
会場:小樽商科大学

 

【丘美会絵画展】
平成23年6月21日(火)~26日(日)
会場:札幌    
平成23年7月6日(水)~10日(日)
会場:小樽    
【「ITサミット2011」】
平成23年6月下旬(予定)
会場:小樽商科大学

 

【小樽商大創立百周年記念式典・懇親会】
平成23年7月8日(金)
会場:グランドパーク小樽
懇親会 招待制300名程度

 

【緑丘百周年祭】
平成23年7月9日(土)・10日(日)
会場:小樽商大構内
 9日(土)
卒業生・企業等の皆さまを主体に想定したイベント
①記念祝賀会
②ホームカミング(模擬講義・現役OB合同部活等) ③百周年企画/大園遊会/花火大会
10日(日)
市民・企業等の皆さまを主体に想定したイベント
①百周年企画/大園遊会

 

【小樽商大創立百周年記念展示会】
平成23年7月8日(金)~8月26日(金)
会場:小樽商科大学

 

【グリークラブ演奏会】
平成23年7月18日(月)(海の日)
会場:小樽市民会館
本学グリークラブOBによる演奏会

 

【国際シンポジウム】
平成23年8月26日(金)・27日(土)
会場:小樽商科大学及び札幌

 

【音楽祭】
平成23年10月10日(月)(体育の日)
会場:小樽市民会館
市民の皆さまと行う交響曲第9を核とした音楽祭

 

【小樽小林多喜二国際シンポジウム】
平成24年2月21日(火)~23日(木)
会場:小樽商科大学

特別企画展「文学と格差社会 樋口一葉から中上健次まで」

2010-10-29 15:29:39 | 多喜二イベント案内
北九州市立学館の催し
(1)展覧会 
●特別企画展「文学と格差社会 樋口一葉から中上健次まで」=石川啄木、竹久夢二、小林多喜二などの自筆資料を展示 

●「日中韓東アジア文学フォーラム」パネル展=フォーラム参加の作家をパネルで紹介。
(1)の共通の内容 10月23日(土)~12月12日(日)(月曜日は休館)の9時30分(特別企画展「文学と格差社会 樋口一葉から中上健次まで」の初日は10時30分)~19時(土・日曜日、祝日は18時まで。入館は閉館の30分前まで)。入場料一般400円、中学・高校生200円、小学生100円。

(2)文学講座 文学館・佐木隆三館長ほか研究者による講義。
テーマは大逆事件(10月30日(土)、樋口一葉(11月20日(土)、
昭和モダン(11月27日(土))、上野英信(12月4日(土)、
林芙美子(12月11日(土))。

(2)の共通の内容 13~14時30分。先着各40人。入館料が必要。
 共通の内容 申し込みは(2)は必要。電話で10月17日から文学館(小倉北区城内、TEL093・571・1505)へ。

講演・座談会「葦平とその仲間達」
 火野葦平の三男・玉井史太郎さん、葦平の文学仲間だった岩下俊作の三男・八田昴さんほかによる座談会と文学館・佐木隆三館長の講演。

11月14日(日)13時30分~16時10分、若松市民会館(若松駅前、TEL093・771・8131)で。入場無料。



日本近代文学と戦争―「十五年戦争」期の文学を通じて シンポジウムにノーマ教授

2010-09-02 21:44:48 | 多喜二イベント案内
科学研究費補助金「戦(いくさ)に関わる文字文化と文物の総合的研究」国際研究集会
日本近代文学と戦争―「十五年戦争」期の文学を通じて



 人間社会は常に戦争とともにあり、戦争が人の生死を端的に左右し、人の喜怒哀楽と強く関わるために、様々な文字文化や文物に戦争そのものおよびその影が刻印されてきました。
だとすれば、戦争に関わる文字文化・文物を調査・研究・考察することにより、ひろく人間および人間社会のありかたについて明らかにすることができるはずです。
これが、私どもが関わっている科学研究費補助金(基盤研究S)による研究「戦(いくさ)に関わる文字文化と文物の総合的研究」(課題番号:19102002)を支える基本的認識です。

