〇 コロナ禍以降、Web会議がビジネスコミュニケーションの重要な一角として定着した。リアルの会議や打ち合わせも戻ってきているが、「オンラインの方が楽だ」と多くの人が気づいているのは間違いない。
現在、僕自身にいただくアポイントの依頼の半分以上が「オンラインでも大丈夫です」という状況だ。特に社内会議は、オンラインで問題がないケースも多いだろう。意味なく出社しても仕方がないので、うまく使い分けたいところだ。
さて、そのオンラインでの会議や打ち合わせだが、今ひとつ意思疎通がしづらい部分もある。それはホワイトボードを使いづらいことだ。従来の会議では、資料を回したり、ホワイトボードに議題や決まったことを書いたりしてきた。このうち資料は、画面共有機能を使うか、あらかじめ送っておくことで全員が閲覧できる。やはり、使いづらいのはホワイトボードだ。
そんなホワイトボードに困っている人にお薦めなのが、今回紹介するペンによる手書き入力に対応したモバイルモニターだ。
ペン入力に対応した2in1 PCよりお薦めできる理由は。
ホワイトボードなどのアプリを使って手書きをしたいなら、専用のペンによる手書き入力に対応した2in1 PCを用意するのが一般的だろう。ただ、当然ながら費用がかさむ。また、クラムシエル型のノートPCに比べると重量が増してしまうため、モバイルにはあまり向かない。そもそも機種数が少ないので、購入の際も選択肢が限られる。これがペンに対応するモバイルモニターをお薦めしたい理由だ。
今回は、リコーの「RICOH Light Monitor 150BW」を試用した。直販の場合、税込み7万9200円で販売されている。タッチ操作が可能で、Wacom AES 2.0センサー(アクティブ静電結合方式)に対応したペンを使うことも可能だ。オプションでペン「RICOH Monitor Stylus Pen Type1」が用意されている。
同様のモバイルモニターは他社からも発売されており、画面サイズや価格も様々なので、自分の環境に合った製品がないか、探してみるといいだろう。
こうした専用のペンによる手書きに対応したモバイルモニターは、2in1 PCの専用ペンに匹敵する書き味で手書きができる。また、こうしたモニターは、基本的にはどのPCでも使える。PC本体を買い替えたとしても利用可能なわけだ。ただし、PC本体とUSB Type-Cで接続する点に注意したい。HDMI接続では、手書きはできないのだ。そのため、PC側にもモニターに接続できるUSB Type-Cポートがあることが条件になる。
Web会議の進行中にリアルタイムで手書きの様子をシェアできる。
RICOH Light Monitor 150BWは、TeamsやZoomなどのオンライン会議アプリでも利用可能だ。ホワイトボードのウィンドウをモバイルモニターで開き、画面共有でこのウィンドウを指定すれば、リアルタイムで手書きの様子をシェアできる。会議をしながら、決まった内容をどんどん書き込んでいき、それを参加者全員がチェックできるわけだ。
RICOH Light Monitor 150BWは反応が良好で、文字や簡単な図を書く程度なら筆記の遅れはさほど気にならないだろう。たまに線が飛ぶが、その際にはゆっくりと書けばよい。おそらくPCの性能にも依存するので、あまりにも性能の低いモデルだと筆記が大幅に遅れていく可能性もある。
そのほかの手書きにも利用可能。
RICOH Light Monitor 150BWのようなペンによる手書きに対応するモバイルモニターには、ホワイトボード以外の使い方もある。例えばWeb会議の際に、PowerPointの手書き機能を使って説明したい部分を「○」で囲んだりすると、レーザーポインターのように使える。
PDFに手書きで修正箇所を指示したり、OneNoteの手書き機能でメモを残したりするような使い方もできる。2in1 PCほどの機動力はないが、どんなPCとも組み合わせて使えるのはかなりいい。
ちなみに僕は、実売5万円程度で買える、ペンによる手書きに対応する2in1 PCをいくつか試しているが、やはり筆記には厳しい。ペン対応モバイルモニター+ある程度性能の高いPCという組み合わせの方が現実的だ。