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ChatGPT × Excel 実践活用術。

〇 使うべきExcelの機能が分からない! そんなときは「ChatGPT」に、丸投げ質問。

実践 あなたの課題を「丸投げ質問」してみよう。

Excelは多機能であるが故、どの機能を使えば自分の目的を達成できるのか戸惑うことが多い。そんなときはChatGPTに〝丸投げ質問〞してみよう。

ネット掲示板での質問と同じ 曖昧だと答えようがない。

例えば図1では、「売上一覧表から担当者別の売り上げを集計する」という課題について、どのような数式を組み立てるべきか聞いてみた。丸投げ質問で大事なのは「現状」と「目的」を明確に伝えること。Excelシートにどんなデータがあるのか現状を伝え、そこから何を目指してどのようなアウトプットを望むのか目的も明確にする。

図1 Excelで達成したい目的があるが、具体的な操作方法がわからない場合、その旨を伝えることで具体的な手順を教えてもらえる。その際は「現状」と達成したい「目的」を明確に伝えることが重要だ。ここではそれらを見出しで整理する形で質問した
図1、Excelで達成したい目的があるが、具体的な操作方法がわからない場合、その旨を伝えることで具体的な手順を教えてもらえる。その際は「現状」と達成したい「目的」を明確に伝えることが重要だ。ここではそれらを見出しで整理する形で質問した。

これは、ネットの掲示板などで質問するときと似ている。ネットの住人なら「質問が曖昧すぎ!」などと指摘(叱咤〔しった〕)してくれるが、ChatGPTは曖昧な質問にも答えようとがんばる。だが、具体的な現状と目的が曖昧だと、適切な回答は得られない。

ChatGPTは図1の質問に対して3つの数式を提示してくれた(図2)。数式やプログラム(コード)などは「コードブロック」という黒背景の枠で表示され、右上の「Copy code」ボタンで簡単にコピーできる。

結果、3つの数式を教えてくれた
Θ 結果、3つの数式を教えてくれた。
図2、目的として担当者、売上金額、売上件数、平均単価を指定したため、担当者別にそれぞれを求める関数式が提示された。

提案された方法が難解だったり、別の方法がお望みの場合は、異なるアプローチを提案してもらおう。ChatGPTは文脈を理解しているので、続けて質問できるのは前述の通り。数式以外の方法を尋ねたところ、ピボットテーブルやPower Queryなどを提案してくれた(図3)。

ほかの手段も提案してもらえる
Θ ほかの手段も提案してもらえる。
図3、関数以外の手段を知りたい場合は、その旨を質問すればよい。ピボットテーブルのほか、高度なPower Queryまで提案してくれた。

数式の意味や改善点を続けて質問・依頼できる。

提案された機能や数式の詳細を尋ねることも可能だ(図4)。例えば提案された数式を引用して「もっと具体的に教えてください」と要請すれば、その数式について詳しく説明してもらえる。その際は「ステップバイステップで」と添えるのがポイント。より具体的な手順を順序立てて説明してくれる。

提案された方法を掘り下げて質問する
Θ 提案された方法を掘り下げて質問する
図4、提案された方法を詳しく掘り下げることも可能。提案の一部を引用したうえで、「もっと具体的な数式を教えてください」などと質問すればよい。

注意したいのは、提案された数式が必ずしも正確であるとはいえないこと。特にセル参照などは、手元にあるExcelシートにぴったり一致するとは限らない。ある程度は自分で考えて、数式を組み立てる必要がある(図5)。

図5 ChatGTPの回答に従って数式を入力する。数式の参照先は実際のシート(図1下)に置き換えて自分で考える
図5、ChatGTPの回答に従って数式を入力する。数式の参照先は実際のシート(図1下)に置き換えて自分で考える。

あるいは、シートの状況を再度伝え、数式を改善するように依頼する手もある(図6)。続けて質問できるという特徴を生かそう。この辺りは人間同士のコミュニケーションと同じだ。一発必中を期待せず、何度も対話を重ねることで目的達成に近づいていく。