 このような基本的認識を踏まえて、特に近代の戦争と文学との関わりを考察するというのが、今回の国際研究集会の趣旨です。
 近代日本が関わった戦争と言っても、一種の内戦である西南戦争があり、対外戦争として、日清戦争・日露戦争、第1次世界大戦(およびシベリア出兵)、第2次世界大戦、ヴェトナム戦争、イラク戦争、等々さまざまありますが、今回は、満州事変から太平洋戦争敗戦に至るいわゆる「十五年戦争」に焦点を当て、この「十五年戦争」とそれに関わる文学作品・文学的営為について検討を行いたいと考えます。

 この戦争は、強大国の世界戦略とも絡みつつ、決して過去の歴史的事件として片づけることのできない傷跡を今なお日本および東アジアの社会・政治に残しているからです。靖国問題、歴史教科書問題、北朝鮮問題、米軍基地問題(特に沖縄における)、自衛隊海外派兵問題、等々、日本という国の統合および多文化共生を容易には実現させない世論の分断は、多くがその発端を十五年戦争に遡ることができます。

 このように今日的問題と「十五年戦争」とが切り離せないことに十分留意しつつ、「十五年戦争」期の作家や文学作品を具体的に踏まえて内外の複数の研究者が議論し、意見を戦わせることにより、〈戦争と文学〉〈戦争と人間〉に関わる認識を深め、新しい知見を獲得することが今回の国際研究集会の目的です。


 この国際研究集会は、2010年11月14日(日曜日)に、愛知県立大学(愛知県長久手町熊張)において、以下のようなスケジュールで行います。
                 ◆


午前の部:山口俊雄(愛知県立大学)「十五年戦争期文学における混血表象―石川淳「白描」・金史良「光の中に」を中心に」
宮崎真素美(愛知県立大学)「詩にあらわれた〈神〉たち―戦時下、そして戦後」

午後の部1:米谷匡史(東京外国語大学)「日中戦争期の文化抗争─帝国のメディアと文化工作のネットワーク」
坪井秀人(名古屋大学)「戦争表象における前線と銃後─詩歌を中心に」
ノーマ・フィールド(シカゴ大学)「プロレタリア文学における十五年戦争と日常性」
午後の部2:パネルディスカッション



愛知県立大学日本文化学部 山口俊雄(当研究集会企画者)
遠山一郎(当科研研究代表者)



発表者およびシンポジスト予定者(計5人)

○ノーマ・フィールド氏(シカゴ大学)
単著に『天皇の逝く国で』(原著1991;邦訳、みすず書房、1994)、『祖母のくに』(みすず書房、2000)、『へんな子じゃないもん』(原著 From My Grandmother's Bedside ―Sketches of Postwar Tokyo、1997;邦訳、みすず書房、2006)、『小林多喜二―21世紀にどう読むか』(岩波書店、2009)ほか。

○坪井秀人氏(名古屋大学)
単著に『声の祝祭―日本近代詩と戦争』(名古屋大学出版会、1997)、『戦争の記憶をさかのぼる』(筑摩書房, 2005)、『感覚の近代―声・身体・表象』(名古屋大学出版会、2006)ほか

○米谷匡史氏(東京外国語大学)
単著に『アジア/日本』(岩波書店、2006)。共著に『〈歴史認識〉論争』(作品社、2002)、『ポスト〈東アジア〉』(作品社、2006)、『沖縄/暴力論』(未来社、2008)、『壊れゆく世界と時代の課題』(岩波書店、2009)ほか。編著に『尾崎秀実時評集 日中戦争期の東アジア』(平凡社、2004)、『谷川雁セレクション』Ⅰ・Ⅱ(日本経済評論社、2009)、ほか

○宮崎真素美(愛知県立大学)
単著に『鮎川信夫研究―精神の架橋』(日本図書センター、2002)。共著に『戦後詩のポエティクス 1935~1959』(世界思想社、2009)、『言葉の文明開化―継承と変容』(学術出版会、2007)ほか

○山口俊雄(愛知県立大学)
単著に『石川淳作品研究―「佳人」から「焼跡のイエス」まで』(双文社出版、2005)。編著に『太宰治をおもしろく読む方法』(風媒社、2007)。共著に『言葉の文明開化―継承と変容』(学術出版会、2007)、『太宰治研究 15』(和泉書院、2007)、『展望 太宰治』(ぎょうせい、2009)ほか

