多摩爺の「時のつれづれ(長月の26)」
国葬費用の源泉と使途
昨日(6日)、政府は元総理の国葬に要する費用について、
警備費などを含んだ総額(概算)は、16.5億円になると国会に示した。
その内訳は会場設営費などで約2.5億円、
警備費用で約8億円、海外要人の接遇費で約6億円になるようだ。
そのお金は、いったいどこから捻出するのか・・・ いまのところ分っているのは、
閣議決定し予備費から出されることが決まっている会場設営費の約2.5億円だけであり、
警備費や接遇費の約14億円については、使途は分ったが、源泉については明確にされていない。
ここから先は、ド素人の浅知恵による推測になるが、
警備費用については、警視庁や道府県警の今年度予算内で賄い、
接遇費については、外務省の今年度予算から捻出することになると考えられ、
足りなければ、おそらく別の名目で計画された予算を流用して、
今年度の補正予算で追加要求するか、当該予算の執行を先送りすることになるだろう。
特に問題視されているのは・・・ 警備費として示された8億円である。
一般的には警備に当たる警察官の動員費用であり、残業手当、特殊勤務手当、動員輸送費(旅費)、
宿泊費、さらには食事等の補助費などであろう。
3万人規模の警備体制が敷かれた、昭和天皇の大喪の礼では、
約24億円かかったとの指摘もあり、野党の機関誌では約100億円必要との記事もあるらしいが、
大名行列するわけじゃあるまいし・・・ さすがにそれはないだろう。
とはいえ、ホントにこれで足りるのかと・・・ 疑う気持ちがないわけでもないが、
よくよく考えてみれば、その大部分を占める残業代などの手当は、公務員の人件費であって、
どこで、どんな仕事をしていても、必ず発生する予算化された固定費用であって、
変動費などの手当は、人員数や時間数はキッチリ管理され、厳格に執行されているはずである。
それでも、国葬の実施時期が、年度末(3月)間近であれば、
年度の予算から、変動費の増加分を調整するのは厳しいと思われるが、
国葬の発表が7月だったことを踏まえると、
残り8ヶ月の残業手当予算を、月平均にならして調整することが難しいとは思えない。
輸送費や宿泊費、食事補助は、実費となるのは致し方ないが、
移動は機動隊に動員するときと同じように、大半は警察車両に分散した乗り合いだろうし、
宿泊は警察施設や、自衛隊の宿泊施設を活用するのだろうから、膨大な費用が掛かるわけでもなく、
捕食費などは、御用達の納入業者に大量発注すれば、コストを下げることも可能だろう。
さらに秘策として、10月以降の交通取締を強化して、違反切符を1割程度増やせば、
十分に穴埋めができるだろうし、乱暴なドライバーの取り締まり強化は、
一般庶民にとってもありがたいので・・・ 我々からしたら、なんの不満もない。
早い話が、都道府県の警察は・・・ お上に頼らなくても、
自らの手で原資を増やすことができるのである。
あくまでも個人的な思いだが、一つのイベントに掛かる費用として捉えた警備費用は膨大だが、
お財布事情から捉えたら・・・ 寄ってたかって非難するほどでもなく、
なんとかなる金額のような気がしないでもない。
また、接遇費に掛かる約6億円の主管は外務省だが、
外務省は、ゼロではないものの、基本的に国民生活を所管してない官庁であり、
国民生活に影響を及ぼす可能性が、極めて低い官庁であることにフォーカスすれば、
総理の腹心が務める大臣に、一つ腹を括ってもらい、省内の調整をお願いするしかないだろう。
大臣のかけ声さえあれば、下半期の計画を抜本的に見直したり、先送りすることで、
金額は大きいが・・・ なんとかなるような気がしないでもない。
政府の公表を受けて、野党は当初の2.5億円が、6.6倍になったと鼻息が荒いが
公務員の本来業務なのか、それとも外部への委託がやむを得ない業務かによって、
財布のなかのやりくりにも違いが生じるが、その多くは既に予算化されたもののやりくりであり、
必ずしも6.6倍になったと、短絡的に捉えるのは早計ではなかろうか?
