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2023年版パソコンの選び方。

〇 ディスプレイにこだわったPC続々、高リフレッシュ・有機EL・バックライトを確認。

パソコンを選ぶうえで、機器ごとの仕様の差を理解しながら選択肢を絞っていくことは重要だ。しかし、実際にはメーカーのWebページを読んだ程度では理解できないような難解な項目が多い。ある程度の基本は理解している人にとっても、数年ぶりにPCを買い替えようと思ったタイミングでは、用語の細かい意味を忘れていたり、新しい技術が登場してトレンドが変わっていたりすることもある。特にディスプレイは、デスクトップPCの外付け型とノートPCの内蔵型ともに2022年から2023年にかけて大きく変化しそうだ。ここでは、ディスプレイの技術トレンドを押さえ、それぞれ仕組みや効果を紹介しよう。

高リフレッシュレート製品の登場。

ディスプレイが映像を再生している際には、パラパラ漫画のページを切り替えるように、画面表示を素早く書き換えている。この切り替えスピードのことを「リフレッシュレート」と呼び、単位は「Hz(ヘルツ)」で表す。例えば、60Hzの場合、1秒間に60回画面を書き換えていることになる。

リフレッシュレートは1秒間で画面が書き換えられる回数のこと。リフレッシュレートが高いほうが動きが滑らかになる
画1、リフレッシュレートは1秒間で画面が書き換えられる回数のこと。リフレッシュレートが高いほうが動きが滑らかになる。

なお、紛らわしい言葉に「フレームレート」がある。コンテンツのコマの頻度のことで、fps(frames per second)という単位で表す。パラパラ漫画の例でいえば、1秒間に60枚のページをめくっても、パラパラ漫画のキャラクターのスピード感がおかしくならないように、1秒間分のページ数がしっかり60枚整えらていることをイメージするとよいだろう。

つまり、単純化するならば、もしフレームレート=120fpsのコンテンツ(1秒間に120枚めくる想定で作られたコンテンツ)を表示したいならば、リフレッシュレート=120Hzに対応したディスプレイ(1秒間に120枚をめくることができる画面)が必要——という関係性になる。

ゲーミング向けでは、フレームレートが高い映像のほうが、3D画面での酔いを防ぎやすく、遊びやすいとされる。一般的な60fpsのコンテンツに比べ、倍の120fpsや144fps、165fpsでは快適なプレーが期待でき、240fpsだととても快適なプレーが期待できるといわれている。そのため、ゲーミングノートやゲーミングモニターでは、120Hzや144Hz、165Hzなどのリフレッシュレートに対応しているのが前提であり、eスポーツ向け機材ならば240Hz対応は必須だ。

144Hzのリフレッシュレートに対応した17.3型液晶ディスプレイを搭載するマウスコンピューターのノートPC「G-Tune P7」
画2、144Hzのリフレッシュレートに対応した17.3型液晶ディスプレイを搭載するマウスコンピューターのノートPC「G-Tune P7」。

このように、高リフレッシュレートに対応する製品といえば、高くても240Hz程度が一般的だった。しかし、360Hzや500Hzなどの超高リフレッシュレートを備えるゲーミングモニターなども登場してきている。コンシューマー向けの機器に普及するとは考えにくいが、ゲーミングブランドのフラグシップ製品が高リフレッシュレート化していく傾向は、おそらく今後も続くと思われる。

ちなみに、高リフレッシュレートで、かつ高解像度でコンテンツを表示するには、PCのスペックやゲーム側の対応状況なども関係してくる点は理解しておきたい。例えば、60fps駆動では4Kで遊べたゲームが、120fps駆動にするとフルHDまで画質が落ちてしまうという場合がある。さらに、実際には「ティアリング」(複数のフレームが一度に描画されてしまう現象)や、「スタッタリング」(GPUの力不足で起こるカクツキ)を抑制する技術として、画面のリフレッシュレートをGPUに同期させる可変リフレッシュレート同期機能も関係してくる。フレームレートやリフレッシュレートの挙動を、ディスプレイの仕様だけで考えることは難しく、俯瞰(ふかん)的に仕様を把握しなくてはならないのが難しいところだ。

