〇 日経NETWORKは、企業ネットワークの利用状況を調べるアンケート調査を2022年9月から10月にかけて実施した。対象は主にIT管理者で、有効回答数は923件。回答者が携わる企業ネットワークにおいて主に使っているネットワーク機器のベンダーなどを、スイッチ部門、無線LAN部門、ルーター/UTM部門、ゼロトラスト部門の4つに分けて尋ねた。今回は無線LAN部門の結果をお送りする。
無線LAN部門では、無線LANアクセスポイント(AP)と無線LANコントローラーの2ジャンルについて、使っている製品のベンダーを聞いた。
APの1位と2位は、2021年に実施した前回の調査と同様にシスコシステムズとバッファローだった。前回13.7ポイントあった差は5ポイントに縮まった。前回4位のNECはHPEを抜いて3位。フロアスイッチやコアスイッチと同じように、APでも存在感を高めている。順位の変動はあったが、8位以内に入る企業の顔ぶれは変わらなかった。
APを導入している企業の規模別に見ると、小規模ではバッファローが強く、大規模ではシスコシステムズが強いという例年通りの結果となった。ただし前回シスコシステムズが1位だった「101台~500台」のネットワークにおいて、バッファローが1位となった点には注目したい。100台以下の比較的小規模なネットワークでシェアを獲得していたバッファローが、中規模以上のネットワークでも存在感を示しつつある傾向がうかがえる。
無線LANコントローラーは、今回もシスコシステムズが強さを見せた。ただし45.6%あったシェアは40.6%に下落。2位以下との差を縮めた。前回3位だったHPEは2位に、ランク外からNECが3位に入った。またアライドテレシスとヤマハに代わり、バッファローと富士通がランクインした。無線LANコントローラーはクラウド型の浸透もあり、まだまだシェアに動きのある製品カテゴリーと言えそうだ。
次に企業の規模別に、使っている無線LANコントローラー製品のベンダーを見てみよう。小規模ネットワークではバッファローが、中規模以上のネットワークではシスコシステムズが強い。
Wi-Fi 6の利用が増加。
アンケートでは、企業ネットワークに導入しているAPが対応する無線LANの規格も尋ねた。複数回答で、総回答数は546。前回に続き、今回も「IEEE 802.11ac」を使っているという回答が最も多かった。
IEEE 802.11b/g/nの利用は前回よりも減少した。古い無線規格から、高速で通信できる規格に乗り換えている企業が多いことが推察される。
さらにIEEE 802.11axを使っているとした回答者が前回より増加している。「Wi-Fi 6」で知られるIEEE 802.11axは、今後も使用する企業が増えると思われる。