適切な例えかどうか分らないが、
山岳救助で、行政のヘリが助けに行けば、費用の請求はないものの、
行政のヘリが使えず、民間のヘリを飛ばすと膨大な額が請求されるのと良く似ている。
そもそもの業務が、利益を求めていない、公務員の本来業務なのか、
それとも、公務員にない知識と専門スキルを、公務員以外に頼る外部委託なのかによって、
表に出る金額と、表に出す必要がない金額が生じ、総額に差がでてしまうことは、
けっして不自然ではないと思うが・・・ 間違っているだろうか?
そういった視点で捉えれば、当初発表があった約2.5億円は外部に委託が必要な金額であり、
残りの約14億円は、所管する官庁などでコントロールが可能な金額なので、
表に出された数字を主観的に捉えてしまうと「木を見て森を見ず。」に陥ってしまい、
反対のための反対になってしまうと思うが・・・ 如何なものだろうか?
ひらたく言えば・・・ 警備費用や、接遇費用については、
総てが総てそうだと言わないが、その大半は、国葬があろうとなかろうと、
年度内にキッチリ使い切られる予算だと捉えたら、分かり易いんじゃなかろうか?
元総理が凶弾に倒れて2ヶ月が経った。
国葬が行われる27日まで・・・ あと3週間、
もう後戻りが出来ないことを承知の上で、
批判と非難が繰り返されていることに、なんだか虚しさを覚えてしまう。
人の思いはそれぞれだから、どうのこうのと言うつもりはないが、
事の発端となった、事件の正義は・・・ もう、どうでも良くなってしまったのだろうか?
野党もメディアも・・・ あろうことか、容疑者の動機に寄り添い、
政治と宗教に矛先を変えると、国葬にまで集中砲火を浴びせまくっているんだから、
もはや、正義もへったくれも、あったものじゃない。
熱しやすく、冷めやすいのが・・・ この国の国民性なのかもしれないが、
コロナに始まり、ウクライナ、元総理の襲撃、台湾、またまたコロナ、そして国葬へと、
新たなネタを追いかけ続けてはいるものの、海外から要人が多数来日することが分っているのに、
あれほど問題になった警備体制が、話題のネタにすら上ってこないが・・・ それで良いんだろうか?
政治には光と影があって・・・ 長くやれば、功もあれば罪もあり、
実績の総てが100点ではないことぐらい、私にだって分る。
とはいえ、日米安保を国防の基軸におくこの国で、平和安全法案を成立させたのみならず、
日本、アメリカ、オーストラリア、インドによる戦略的対話を提唱し、合意に結びつけた功績は、
我が国の周辺に位置する物騒な国に向けて、睨みを効かすアドバンテージとなっており、
モリ、カケ、サクラを遙かに凌駕すると・・・ 私は思うが、
それでも・・・ 国防よりモリ、カケ、サクラの方が大きいと考える人がいるのも現実である。
近々に行われるであろう、国葬に関する総理の国会説明がどんなものになるのか、
まずは・・・ そこに注目したいと思うが、
願わくは、海外向けのニュースで、国葬が中継されるなか、
邪魔するような恥ずかしいことだけは勘弁してほしいと願ってやまない。
閑話休題
前もって触れることを忘れてしまったが、本件はあくまでも個人的な思いであって、
勝手ながら、コメント等に議論するつもりはないので、申し訳ないがご理解をいただきたい。
もう引くに引けないです。
国葬迄する意味が解りません
私は功罪を天秤にかけたら、功が大きいと思っていますが、
思いは人それぞれですから、それはそれで良いんだと思っています。
よって、申し訳ございませんが、国葬実施の是非について議論することは止めにしましょう。
突っ慳貪な返信になりますが、お汲み取りいただければ幸甚です。
せっかくコメントを頂戴しましたが、国葬について意見交換をするつもりはありません。
申し訳ございませんが、お汲み取りいただければ幸甚です。