〇 パソコンの動作が遅くなったら「不要なサービスの停止」、やり方を誤るとトラブルに。
パソコンの動作が遅くなったときの対応策として、不要なサービスの停止が有効だ。しかし、やり方を誤ると「周辺機器が使えない」「特定の機能が使えない」といったトラブルが生じる危険がある。むやみやたらと実行してはいけない(図1)。
図1、パソコンを軽快に動作させるために、Windowsのサービスを停止するという手法がある。しかし、間違ったサービスを止めると、周辺機器や機能が使えなくなることがある。
サービスを停止するとき「無効」を選ぶだけではダメ。
まずは、サービスについて解説しよう。サービスとは、特定の機能を実行するためにWindowsに常駐するプログラムのこと。Windows自体が用意しているものもあれば、アプリをインストールしたときに追加されるものもある。サービスは、ユーザーが直接操作して起動するわけではない。どのタイミングで起動するかは設定次第。Windowsの起動とともに自動実行したり、必要なときに実行して不要になったら自動的に終了したりする(図2)。
Θ サービスって勝手に起動するの?
図2、サービスはすべてが起動しているわけではない。Windowsの起動時に開始するもの、Windows起動後しばらくたってから開始するもの、必要になったときに起動するもの、起動しないものなどに分かれる。
サービスの設定は、ユーザー自身が変更できる。まずは「ファイル名を指定して実行」画面を開き、「services.msc」と入力して「サービス」画面を開く(図3)。特定のサービスが一切起動しないようにするには、そのサービスをダブルクリックしてプロパティ画面を開き、「スタートアップの種類」を「無効」に設定し、「サービスの状態」欄の「停止」をクリックする(図4、図5)。
Θ 標準ツールでサービスは停止できる。
図3、「Windows」+「R」キーを押して「ファイル名を指定して実行」画面を開いたら、「services.msc」と入力し、「OK」をクリック(1)(2)。
図4、「サービス」画面が開くので、停止したいサービスをダブルクリック。
図5、「スタートアップの種類」を「無効」に変更する(1)。「停止」をクリックし、「OK」をクリック(2)(3)。
ここで「停止」をクリックし、対象サービスを停止することが重要だ。「スタートアップの種類」を「無効」にするだけでは、次回のWindowsの起動時にそのサービスがまた実行されてしまうからだ。Windowsは標準で「高速スタートアップ」が有効となっている。これは、OSの終了時に起動中のサービスなどを休止ファイルに保存し、次回起動時にそれを読み出す仕組みだ。そのため、そのサービスを停止しない限り、いつまでも起動し続けることになる。
こうした操作方法と並んで重要なのが、止めてよいサービスと、止めてはいけないサービスの見極めだ。
図6に、標準でWindows起動時に開始するサービスのうち、使い方によっては停止できるサービスをまとめた。これだけでは、サービス停止の可否を自分で判断するのが難しいと感じるなら、フリーソフトの助けを借りる手もある。「Wise Care 365 Free(ワイズケア365フリー)」で「システムチューニング」→「スタートアップ管理」→「サービス」と選択すると、サービスが一覧表示される。「サービスの説明」欄に、各サービスの内容が記されている。さらに「提案/評価」欄で、無効化すべきか否かを提案してくれる。これらを参考に判断すればよい(図7)。
Θ 使い方によっては停止できるサービス。
図6、標準では「自動」となっているサービスのうち、使い方によっては停止できるサービスをまとめた。自分自身の利用状況と照らし合わせて停止するかどうかを考えよう。
Θ フリーソフトで安全なものだけを停止。
図7、「Wise Care 365 Free」で「システムチューニング」→「スタートアップ管理」→「サービス」と順にクリック(1)~(3)。各サービスの「提案/評価」欄を参考に停止したいサービスの「操作」欄をオフにする(4)。
有料の「PRO」版には、「スピードアップ」という機能がある。ここでは、「無効化推奨」「無効化可能」「現状維持」にサービスが整理して表示される。「無効化推奨」などにチェックを付けて、そのカテゴリーにあるすべてのサービスを一括停止できるので便利だ(図8)。
Θ 有料版なら推奨設定をまとめて操作可能。
図8、有料のPRO(プロ)版では「スピードアップ」の機能が利用できる。「無効化推奨」「無効化可能」などにサービスが整理して表示され、「無効化推奨」などをチェックした状態で「最適化」をクリックすることで一括停止できる。Free版も15日間はPRO版の機能を利用できる。