映画「蟹工船」上映会及び関連シンポジウム
本日1月30日、フランス・パリの日本文化会館で、映画「蟹工船」(山村聰監督)上映とフランス語訳「蟹工船」出版記念シンポジウムが開催される。
「一九ニ八・三・一五」でプロレタリア文壇に鮮烈にデビューしたとはいう、まだ26歳だった無名の青年・小林多喜二の第2作・「蟹工船」(1929年)。
この物語は、蟹を漁獲し缶詰に加工する作業のためにオホーツク海に送られた300人の男たちの物語。彼らの乗った工船内の世界を通し、資本主義というシステムについて告発するものでと発表当時も大きな話題を呼んだ。
そして「蟹工船」発表から80年を経た今日、ふたたび小林多喜二の「蟹工船」は、世界文学としてそのメッセージはふたたび世界平和と反貧困の願いを乗せて広がりつつある。
フランスの識者は、このメッセージを身体ごと受け止めてこの企画が実現した。
ここにいたる、関係者の熱意と、島村輝・フェリス女学院大学教授の無償の労が報われることを心より願う。
プログラム内容は以下の通り。
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【日時・場所】
2010年1月30日 (土)14hOOtV 18hOO
パリ日本文化会館(フランス、パリ) 大ホール(客席280席)
101bis quai Branly 75740 Paris cedex 15, France
【企画趣旨】
日本のプロレタリア文学の代表作として「蟹工船」の文学的歴史的側面を紹介するとともに、2008年から2009年前半にかけて日本で「蟹工船」が若年層を中心に再読され、「蟹工船ブーム」と呼ばれる社会現象にまで発展した背景について解説・紹介。一般、学生を対象とした日本文学紹介と現代日本理解を目的とする。
【パネリスト】
Cecile Sakai氏 (モデレーター兼任)
島村輝氏
Jean-Jacques Tschudin氏
Cecile Sakai氏
Evelyne Lesigne-Audoly氏
【発表内容】
Teru Shimamura (10分)
映画「蟹工船」(1953年)について紹介
Jean-Jacques Tschudin (20分)
日本のプロレタリア文学 /小林多喜二の思想・作品
cecile Sakai (20分)
「蟹工船ブーム」とは/映画化・漫画化/社会経済的背景/読者層
Evelyne Lesigne-Audoly (20分)
小説Texte /日本語⇒フランス語翻訳の際の問題
【問い合わせ先】
パリ日本文化会館 Maison de la culture du Japon a Paris(画像)
TEL +81 1 44 37 95 01
101 bis quai branly
75015 Paris France
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関係情報
フランス語訳「蟹工船」Le Bateau-usine の批評があいついで発表されている。
ネット上に公開されているもののうちいくつかを紹介しておこう。
Tout pour les Femme.com
"Le Bateau-Usine" de Kobayashi Takiji
Gilles Paris
Kobayashi Takiji
Le bateau-usine
Traduit par Evelyne Lesigne-Audoly
Radio France
Le bateau-usine