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「Chat GPT」で 進化する セールステック。

〇 広告コピーの作成はChatGPTにお任せ、AIによる「1分審査」で成約率が18%アップ。

販促キャンペーンのメルマガをつくろうにも、書き始めるのが大変。そもそもどんな文章が効果的なのかよく分からない――。そんな悩みを抱えるマーケティング担当者は少なからずいるだろう。手助けをしてくれる優秀な相棒の1つが、生成AI(人工知能)だ。

マーケティングプロセスのうちコンテンツ制作にもAIが進出
画1、マーケティングプロセスのうちコンテンツ制作にもAIが進出。
 
Appier Groupの提供するAIマーケティングクラウド「AIQUA」は、広告コピーを生成する
画2、Appier Groupの提供するAIマーケティングクラウド「AIQUA」は、広告コピーを生成する。

AIを活用したマーケティング支援のクラウドサービスを提供するAppier Group(エイピア)は2023年4月28日、同社の生成AIアルゴリズムとChatGPT言語モデルを統合完了し主力3製品をアップデートしたと発表した。その製品のうち1つがAIを使ったマーケティング支援のクラウドサービス「AIQUA(アイコア)」だ。AIを活用し、顧客やデバイスに応じたメッセージを作成、適切なタイミングで送信できる。顧客企業のホームページを通じたWebプッシュ通知や電子メール、SMS(ショートメッセージ)などだ。

ChatGPTがつくった広告コピーを別のAIがチェック。

エイピアはCEO(最高経営責任者)のチハン・ユー氏が2012年に台湾で共同創業。様々なSFA(営業支援)システムに先駆けて、当時から営業やマーケティングの支援にAI技術を取り入れてきた。「AIを人間がより簡単に使えるよう、ソフトウエアに組み込んできた。デジタル広告からマーケティング、顧客サポートへと対象を広げてきた。今後もAIを生かして、さらなるマーケティングや営業のプロセス自動化に取り組む」(ユーCEO)。

いち早くAI技術に着目したのは、ユーCEO自身の「研究者としてのキャリアに根ざした方針」(同)だからだ。ユーCEOは米スタンフォード大学でAIの修士号、米ハーバード大学でAIの博士号を取得した元研究者。従業員にもAIの研究分野出身者が多く、データマイニングの世界大会における従業員の優勝回数は7回を数えるなど研究開発の力に強みを持つ。

エイピア共同創業者のチハン・ユーCEO
画3、エイピア共同創業者のチハン・ユーCEO。

日本を含む世界17拠点で事業を展開し、2021年3月に東証マザーズ(当時)に上場。2022年12月には東証プライムに移行した。当時は東証が定める外国と関係する「クロスボーダー企業」として初めて昇格した。

生成AIが担うのはメッセージの作成だ。営業プロセスは一般に、広告による販促や潜在顧客の発掘といったマーケティング、見込み顧客に商談の約束を取り付けるために働きかけるアプローチ、サービスや商品を売るための商談、成約、購入後の使い方やトラブルに応じるアフターサポートという流れ。これらのうち、エイピアのサービスAIQUAの新機能が主に効果を発揮するのがマーケティングだ。

エイピアはAIQUAのほかにも、セールス・マーケティング活動全般を支援するSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)製品を提供している。全ての製品にAIを活用していることが特徴だ。具体的には、見込み顧客の発掘や顧客の維持、購入をためらう顧客への働きかけ、消費者の行動分析・予測といったシーンで使える。

AIQUAが威力を発揮するのは、マーケティング用の文章コンテンツの作成。販促用メールマガジンの文面やEC(電子商取引)サイトの商品説明欄に掲載する広告コピーなどだ。

マーケティング担当者はキャンペーンの内容や文字の長さ、言語、トーンを入力・選択するだけで、複数の広告コピー案を自動生成できる。キャンペーンの説明は「母の日限定リップセール」、メッセージの文字数は「100文字以内」、言語を「日本語」、そしてメッセージの口調は「盛り上げるように」。こうした指示をシステムに入力すると、ものの1~2分で3つの広告コピーを提示した。

「夏のリップ販売、夏にぴったりのリップで美しく華やかに!」「フルーティーなリップカラー限定販売、有機的でフルーティーな発色で、唇を乾燥から守りながら人目を引く色を…」。 AIQUAを使うことで、利用企業は想定する顧客層に応じた広告コピー文案を手軽につくり分けられる。

AIQUAは異なる種類のAIによる “二刀流”だ。まず、ChatGPTを使って候補となる文面案を複数生成する。次にこれらの候補をエイピアが独自開発したマーケティング特化のAIが解析、内容を審査して広告効果をスコアリングする。その結果、広告効果が高いとみられるものを選び出して提示する。

システムが提示した広告コピーの選択や手直しは人間が担う。エイピアヘッドオブジャパンの橘浩二氏は「AIをコパイロット(副操縦士)として活用し、最終的な判断は人間が下すことが多い」と述べる。

AIQUAで広告コピーを生成する手順
画4、AIQUAで広告コピーを生成する手順。

橘氏は「あくまでもゼロからイチをつくる作業を支援する。ただつくるだけでなく、良いものを選ぶところまでセットにしているのが強みだ」と説明する。広告コピー文のアイデア出しなど、生み出すための作業時間を短縮することで、コピー文やキャンペーン内容を洗練する作業に労力をかけられるようになり、より良いコピーがつくれる。

同社によると、マーケティングの担当者が最初からつくった文章とAIが生成し選んだ文章でABテストをした結果、AIが生成した文章のほうがコンバージョン率(商談や成約に至った割合)は18%高かったという。

橘氏は現時点では日本語で生成した文章の品質には課題があると話す。「ChatGPTはインターネット上のデータを学習しているため、文字データの量が最大である英語と、それに次ぐ中国語は手直しが要らないレベルで生成する。日本語はデータ量が圧倒的に少なく、生成のクオリティーは落ちる」(同)。まだ人間によるチェックは必要だ。

AIには生み出せない「ゴールデンウイーク」。

エイピアはAIQUAの他に、2点のクラウドサービスの生成AI関連機能を刷新した。1点目は広告キャンペーンの運用を自動化する「AIXPERT(アイエクスパート)」だ。潜在顧客をひき付けるのに効果的なキーワード群を導き出し、効果が高い順に提示する。2点目はクラウド型AIチャットボット「BotBonnie(ボットボニー)」。チャット応答支援システムで顧客対応担当者の業務効率を改善する。同システムとChatGPTを連動させて、トーンや言語、文章の長さを設定すると返信文案を自動的に生成できるようにした。

同社が現在研究に取り組んでいることの1つが、動画や画像の自動生成だ。マーケティングや営業担当者を支援する。現在はデザイナーが画像の候補を複数作成している。ここにかかる労力を減らそうと考えている。

AIによる様々な自動化や効率化の機能を提供する狙いについて、橘氏は人間が創造性を発揮する作業へとより労力を振り向けられるようにするためと強調する。「AIだと『ゴールデンウイーク』のような、思わぬ言葉を結びつけた新しい言葉や文章はつくれない。人間だからこそ発揮できるクリエーティビティーだ」(同)。ChatGPTの基になる言語モデルはこの言葉の次にはこの言葉がくる確率が高い、と推論して読める文章の形に並び替えているにすぎない。「現在のAIのロジックでは、思わぬ言葉をつくり出すのは難しい」とみる。


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