米IT大手のオラクルは2024年4月18日、AI需要の拡大などに対応するため今後10年間で80億ドル、日本円で約1.2兆円以上をデータセンターに投資する計画を発表した。米マイクロソフトも4400億円の投資を発表したばかり。2023年には米アマゾン・ドットコムが2兆2600億円、2022年は米グーグルが1000億円投資を発表しており、総額4兆円に達する見込みだ。
米オラクルのサフラ・キャッツCEO(最高経営責任者)は、「日本市場の需要は高く、実際にはさらに多くの投資をしていくことになる」という。世界的に見ても遅れがちだった行政のデジタル化が、2025年に向けて急速に進んでいくことが確実な点が最大の要因と見てよいだろう。
日本の労働人口減少が急速に進むことはほぼ決定付けられている。このため、長期的には少子化対策が不可欠。だが、短期・中期においては、人手不足の壁を乗り越える必要がある。さまざまな面で法律を見直し、規制緩和を進めデジタル化を推進していく中で、大きな期待をかけられているのが行政のデジタル化だ。
日本の行政は国、都道府県、市区町村と3つのレイヤーに分かれている。それぞれのレイヤーが独立しているため、システム的にはバラバラだ。平成の大合併で自治体の統合が進んだとはいえ、地方行政のシステムを現代的にデジタルトランスフォーメーション(DX)するには大きなハードルがある。また、日本全体を見たときに、さまざまな手続きのメッセージがバラバラのシステムでやり取りされるのでは、効率も悪い。