小樽商大、史料展示室を一新―多喜二卒業アルバムなども常時公開

2010-08-10 08:30:50 | 多喜二イベント案内
多喜二の成績表いつでも閲覧 樽商大、史料展示室を一新

(08/10 07:25)


 【小樽】来年7月に創立100周年を迎える小樽商大の史料展示室が9日、リニューアルオープンした。広さが従来の約2倍になり、卒業生で作家の小林多喜二と伊藤整の成績表(複製)などの貴重な史料を常時閲覧できる。

 これまでの展示室は講義棟の空き教室を使い、閲覧には予約が必要だった。今回は100周年記念事業として、約4200万円をかけて付属図書館の一室を改装し、常時公開とした。

 展示室は広さ約210平方メートル。商大の前身である小樽高等商業学校の建物を再現したジオラマをはじめ、歴代学長の肖像画や大学の歴史を紹介するパネルなど、従来とほぼ同じ約200点を展示している。

 図書館前で行われたセレモニーでテープカットした山本真樹夫学長は「OBも市民も気軽に歴史に触れられる場を目指したい」と話した。

 開館は平日が午前9時から午後5時まで(土日・祝日は午前10時から)で、年末年始は休み。問い合わせは同図書館(電)0134・27・5272へ。

朗読会 作家とその周辺第2回:「小林多喜二から田口タキへの手紙(東京時代)」

2010-08-08 00:47:03 | 多喜二イベント案内
朗読会 作家とその周辺第2回
開催日:2010年10月2日(土)
開催場所:広島県 ふくやま文学館研修室
時間:13時30分開演
料金:800円
内容:
テーマ:「小林多喜二から田口タキへの手紙(東京時代)」

 第1回では、小樽時代の多喜二とタキについてみてきました。今回は、東京に出てきた後の二人に注目していきます。
 多喜二が拷問で殺されるまで、わずか3年足らずの東京時代ですが、その間の多喜二とタキの姿を、スライドの写真資料などを参考にしながら、多喜二の残した手紙文ほかの朗読でたどります。

朗読者:藤井康治(ふじい こうじ)

*料金は800円ですが、小中高生は無料です。

7/24 「会議:小林多喜二とロマンロラン-反戦国際主義の文学を求めて 」

2010-07-16 18:45:12 | 多喜二イベント案内
講演会:小林多喜二とロマン・ロラン-反戦国际主义の文学を求めて

(仏学院日本関西)は、「小林多喜二とロマン・ロラン、平和と国際主義の文学」を、
7月24日開催する。

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講師は:エヴリン・オドリさん(日本学術振興会外国人特別研究員、东京大学外国人特别研究員、日仏会館博士課程在籍研究協力者、翻訳:小林多喜二蟹工船(ヤゴー出版、2009年)

日本語で講演

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•日時=2010年7月24日3:00 5:00 〜 2010年7月24日
•場所=関西日仏学館稲畑ホール
•料金=一般:500円

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講演要旨は以下の通り。

小林多喜二とロマンロラン-反戦国际主义の文学を求めて
小林多喜二の虐殺を、海を越えてフランスで知ったロマンロランはすぐさま反応しました。一方で、日本のプロレタリア文学は、フランスの反戦運動から強く影響を受けました。文芸雑志『種蒔く人』を創刊させた小牧近江は、パリ滞在中アンリバルビュスのクラルテ運動に参加しています。その『種蒔く人』にバルビュスとロランの論争も紹介されました。この講演会では、そうした事例を手がかりに、小林多喜二とロマンロランに共通する精神を検討します。

フェリス女学院大学 オープンカレッジで「蟹工船」講座(講師 島村輝教授)

2010-06-27 09:00:18 | 多喜二イベント案内

フェリス女学院大学 オープンカレッジで「蟹工船」講座(講師 島村輝教授)

 

【6】 『蟹工船』映画と小説

2010年度夏季集中講座  

講座番号 6
キャンパス 緑園キャンパス
講師 島村 輝
開催日 2010年9月14日(火)~2010年9月16日(木)
時間 10:40~12:10、13:10~15:10他
教室 2302
定員 30名(開講可能人数9名)
受講料(全回数分) 8,500円
申込期間 2010年7月1日(木) ~ 2010年8月31日(火)