自分のシートに合わせて数式を改善させる
Θ 自分のシートに合わせて数式を改善させる。
図6、提供された説明を、手元にあるExcelシートの状況に合わせて改善してもらうことも可能だ。「合計売上はB列ではなくH列」「100行目までではなく列全体を計算対象に」などと指示したところ、説明を修正してくれた。

実践 がんばったら「あと一歩質問」で助けてもらおう。

Excel操作に自信がある人でも、関数の種類や引数など細かいところは失念しがち。そんなときはChatGPTに“あと一歩質問”で助けてもらおう。「◯◯という機能(関数)を使いたいが詳細がわからない」といったタイプの質問だ。図1は「商品コードから3つのコードを分割して抜き出したい」という例。LEFT関数などを使えばよいとはわかっているが、引数の指定方法を覚えていない。そうした現状を具体的なデータと一緒に伝えたところ、数式の実例を提案してくれた。

図1 途中まで自分の知識で操作したが行き詰まった。そんな場合の質問方法も覚えておこう。例えば文字列を抜き出すのにLEFT関数などを使えばよいことは理解しているが、具体的な引数がわからない。その旨をそのままChatGPTに伝えたら、きちんと状況に応じた回答をしてくれた
図1、途中まで自分の知識で操作したが行き詰まった。そんな場合の質問方法も覚えておこう。例えば文字列を抜き出すのにLEFT関数などを使えばよいことは理解しているが、具体的な引数がわからない。その旨をそのままChatGPTに伝えたら、きちんと状況に応じた回答をしてくれた。

自分が思い付いた方法のほかに、もっと効率的なやり方や応用が利く方法があるかもしれない。「ほかにも方法はありますか」と聞いてみよう(図2)。その際は各手法のメリットとデメリットも尋ねてみるとよい。自分の目的にマッチした手法の判断材料になる。

ほかの方法も提案してもらおう
Θ ほかの方法も提案してもらおう。
図2、自分が考えている方法とは別に、もっと良い手段があるかもしれない。そんなときはメリットとデメリットも一緒に尋ねるとよい。

自分で組み立てた数式でエラーが発生した際、ChatGPTにその原因をアドバイスしてもらう手もある。具体的な数式とエラーメッセージを伝えることで、エラーの原因を推測してもらえる(図3図4)。Excelのヘルプなどで四苦八苦するよりも、エラー解決が迅速に進むかもしれない。

エラーの原因を教えて
Θ エラーの原因を教えて。
図3、正しく入力したつもりの数式がエラーとなって原因が不明。具体的な数式とエラーメッセージを添えて質問すると、原因究明のヒントを得られることがある。
 
図4 MID関数の第3引数がマイナスなのが原因だと推測し、「-3」を「3」に修正した数式を提案してくれた
図4、MID関数の第3引数がマイナスなのが原因だと推測し、「-3」を「3」に修正した数式を提案してくれた。

Excelを用いるビジネス現場では、ほかの人が作った数式の意味が不明というシーンにしばしば出くわす。そんなときには、数式を丸ごと引用する形でChatGPTに意味を聞いてみよう(図5図6)。その場合も「ステップバイステップで」と添えることをお勧めする。

数式の意味を解説してもらう
Θ 数式の意味を解説してもらう。
図5、前任者が作った数式の意味がわからない。あるいはChatGPTに提案された数式で正しく計算できたものの、その意味が不明。そんなときは数式の意味を解説してもらおう。
 
図6 具体的な数式のほか、見出し付きの制約事項として「ステップバイステップで」「新入社員にもわかりやすい文体で」と添えた。さらに「具体的なデータを用いてください」と加えることで具体例を使った解説を求められる
図6具体的な数式のほか、見出し付きの制約事項として「ステップバイステップで」、「新入社員にもわかりやすい文体で」と添えた。さらに「具体的なデータを用いてください」と加えることで具体例を使った解説を求められる。

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