いきなり自分語りから入ってしまいますが、
私が『ゼノブレイド』シリーズを最初にプレイしたのは実は『ゼノブレイドクロス』が初めてでした。
以前の作品をプレイしてみたいと思いその後、WiiUでWiiソフトのダウンロード版が販売されていたのを機に『ゼノブレイド』をプレイ。
その後に販売されたNew3DS版『ゼノブレイド』も買いました。
そして時は流れNintendo Switchが登場。その発売年に出た『ゼノブレイド2』も当然のように購入。あらかじめダウンロードで発売日0時にプレイするくらいにはシリーズファンになっていました。
最近になって『ゼノブレイドクロス』を再プレイ、『ゼノブレイドDE』が発売され、そちらもプレイしました。
『ゼノ』シリーズの括りになると、だいぶ前に『ゼノギアス』、ニンテンドーDS『ゼノサーガ1、2』を遊んだこともありますが記憶はほとんどありません。
以前の記事にドヤ顔でゼノギアスやサーガの設定とか引き合いに出してましたが、実は調べながら思い出して書いていました(笑)
話がそれましたが、
最近『ゼノブレイド』シリーズを3つ同時にプレイしていて、
3作に共通する展開におっと思ったので記事にしてみました。
◆序盤で死亡する主要人物
3作に共通する点その1。
『ゼノブレイド』ではヒロインのフィオルンが黒い顔つきに貫かれて死んでしまいます。
『ゼノブレイド2』ではあろうことか主人公のレックスがシンに殺されてしまします。
「鋭い得物で刺し貫かれて死亡する」というのが共通しているので、意識して設定されているかもしれません。
では『ゼノブレイドクロス』では誰が死んでいるかというと、
「主人公を含めたすべての地球人」です。
地球人は全員B.B.と呼ばれる人工生体で暮らしており、コールドスリープしている生身の体が存在するセントラルライフを見つけるのが物語の主軸ですが、
実は生身の体などは存在せず、遺伝子データと肉体を培養する原形質溶液のみが格納されていました。
つまりグインの言っていた通り、生物的には「死んでいる」のと同義なのです。
◆1人の体に二人の人格
『ゼノブレイド』では、機神界の体にされてしまったフィオルンの中にもう一人の人格、機神メイナスが入り込んでいました。
一方、シュルクにはモナドが回収された当時より、ザンザの人格が内に潜んでいました。
『ゼノブレイドクロス』では、原形質溶液の中に落ちたラオとルクザールの人格が混ざり、お互いの記憶がせめぎ合っていました。
『ゼノブレイド2』では、自身の力に恐怖を抱えたヒカリがホムラの人格を形成、
ヒカリとホムラで2つの人格を持つようになります。
◆空っぽの状態から復活する人物
『ゼノブレイド』では、物語開始時点でシュルクという命は既に無くなっており、
ザンザがシュルクの命になっていました。
ザンザ復活の時点でシュルクは抜け殻となり、命はないはずですが、
その後復活を果たし、巨神との戦いに合流します。
ガドも記憶が抹消されたはずなのに正気を取り戻しました
『ゼノブレイドクロス』ではED後にB.B.を動かしている意識の元、
セントラルライフのデータベースを確認しに行きますが、
惑星ミラ落着時に既に破損していて機能していないことがわかりました。
しかし何故かB.B.は意識があって動いているという謎を残します。
『ゼノブレイド2』では、メツがホムラから、欠損部分を修復するために情報を奪います。
記憶も消され、メツ曰く「出涸らし」になってしまいますが、レックスの呼びかけで復活を果たします。
どれも理屈や仕組みの説明なしに復活や活動をしている点から、これらは意図的に説明していない可能性があります。
ライプニッツが提唱した空間に関する論「モナド論」を参照してみるとヒントらしきものがありました。
「物体を分割することは可能だが、最後には不可分な領域(モナド)に到達する。それが実体である」
物質というのはあるものの集合体であり、ただの集合体が一つの生物足らしめているものは何か、という話です。
この「何か」が「モナド」なのですが、これは「精神」のこと。
モナド論では物体は現象にすぎず、本質は精神であることをまず前提に置いているのです。
生物は自己同一性を持つ単一のものでないといけません。
しかし肉体は細胞の寄せ集めに過ぎません。これは分割できるので単一のものではありません。
そこで分割不可能な精神こそが生物の実体であり本質、
モナド(精神)が無ければただの合成された物体に過ぎず、生物として動きだすことはないという考え方です。
「魂」という捉え方をしてもいいでしょう。
そしてモナドは不変であり、他からの干渉があっても押し出されたりしない不動の絶対的存在であるとも言われています。
つまり肉体が抜け殻となろうが、記憶を消されようが、
器となる肉体さえ残っていれば生物として活動が出来るのではないかという考え方ができます。
1人に二人分の精神が同居するものこのあたりがモデルなのではないでしょうか。
人間と同じ物質やパーツで人間を作ってもそれが自然と意志を持って動き出すか?という話にもなりますね
ハナは動き出したけど
「今日の自分と明日の自分は厳密には異なる。
細胞レベルの話で言えば別人であるとも言える。
意識の連続性があるから個として認識出来ているに過ぎない」
魂の存在が立証されない限り哲学的問答の域を出ないとしながらも、エルマも精神こそが本質であることを肯定するようなことを言っていました。
「ザンザはモナドであり、モナドはザンザである。
両者は不可分なのだ」
分割できず不変であり、単一の存在であることを表しているエギルの一言。
砕いていくと長くなるので省きますが、「相互作用」「神による予定調和」など『ゼノブレイド』に登場したワードが並んでいて作品への理解が深まる論なので読んでみてはいかがでしょうか。
精神というものは文化を通じて誰かが受け継ぎ世代を重ねて進化していきます。
だからこそ我々はこうして現代を生きることができているわけです。
ザンザやマルベーニはこれを恐れていました。
支配者という自分の存在を永遠に残したかったのです。
それを打ち破り、神に与えられたものではなく自分の意志(モナド)を見つけたシュルクたち。
クラウスの願いによって与えられた記憶と進化の循環により人の精神を未来につなげる存在、ブレイド。その答えに気づき前に進み続けたレックスたち。
『ゼノブレイド』シリーズの根幹にあるテーマは「人が歩み出す」ことなんだと私は思います。
ちなみに『ゼノブレイドクロス』の謎のうち、
「なぜB.B.はデータベースが無いのに動き続けられるのか」
「なぜグロウスは地球人の生身に勝てないのか」
ですが、モナド論から推測を立てられることが出来ました。
先の通り、モナド論では生物を生物たらしめる要素は精神だと書きましたが、
それならば肉体を構成する物質の種類は関係ないはず。
つまり、精神(モナド)がB.B.という新しい肉体に定着し新たな人類として生まれ変わってしまったのではないかという説。
何が原因かはわかりませんが、惑星ミラにある何かがそうさせたと思しき展開なので、
ミラ到着~墜落(データベース破損)までのいずこかで何かが起きたということになります。
グロウスはサマールの民に創られた合成生命体だと言われていました。
つまり肉体だけ創られた魂(モナド)のない存在であり、生まれながらにしてモナドを持つサマールの末裔、地球人には絶対に勝てないということではないかと。
なぜ生身に限定しているのかは、B.B.には意識と記憶しかなく、モナドがあるのは生身のほうだと思っていたからだと考えられます。
上記の通りB.B.がモナドを持っているのならば、グロウスに勝利したのは必然ということになりますね。
ルクザールが度々地球人が意外と強いことに対してぼやいていたのも頷けます。
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