液晶ディスプレイと有機ELディスプレイの違いは。

ディスプレイのトレンドを押さえるうえで、ノートPCのディスプレイや外部ディスプレイで使用されるディスプレイパネルがどのような仕組みで画像を表示しているのか、概要も理解しておこう。

大前提として、ディスプレイは赤・青・緑という光の3原色を組み合わせることでさまざまな色を再現している。ディスプレイ上には、赤・青・緑に光る小さな点が無数に配置されているわけである。この赤・青・緑を1組とする最少単位を、ピクセルやドット、画素などと呼ぶ。

「解像度」という仕様は、この画素がいくつ並んでいるのかを意味する。例えば、「フルHD」ならば1920×1080ピクセル、「4K」ならば3840×2160ピクセルなどと表される。もし、ディスプレイサイズが同じで解像度がフルHDと4Kで異なる場合、4Kのほうが画素の密度が高くなる。1インチ当たりに画素がいくつ配置されるかという数値は画素密度と呼ばれ、「ppi(pixel per inch)」や「dpi(dot per inch)」といった単位で表す。

さて、ディスプレイによって、この画素を光らせるための仕組みが異なる。例えば、「液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)」は液晶分子を電圧をかけることで分子の並びが変わるという特性を利用して光の透過量を調整し、透過した光をカラーフィルターに通して色を付ける。液晶自体は光らないため、光源となるバックライトを備える。また、LCDで使われる表示装置のことを「液晶パネル」と呼ぶこともある。

液晶ディスプレイと有機ELディスプレイの大まかな原理。液晶ディスプレイはバックライトを、液晶のシャッターで遮断し、透過した光をカラーフィルターで色付けする。有機ELディスプレイは、有機EL自体が発行する
画3、液晶ディスプレイと有機ELディスプレイの大まかな原理。液晶ディスプレイはバックライトを、液晶のシャッターで遮断し、透過した光をカラーフィルターで色付けする。有機ELディスプレイは、有機EL自体が発行する。

液晶パネルは、液晶分子を制御する駆動方式によって、「TN(Twisted Nematic)方式」「VA(Virtical Alignment)方式」「IPS(In Plane Switching)方式」といった種類に分類される。一般に、TN方式は安価で応答速度が速いが、視野角が狭く、色がずれやすい。VA方式はコントラストが高く、視野角も広めだが、応答速度が遅い。IPS方式は視野角が広く、発色もよいが、高価で応答速度はTN方式に劣る。用途に合わせて選ぶとよいだろう。

ディスプレイには、LCDと異なり、バックライトを必要としないものもある。赤・青・緑の色に発色する有機発光ダイオードを使う「有機ELディスプレイ」である。OELD(Organic Electro Luminescence Diode)と呼ぶこともある。

有機ELディスプレイは、発光ダイオードが光るため、バックライトや光の透過量を調整する仕組みが不要だ。バックライト全体を光らせる必要がなく、省電力性に優れる。また、黒色を表したい部分に関しても、液晶ディスプレイのように閉じたシャッターからバックライトが漏れることがないため、黒色の表現がより深みを持つ傾向がある。

ディスプレイの仕様では、表現できる1番明るい光と、1番暗い色の比率を「コントラスト比」として表現する。基本的には、コントラスト比が大きい製品のほうが、階調豊かな表現が可能として評価される。有機EL(OLED)ディスプレイは、深みのある黒を表現できるため、このコントラスト比の数値も自然と優秀になるわけだ。

なお、液晶と同等の輝度を再現するには、赤・青・緑の画素だけでは再現が難しいというのが有機ELディスプレイの弱点だ。そのため、実際の製品では、サブで「白」の画素を加えた4色構成によって、輝度が補われている場合もある。

こうした有機ELディスプレイは、スマートフォンやタブレットでは、すでに多くの機種で採用されている。ノートPCでも、2015~16年ごろから徐々に採用機種が登場し、2019年ごろからは数多くのモデルで搭載されている印象だ。昨今では特に、ゲーミングノートPCや、クリエーター向けの機種など、画面表示の綺麗さを重視するモデルで採用されている。なお、デスクトップモニターなどの大型製品でも、有機ELパネルの搭載モデルはすでに数多く展開されているものの、液晶パネル搭載製品と比べてかなり高額だ。


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