多摩爺の「時のつれづれ(長月の52)」
ちょっと気になる電力事情
野党第一党の代表選挙で、ある候補者が・・・ ちょっと気になる発言をしていた。
「原発の安全性を確保し、1日も早く原子力に依存しない社会をつくらなければならない。」との、
前置きはあったものの、「再生可能エネルギーを最大限に活用すれば、
電力の消費量が増えても対応することは可能だ。」と述べている。
再生可能エネルギーの促進については、もちろん大賛成なんだが、
具体的な数値を使って「なにがどうなるから、どうなる。」といった説明してもらわないと、
ただ単に希望的な思いを述べてるだけであって、
政党の代表選に立ち、国のトップを狙う為政者としては・・・ 無責任と言わざる得ない。
ネット環境の拡大にともなう、通信機器の使用頻度や、データセンターの拡張もあるだろうし、
さらには、環境対策上から避けて通れなくなった、EV車の普及促進や充電スタンドの設置もあり、
さらに、さらに、リニア新幹線が開通すれば、使用電力は半端ない、
さらに、さらに、さらに、普及促進を続けてきた、太陽光パネルの耐用年数も忘れてはならないし、
さらに、さらに、もっとさらに、今年のような猛暑は、来年以降も続くと専門家は言っている。
地熱や風力などの、自然エネルギーや、再生可能エネルギーを活用するという案もあるが、
国立公園との関係や、温泉や観光業に与える影響もあるし、自然災害への対応策も出てくるだろうし、
バイオマスなどの再生可能エネルギーに至っては、期待は大きいが緒についたばかりである。
お金を掛ければ、なんとかなりそうな気もするが・・・ いつ頃になったら賄えるのだろうか?
原発の建設や再稼働に反対があったように、
温泉街や観光地が、素直に「はい、分かりました。」と言ってくれるだろうか?
「電力の消費量が増えても対応することは可能だ。」と述べるのであれば、
具体的な数値に基づいた、タイムスケジュールを示していただきたい。
つい先日、大きな話題にはなることはなかったが、
見逃してはいけないニュースが・・・ さらりと報道されていた。
電力がひっ迫した東京電力が、中部電力から2日続けて電力の融通を受けていたのである。
国内の電力各社で融通し合える状況にあるなら、通常の運用であり、まだ良いと思うが、
西日本各地の猛暑は尋常ではなく・・・ 約2ヶ月もの間、35度を超える猛暑日が続いていて、
地域の電力会社だって、ギリギリのはずだと思うが、
電気代の高騰には触れることはあっても、電力のひっ迫について議論せよとの声はない。
原発を「再稼働せよ!」なんて、言うつもりはないが、
原発が未稼働であろうと・・・ 減価償却費は発生しており、
月々請求される電気代で、回収されていることを忘れてはならない。
私はその筋の専門家でなければ、詳しいわけでもないもないので、
気の利いたコメントは書けないが・・・ 原発のコストは、
自然エネルギーや再生可能エネルギーより安価で、化石燃料とほぼ同等らしい。
先々は自然エネルギーや再生可能エネルギーの方が、安価になると聞いたこともあり、
「原発の安全性を確保し、1日も早く原子力に依存しない社会をつくる。」ということには、
異論がないどころか・・・ 大賛成である。
然は然り乍ら(さはさりながら)・・・ そこで問題になるのは、設備の耐用年数だろう。
自然エネルギーや再生可能エルネギーの設備の対応年数が、概ね25年であるのに対し、
原子力や化石燃料の設備の耐用年数は約40年だから・・・ 投資額にもよるが、
単純計算では、原子力設備を1回更改する間に、
自然エネルギーや、再生可能エネルギーの設備は2回の更改することになる。
心配するばかりで「こうしたら?」の提案が出来ないのは、いささか情けないが、
エネルギー問題は、生活目線で捉えたら、少子高齢化に匹敵するぐらいの大問題だと思うので、
約1ヶ月後にはあると言われている総選挙では、耳に優しい精神論などではなく、
数値による根拠を示し、具体的なタイムスケジュールを論じてほしいと願うが、如何なものだろうか?
地震大国という視点に立てば、原発が元凶となる可能性は否定できないが、
この国の技術力に期待し、それを認めて進化を遂げなければ、
経済に与えるダメージは避けられないし、発展、発達のスピードも鈍化するだろう。
おそらく私がこの世にいる間に、その答えは見えないと思うので・・・ 後生に託すしかないが、
東京電力が中部電力にヘルプ(電力融通)していただいたことが、
さらりと報道されるのは、想定内だとしても、
頻繁にあってもらっては困るので・・・ ちょっと講釈を垂れてみた。
爺さんのボヤキなので、ほっといてもらって構わないんだが、
本文はあくまでも・・・ 個人的な思いであって、
コメントを頂戴しても、議論するつもりはないので、ご理解をいただければありがたい。