多摩爺の「時のつれづれ(師走の5)」
今年の漢字は「密(みつ)」
カレンダーの関係から、例年より2日遅れで発表された、今年の漢字が「密(みつ)」に決まった。
春先に囲み取材を受けていた都知事が、
「密です。密です。密です。」と連呼していたことが印象深いが、
コロナ禍における予防策として、
国内で周知徹底された三密(密接・密集・密閉)に起因しているのだろう。
あれから約9か月・・・ いまや外国語に変換され、グローバルスタンダードになってるんだから、
国際的な視点で捉えても、その貢献度は極めて大きいフレーズだった。
財団法人「日本漢字能力検定協会」が、その年をイメージする漢字一文字を全国から公募し、
最も応募が多かった一文字を、その年の世相を表す漢字として、
新装なった清水寺(京都市東山区)の舞台に設置された巨大な和紙に、
貫主が自ら巨大な筆を取り揮毫する場面が、お昼下がりのワイドショーでライブ中継されていた。
1995年から始まり、既に四半世紀が経ち、暮れの風物詩にもなった、今年の漢字一文字には、
過去にも「災(わざわい)」、「震(ふるえる)」、「偽(いつわる)」、
「倒(たおれる)」「毒(どく)」などの、ネガティブなイメージに繋がる文字があったが、
今年の「密(みつ)」は、直接的ではないものの、
間接的には第2位だった「禍(わざわい)」があってのものだから・・・ いささか辛すぎる。
個人的には「密(みつ)」かな、それとも「禍(わざわい)」かなと思ってたことから、
1位と2位に選ばれると、みんなと同じ発想だったこともあり・・・ 妙に納得してしまうんだが、
どことなく、どこかに棘が刺さったような気持ちがあって、スッキリした気持ちにはなれない。
「コロナ禍」における三密は、すっかり慣れっこになってしまい、
新たな生活スタイルの一つとして定着したが、
その意味を後世に伝えるという、とてつもなく大きな使命があることを忘れてはならない。
また、後手後手に回らざる得なかった対策を、
一つの戒めとして、記憶と記録に留めおく役割もそこにはあるだろう。
早いもので、今年も残すところ、あと2週間である。
我慢と忍耐の生活は、年が明けても・・・ しばらくは続くんだろう。
とはいえ、来年の今ごろになっても、
「密(みつ)」や「禍」の(わざわい)一文字が、人々の脳裏から消えないようでは困ってしまう。
せめて、来年は・・・ 「月に叢雲(むらくも)、花に風」程度の、
軽めの障(さは)りであってほしい。
春先までは、コロナウイルスなんていう、大陸からやって来た、厄介者の話題で大騒ぎしてたけど、
ゴールデンウィークは楽しかったし、オリンピック・パラリンピックも大成功だった。
夏休みには親孝行もできて、GoToキャンペーンさまさまだったと、
振り返れる1年でありたい。
2週間も前から、来年のことを言っちゃ、鬼に笑われるかもしれないが、
2021年の漢字一文字は、
ポジティブなイメージの「楽(らく)」や「笑(わらう)」であってほしい。
思いつきで申し訳ないが・・・ そう思ってる人は私だけではあるまい。
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