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「Office」トラブル解消法 ③。

〇 消えたツールバーやファイルの保存し忘れ、Officeソフトの「困った」を解消。

Microsoft Officeのソフト(アプリ)を使っていて、クイックアクセスツールバーが消えたり、ファイルの保存先がOneDriveになったりして困ったことはないだろうか。Officeアプリは頻繁に更新され、複数のアプリで連携するため、バージョンアップによって画面表示や初期設定が変わることがある。

また新型コロナウイルス感染拡大などで導入が進んだテレワークでTeamsアプリの利用が増えた。スピーカーやマイク、カメラと連動するアプリなので、機器系のトラブルも多い。

こうしたOfficeアプリやTeamsアプリのトラブルを解消する方法を紹介する。

なお、本特集ではMicrosoft 365 Apps for businessに含まれるアプリを利用して2022年7月に動作を検証した。バージョンや仕様変更などによっては、ここで説明する機能が使えない場合や画面が異なる場合がある。

ツールバーとファイル保存のトラブル。

クイックアクセスツールバーが表示されない。

Officeアプリのアップデートが行われると、アプリの初期設定や外見が変更されることが多い。例えば、アップデートで新機能を有効にしたら「クイックアクセスツールバー」が表示されなくなったといったことが起こる。クイックアクセスツールバーをよく使っていた人がこんな場面に遭遇したら困るだろう。

新しいバージョンのWordに切り替えたら、クイックアクセスツールバーの表示が消えてしまった。ツールバーの「元に戻す」や「繰り返し」のボタンは下のリボンにある「元に戻す」グループにまとめられている
画1、新しいバージョンのWordに切り替えたら、クイックアクセスツールバーの表示が消えてしまった。ツールバーの「元に戻す」や「繰り返し」のボタンは下のリボンにある「元に戻す」グループにまとめられている。

クイックアクセスツールバーを表示するには、明示的に表示させるように設定すればよい。

リボンのタブのすぐ上にある左側の余白部分を右クリックし、「クイックアクセスツールバーを表示する」をクリック。追加された「クイックアクセスツールバーのユーザー設定」をクリックして、追加したいコマンドを選択しよう
画2、リボンのタブのすぐ上にある左側の余白部分を右クリックし、「クイックアクセスツールバーを表示する」をクリック。追加された「クイックアクセスツールバーのユーザー設定」をクリックして、追加したいコマンドを選択しよう。

ファイルを保存し忘れた。

作成・編集途中だったファイルを保存せずに閉じてしまい1日の作業が無駄になった、なんて体験をした人はいないだろうか。Officeアプリでは、ファイルを保存せずに終了してしまった場合でも、自動回復用データによって復元できる可能性がある。「文書の管理」で確認してみよう。

「ファイル」タブの「情報」で表示された画面の「文書の管理」に自動保存されたファイルが表示される。ファイル名をクリックすると、読み取り専用で復元されたファイルが表示される。情報バーの「名前を付けて保存」をクリックして、別名で保存するとよい
画3、「ファイル」タブの「情報」で表示された画面の「文書の管理」に自動保存されたファイルが表示される。ファイル名をクリックすると、読み取り専用で復元されたファイルが表示される。情報バーの「名前を付けて保存」をクリックして、別名で保存するとよい。

自動回復用のデータを確実に残しておくために、設定を確認しておこう。

自動回復用データの設定は「ファイル」タブの「オプション」をクリックして「Wordのオプション」画面を表示する。「保存」の「次の間隔で自動回復用データを~」チェックボックスをオンにし、右のボックスで保存間隔を指定する。下の「保存しないで終了する場合、最後に自動回復された~」チェックボックスをオンにする
画4、自動回復用データの設定は「ファイル」タブの「オプション」をクリックして「Wordのオプション」画面を表示する。「保存」の「次の間隔で自動回復用データを~」チェックボックスをオンにし、右のボックスで保存間隔を指定する。下の「保存しないで終了する場合、最後に自動回復された~」チェックボックスをオンにする。
 

ファイルを上書き保存してしまった。

ファイルを誤って上書き保存してしまったとき、直前の操作であれば「Ctrl」+「Z」キーで元に戻せる。それより前の操作や、2世代前など過去にさかのぼってファイルを復元させたいときは、ファイルのバージョン履歴を使う。ただし、ファイルのバージョン履歴はファイルの保存先にOneDriveを指定していたときに有効になる機能だ。

「ファイル」タブの「情報」の「バージョン履歴」をクリックする。バージョン履歴を有効にするか確認するメッセージが表示されたらOneDriveの保存先をクリックする
画5、「ファイル」タブの「情報」の「バージョン履歴」をクリックする。バージョン履歴を有効にするか確認するメッセージが表示されたらOneDriveの保存先をクリックする。
 