講義内容

第1回(9月14日10:40~12:10)
 2008~09年にかけての「蟹工船」現象とその背景を説明します。
第2回(9月14日13・10~14:40)
 小説「蟹工船」精読(1)を行います。
第3回(9月15日10:40~12:10)
 小説「蟹工船」精読(2)を行います。
第4回(9月15日13:10~15:10)
 映画になった「蟹工船」の魅力を探ります。
第5回(9月16日10:40~12:10)
 「暴力・犠牲・連帯」をキーワードに「蟹工船」と小林多喜二について考えます。

実施日 時間 講座内容 担当講師
1 2010/09/14(火) 10:40~
12:10
島村 輝
2 2010/09/14(火) 13:10~
14:40
島村 輝
3 2010/09/15(水) 10:40~
12:10
島村 輝
4 2010/09/15(水) 13:10~
15:10
島村 輝
5 2010/09/16(木) 10:40~
12:10
島村 輝

備考

    【テキスト】小林多喜二著新潮文庫『蟹工船・党生活者』(新潮社)*テキストは丸善ブックショップ(緑園キャンパス)で購入できます。

講師

島村 輝(シマムラ テル)

【プロフィール】

1957年東京生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。女子美術大学教授を経て2009年度より本学教授。専門はプロレタリア文学を中心とする日本近現代文学・芸術表象論。


いま、多喜二の「母」が語りかけるものは?

2010-06-06 18:12:56 | 多喜二イベント案内

三浦綾子記念文学館は、今年6月13日で開館12年目を迎えます。

これを記念して、多喜二の母、セキの展示が始まります。

期  間 :

6月13日~10月24日

タイトル :

三浦綾子が描いた多喜二の『母』 セキは現代(いま)になにを語るか。

△多喜二のデスマスクを手に取るセキさん

 展示の見どころ。
それはセキの生きざまから、展示を観る皆さんになにを感じてもらうか、なにを受け止めてもらうか、なにを考えてもらうか、です。

 展示の切り口は5つ

  「ふるさと、そして家族というもの」

  「多喜二とタミ、崇高な恋愛の物語」

  「いのちを産み育む『母』という使命」

  「いのちから見た時代 国・暴力と正義」

  「苦難、そしてキリストとの出会い」

料金 一般500円、高大生300円、小中生100円 ※団体各10名以上で50円/人引き
問い合わせ先 三浦綾子記念文学館 0166-69-2626
URL http://www.hyouten.com
開催地 三浦綾子記念文学館
住所 旭川市神楽7条8丁目2番15号
アクセス 公共: JR旭川駅から徒歩3分、エクス前から旭川電気軌道旭川医大行き乗車、神楽4条8丁目下車、徒歩10分
車: 高速道央道、旭川鷹栖インター下車20分
駐車場: 30台 (無料、大型バス可)
備考 6〜9月は無休 10月〜5月は毎週月曜日休館(月曜が祝日の場合は翌日休館)

2/13 ノーマ・フィールド札幌講演へのご案内

2010-02-03 00:47:15 | 多喜二イベント案内

医療九条の会・北海道第4回総会記念講演会

2010年2月13日(土) 15:00~18:00

北農健保会館3F 大会議室(札幌市中央区北4西7)

講演会参加費500円

記念講演会(15:00~17:00)

講師 ノーマ・フィールドさん(シカゴ大学教授)

「生活か平和か、経済か環境か… …二者択一の罠は、回避できるか」

わたしたちはいつも生活の安定と引き換えに、環境保護であれ、平和維持であれ、是とするものを犠牲にすることを常識として強いられてきました。現在の状況や小林多喜二などの戦前の実践を踏まえて、こうした選択を拒否するに必要な心構え、行動、そして人間関係を考えてみませんか。

 

第4回総会(17:00~18:00 同会場にて)

 

 主催=医療九条の会・北海道札幌市北区北14西3 1-12

TEL(011)758-4585

FAX(011)716-3927

 9jyo@dominiren.gr.jp