「私はね、恋愛をしたいの。この年で恋愛だなんて笑われるかもしれないけど、不倫とか浮気じゃイヤなの。ちゃんと恋愛をしたいのよ」
42歳の裕子さんの台詞。
何だかなぁ・・・・子どもが言うわがままみたいだと思ったのだけど。美人で、高級輸入家具店の店長という仕事・有名進学校に勤める夫・母校の有名女子大付属小学校に通う子供。オマケに実家もそこそこで、兄もエリートサラリーマン。私なんか、当てはまるもの、一つもないわ。で、不倫や浮気は嫌、ちゃんとした恋愛がしたい?何ふざけてんねん、って感じ。裕子さんの言う、「ちゃんとした恋愛」の定義が、イマイチ、わからないなぁ。
黒木瞳さん主演映画の『東京タワー』の感想でも書いているけど、不倫は奨励すべきものではないけど、全くの否定派でもない私。結婚していようが独身だろうが、人を好きになるってことは、その人の心の動きの問題なので誰かに止められるものではないと思うんですよ。結婚していても心の中で誰かを好きになって、それで精神的にバランスが取れて家庭生活が上手く成り立てば、それはそれでいいと思うんですよ。暴走して、周りに迷惑をかけちゃマズイですが。例えば、極端な話、20歳で結婚したとして、それからずっと80歳で死ぬまで60年間も、だんなさん以外の人に対して『好き』と言う感情を押し殺すのって、不自然な感じがしませんか?
そりゃ~、ずっと一人の人に一筋ってのが理想なんでしょうが、結婚生活も山あり谷ありですからね~。谷から這い上がるのに、精神面でちょっとだけ他人の力を借りてもいいと思いますよ。それが、たまたま男の人だったりするわけで・・・・。
この本を読みながら、主人公の裕子さんとは同じ年なので、賛同するところも沢山ありましたが、最後はやっぱり「恋愛にちゃんとしたもちゃんとしてないもないやん。不倫や浮気を蔑んでいるけど、第三者から見ればあんたのやってることは、結局、不倫で浮気やん。不倫や浮気も、一時の遊びは別として、真剣に人を好きになる気持ちは同じなんやし、≪ちゃんとした恋愛がしたい≫なんて台詞、言わんほうがええよ」と思ってしまうのでした。
かなり、裕子さんにヤキモチを焼いた感想ですね(笑)。