多摩爺の「時のつれづれ(神無月の21)」
バラマキ合戦ならまだ良い。
10月14日、13時から開かれた衆議院本会議で、
大島衆院議長が「日本国憲法第7条により衆議院を解散する。」と解散詔書を読み上げ、
衆議院が解散されると、その直後から衆議院議員は・・・ ただの人になり、
19日に公示され、31日に投開票される総選挙を勝ち抜かなければ、
再び国会に戻ってくることはできない。
市民連合という、たしかにどこかの市民には間違いないのだろうが、
一部の偏った思想の基に集った市民が、いかにも市民を代表しているかのような組織名を使うのは、
如何なものかと思うが、その市民連合を介して、
一部の野党を除いた4野党が選挙協力をして、政権交代を目論んでいる。
政策はからっきしダメだが、与党のあら探しや、悪口に関しては、絶妙のセンスを持つ野党第1党は、
現内閣を揶揄して「逃げ恥じ内閣」と云い・・・ いつも以上に鼻息が荒い。
一方で、個人的には悪代官のような風貌で、あまり好きなタイプではない政権与党の幹事長は
「自由民主主義の思想のもとに運営される政権と、
共産主義が入る政権のどちらを選ぶかという政権選択だ。」と
政策云々はさておき・・・ 政党のイロハでもある、主義主張の違いを対立軸に持ってきた。
今回の総選挙のポイントは、ワクチン接種率の向上とともに、
新規感染者が減ってきていることを踏まえれば、
コロナ対策を疎かにすることはできないが、ウイズコロナの経済対策に目が向くのは必然だろう。
そして・・・ どこの政党もバラマキ(現金等の給付)を掲げるが、
明確に財源をあげているのは、
20年度決算で生じた歳出と歳入の差にあたる剰余金の活用するとした与党だけで、
対する野党は、高額所得者や、大企業への税率を上げて対応するとしている。
つまり野党の財源は、カラ手形を切るということで、
財布のなかにあるお金を使って手当てすることではない。
まずは、必要なときのために、財布のなかに大事に取っておいたお金を先に使う。
カラ手形を切るよりは、そちらが最優先なのではなかろうか?
さらに野党は、所得税を1年間なしにしたり、消費税を5%に下げて生活者を守ると云っている。
税金を納めなくて良かったり、安くしてくれると云うことには、
私だって反対しないし・・・ おそらく、反対する人はいないんじゃなかろうか?
とはいえ、財源を高額納税者や、大企業に求めると、
海外移住者や、海外に事業の拠点を移す企業が増えることは必然で、
それで収支がペイする(採算がとれる)なら文句はないが、
それをやっても足りなくなればどうするのだろうか?
税率に手を付けると、巡り巡って結果的には、賃上げどころか雇用に支障をきたすし、
そのツケが弱者(生活弱者や子供)にくることは必至で、
いま以上に経済の悪化は避けて通れなくなる。
この国の経済からデフレを脱却できないのは・・・ 例えに品がなくて申し訳ないが、
貧乏比べになれてしまったからだろう。
コンビニ弁当をバカにしちゃいけない、ワンコインあれば美味いメシが食えるし、
衣料品だって、安かろう悪かろうではなく、安かろう良かろうで、なおかつ使い捨てなのである。
有楽町そごうがビックカメラになり、池袋三越がヤマダ電機になって百貨店が少しずつ消え、
ドラッグストアは薬だけじゃなく、食料品を含め、いまじゃなんでも売っている。
気がつけば駅前商店街が、シャッター商店街になっているにも拘わらず、
代わりのディスカウントショップができていて、
またまた例えに品がなくて恐縮だが、一部の生活困窮者を除けば貧乏比べで満足しきっており、
世界の工場といわれた中国に頼ったツケから、いまなお逃れられないでいる。
10数年前、政権交代が起こったとき、
同党の幹事長が、多くの同党議員を引き連れて、中国に礼賛したことを・・・ 私は忘れない。
そんな我が国で、再び政権交代が起こり、成長しないうちに分配を優先すると、
いまよりさらに・・・ 貧しさを分け合う、負のスパイラルに陥ると思うが、如何なものだろうか?
一時金で、お金をバラマクだけなら・・・ 一過性だから、まだ良いが、
税率に手を付けて、後先を考えずに悦に浸ってしまうと、
それこそ、取り返しの付かないことになると思うが・・・ どうだろう?
一部の野党が言うように、ベーシックインカムを掲げるなら、社会保障システムの転換だから、
ソフトランディングさせるのに時間がかかり、即効性は乏しいが、
これは立派な政策であって・・・ 検討に値するし、議論しなきゃならない課題の一つだと思う。
昨年の夏、コロナ禍がある程度落ち着いた段階で、
先々を見据えて、この国の構造改革に向けて、
道州制とベーシックインカムについて議論すべきではないかと、
持論を述べているので、読んでいただけるとありがたい。
さはさりながら・・・ コロナ対策で、借金が増えてしまったのは、世界の各国で共通する悩みだが、
主要国の多くは、ウイズコロナ政策で、
その借金を、どうやって穴埋めするのか・・・ いままさに、そこんところに知恵を絞っている。
それでなくても、この国の人口バランスをみれば、だれにでも分かると思うが、
税率に手を付けて、明らかに人数が少ない次の世代(子供たち)に向けて、
巨大な借金を押しつけることは・・・ 絶対にやってはいけないことだと思うが、
間違っているだろうか?
この国が、お隣の大陸のように自由を捨てて、社会主義の国になることを求めるなら、
それもまた一つの選択だが、
先の大戦で、多くの犠牲を払って学び、やっとのことで手に入れた自由と民主主義を、
そう簡単に、手放すわけにはいかないと・・・ 私は思っている。
経済対策には上流対策(稼ぐ側)と下流対策(使う側)があり・・・ 生活者は下流にいる。
与党は、その両方を語るが・・・ 野党は耳障りの良い下流のことしか言わない。
政権与党はバラマキに対して、
20年度決算で生じた歳出と歳入の差にあたる剰余金の活用するとした。
一方で野党は、カラ手形を切ってバラマクと言っているに等しい。
個人的な思いとすれば・・・ 財布の中に使い道が決まってないお金があるなら、
そのお金を使うべきであって、借金したりカラ手形切るといった無責任な発言は勘弁してほしい。
それと・・・ もう一つ、野党は昨年の今頃、海外製ワクチンの国内使用について、
ブレーキを踏んで、3ヶ月程度承認を遅らせたことについて、
あれは誤りだったと謝罪すべきではなかろうか。
自らワクチン承認ょ遅らせておきながら、
政府のコロナ対策が遅いなどと言うのでは・・・ 信用することはできない。
とはいえ、なにを選択するかは・・・ 国民にまかされているのだから、
さまざまな意見があることが、悪いこととは思っていない。
この国には自由があるのだから、政治家は過去の誤りも、政策の裏付けとなる財源についても、
徹底的に議論してほしいと願ってやまない。
また、財務省の幹部が、雑誌にバラマキ批判の記事を載せたことが、注目を浴びているが、
バラマキ合戦なら一過性だから・・・ まだ良いと私は思う。
しかし、税率に手を付けてしまうと、社会補償などいま現在ある循環システムが狂うばかりか、
元に戻せなくなり、パンドラの箱を空けることになると思うが・・・ 如何なものだろうか?
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