昨日、天上の音楽と題してベートーベンのピアノソナタ第32番について書きました。
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今日は、この曲と私の出会いについて書きたいと思います。
たしか、「ベートーベンの晩年のピアノソナタがいい」とどこかで読んだんだと思います。
お小遣いで、ピアノソナタ第30番、31番、32番の3曲の入ったレコードを買いました。
高校生の頃のことです。
毎夕、私は山のふもとまでランニングしていました。
そして、山で空手の稽古をして帰ってきます。
帰ってきて椅子に座って、このレコードを聞いていました。
聴き始めるんですが、いつも疲れてぐったり眠っていました。
気がついたときには、レコードの針は最後の端まで行って、ぶつぶつと音を立てていました。
けれども、その日は、私は目が覚めていました。
ピアノソナタ第32番の嵐のような第一楽章が終わり、そして、
静かに第二楽章が始まります。
曲は2回ずつ繰り返しながら変奏が続いていき、
だんだん盛り上がっていきます。
そしてその盛り上がりの頂点に来たとき、
なんということでしょう!
私は不思議な体験をしたのです。
体の奥から、何かエネルギーのようなものが湧きあがってくるというか、
踊りたくてたまらなくなるような、
ものすごく幸せな感じというか、
私はそんな感動に包まれたのでした。
これが、私とベートーベンのピアノソナタ第32番、作品番号111との出会いでした。
(さっき見てみると、昨日のブログのいいねの数がちょうど111です(笑)。どうもありがとうございます。)
この感動の箇所というのは、上のバックハウスの演奏の13分49秒から14分57秒のところです。
私はピアノを習ったことも全然なかったのですが、この地上のものと思われない音楽が、楽譜が一体どうなっているのか知りたいという興味を持ちました。
それで大学生の頃、古本屋でこの本を見つけ、
あの箇所を探しました。
たぶんここだなというところが、このページでした。
それから何十年も経った今でも、これを聞くと、私は幸せな感じに包まれるのです。
最後まで読んでくださって、どうもありがとうございました。