クライマックスシリーズの是非

多摩爺の「時のつれづれ（霜月の１６）」
クライマックスシリーズの是非

昨日（６日）から始まった・・・　２０２１年のプロ野球クライマックスシリーズ
ファーストステージでは、ペナントレースで２位と３位だったチームが２戦先勝の３回戦を戦い、
これを勝ち上がると、ファイナルステージで、１位チームと４戦先勝の６回戦を戦い、
勝ち上がったチームが日本シリーズに進むというシステムだ。

なお、ファイナルステージが６回戦なのは、１位チームに１勝のアドバンテージがあるからで、
ファーストステージもファイナルステージも、上位チームのホーム球場が使用されるので、
そこんとこも・・・　アドバンテージといって良いのかもしれない。

クライマックスシリーズが行われることになった原因は、
半年間かけて戦うペナントレースも・・・　終盤（９月の後半）になってくると、
大凡の順位が見えてくることから、
順位と個人タイトルを確定させる、消化試合が増えてくることにあった。

消化試合になると、観客が大幅に減少し、興行的に盛り上がらないことに加え、
入場料収入やグッズの売り上げにも影響がでることから、
それではということで１５年ぐらい前に導入されたのが・・・　クライマックスシリーズだった。

３位でも日本シリーズに出場できるというのが、クライマックスシリーズの売りで、
かつては３位から日本シリーズを制した千葉ロッテが・・・　「史上最大の下剋上」として、
その年の流行語大賞にノミネートされたこともあった。

クライマックスシリーズの実施は、企画としては成果をあげたものの、
導入されて約１５年の時を経ており、そろそろ見直しすべきではないかと思っている。

今シーズンのセパ両リーグで、ペナントレースを制したチーム（東京ヤクルト、オリックス）は、
両チームともに２年連続最下位だったチームで、ペナントレースそのものが正真正銘の下剋上であり、
仮にクライマックスで、どちらかまたは両チームが敗退した場合、
興行的な下剋上ではなく、本物の下剋上を達成したチームの、名誉と価値を下げてしまうのである。

決まったルールに則っての優勝だから、イチャモン付けるのは憚られるし、
ファンの方には申し訳ないが、千葉ロッテが下剋上を達成し「日本一だ。」と言ってたことにも、
当時から違和感がないわけではなかった。

日本シリーズ優勝なら分るが・・・　さすがに、日本一ではないだろう。
半年間かけて戦ったペナントレースの結果が、
儲けを目的として仕組まれた数週間程度の興業で・・・　ひっくり返されては、
ペナントレースで優勝した価値を、下げることにならないだろうか？

その年の日本一という、燦然と輝く称号は、セパ両リーグを制した１位のチームが、
日本シリーズを勝った場合にのみ、与えられる称号であって、
２位や３位のチームがクライマックスシリーズを勝ち上がり、日本シリーズを勝った場合は、
日本シリーズ優勝であって・・・　けっして、日本一ではない。

じゃぁ・・・　どうすれば良いんだ？
そんなに難し話じゃないと思う。
メジャーリーグを参考にすれば良いだけである。

１２チームが所属するセパ両リーグを、４チームずつの３ブロックに振り分けたうえで、
同一ブロックの対戦を増やした上で、１２チームが総当たりの対戦を行い、
各ブロックの１位と、各ブロックの２位から勝率１位のチームにワイルドカードを与え、
デビジョンシリーズ（準決勝５番勝負）と、日本シリーズ（決勝７番勝負）をやれば、
下剋上などなくなっても・・・　きっと盛り上がるはずだ。

勝率２位のワイルドカード制度を導入すれば、ペナントレースは最後まで盛り上がり、
消化試合も減ると思うがどうだろうか？

そうなれば今年のように成績が３位で、
負け越している巨人が、クライマックスシリーズにでることもなくなり、
不自然なことがなくなり・・・　正真正銘の日本一を争う興業になるだろう。

私は広島ファンなので、贔屓チームがでていないことで、やっかみもあるのかもしれないが、
それぐらい工夫しなきゃ、クライマックスシリーズを見たいとも思わないし、
半年もかけて戦って出した結果を、数週間でひっくり返す下剋上なんて、
あってはならないことだと思っている。

また、興行的に日本一を決める日本シリーズがあるのなら、
最下位を決める裏日本シリーズをやったら・・・　もっと盛り上がるだろう。
裏日本シリーズでは、さすがに差別的でネーミングが拙いと思うので、
茶目っ気を持たせて・・・　日本海（下位）シリーズとかでも、面白いんじゃなかろうか。

差別用語を用いるのは拙いが、プロなんだから自虐的な興業をするのは面白いと思う。
また、この時期でも暖かい、南九州や沖縄で開催することができれば、
地域貢献にもなるし・・・　地元は大歓迎してくれるんじゃなかろうか？

冗談はさておき、ペナントレース優勝という頑張りと価値を・・・　軽んじるべきではない。
先週末には北海道日本ハムにビッグボス（新監督）が就任し、面白いことをやると公言していた。
頑張ってほしいし、この国の野球界を大いに盛り上げてほしいと期待している。

とはいえ、まずはＮＰＢの改革であり、オーナー会、選手会の知恵をだしだろう。
興業だから、儲けなくちゃ・・・　やってられないのも当然だし理解できるが、
価値を下げることなく、儲かる仕組みに知恵を絞る努力を・・・　怠らないでほしい。

問題点があるクライマックスシリーズに、いつまでもしがみつくのではなく、
納得感に欠けるプレーオフは、早く改善すべきだと思う。
そろそろ新しい仕組みを考えてみたら・・・　いかがなものだろうか？