ファイルのバージョン履歴が有効になっていれば、右側に「バージョン履歴」ウィンドウが表示される。戻したいファイルの「バージョンを開く」をクリックする。以前のバージョンのファイルが読み取り専用で表示される。情報バーの「比較」をクリックすると、修正前と修正後の修正点を比較できる。「復元」をクリックすればファイルを復元できる
画6、ファイルのバージョン履歴が有効になっていれば、右側に「バージョン履歴」ウィンドウが表示される。戻したいファイルの「バージョンを開く」をクリックする。以前のバージョンのファイルが読み取り専用で表示される。情報バーの「比較」をクリックすると、修正前と修正後の修正点を比較できる。「復元」をクリックすればファイルを復元できる。
 
左側の「比較」をクリックすると、比較元の文書と変更された文書の変更箇所が分かる。右側は「復元」をクリックすると表示される画面
画7、左側の「比較」をクリックすると、比較元の文書と変更された文書の変更箇所が分かる。右側は「復元」をクリックすると表示される画面。

ファイルのバージョン履歴はOneDriveアプリからも利用できる。

確認するには、該当ファイルの「アクションの表示」をクリックし、「バージョン履歴」をクリックする。右側に表示された「バージョン履歴」の一覧からバージョンを確認し、復元したいファイルの「アクションの表示」をクリックして一覧から「復元」をクリックする
画8、確認するには、該当ファイルの「アクションの表示」をクリックし、「バージョン履歴」をクリックする。右側に表示された「バージョン履歴」の一覧からバージョンを確認し、復元したいファイルの「アクションの表示」をクリックして一覧から「復元」をクリックする。

保存先がOneDriveになってしまう。

ファイルを自分のパソコンのローカルディスクに保存したいのに、保存先に「OneDrive」が指定されてしまうことがある。その都度保存先を指定し直すのは面倒だ。Officeアプリのファイルの保存先は、環境よって「OneDrive」が既定の保存先になっていることがある。オプションの設定から、パソコンのフォルダーを既定の保存先に指定することが可能だ。

保存先を変更するときは「ファイル」タブの「オプション」をクリックし、「Wordのオプション」画面を表示する。「既定でコンピューターに保存する」チェックボックスをオンにして、下の「既定のローカルファイルの保存場所」でパソコン内の保存先を指定する
画9、保存先を変更するときは「ファイル」タブの「オプション」をクリックし、「Wordのオプション」画面を表示する。「既定でコンピューターに保存する」チェックボックスをオンにして、下の「既定のローカルファイルの保存場所」でパソコン内の保存先を指定する。
 
Teamsのトラブル。

カメラとマイクが利用できない。

Teamsでカメラとマイクが利用できないときは、次の点を確認しよう。

      ・OSやTeamsの最新の更新プログラムを適用しているか?

      ・カメラやマイクをほかのアプリが使用していないか?

      ・Teams上でカメラがオフ、マイクがミュートになっていないか?

    ・外部機器の場合は接続が外れていないか?

これらを確認して、問題があれば1つずつ解消していく。

音声が途切れる。

Teamsで音声が途切れるといったようなトラブルは起こりがちだ。重要な会議ほど事前に確認が必要になる。Teamsではテスト通話をしてマイクが正常に使用できるかを確認できる。

会議前に確認したいなら、Teamsアプリの「…」(設定など)をクリックし、「設定」をクリック。表示された「設定」画面の「デバイス」をクリックし、「テスト通話を開始」をクリックする
画10、会議前に確認したいなら、Teamsアプリの「…」(設定など)をクリックし、「設定」をクリック。表示された「設定」画面の「デバイス」をクリックし、「テスト通話を開始」をクリックする。

外部接続機器の性能が発揮されない。

高性能な外部接続機器を使っているのに、カメラの画質やスピーカーの音質が悪いといったことがある。この原因の1つとして、使用する機器が間違えていることが考えられる。外部カメラを使っているつもりが、パソコン内蔵カメラを使っていたというケースだ。

デバイスの設定画面を見てみよう。ここで正しい機器が接続され選択されているかを確認できる。会議中でも可能だ。

会議が始まる前なら「デバイスの設定を開く」をクリックして、右側に表示された「デバイスの設定」ウィンドウを確認する。会議中なら「…」(その他)をクリックし、「デバイスの設定」から同様のウィンドウを表示できる
画11、会議が始まる前なら「デバイスの設定を開く」をクリックして、右側に表示された「デバイスの設定」ウィンドウを確認する。会議中なら「…」(その他)をクリックし、「デバイスの設定」から同様のウィンドウを表示できる。

サービスが正常かを確認したい。

2022年7月にTeamsの大規模な障害が発生した。このときは、チャットやオンライン会議が利用しづらいといったトラブルがあった。

Teamsを含むMicrosoft 365のサービスが正常かどうか確認するには、TwitterのMicrosoft 365公式アカウントの投稿内容を確認するとよい。アカウント名は「@MSFT365Status」。ただし、投稿内容は英語で投稿されているので、理解しにくいときは翻訳ツールなどを使おう。

管理者アカウントを持っていれば、サービスにログインして「Microsoft 365管理センター」で確認できる。

管理者アカウントで入れる「Microsoft 365管理センター」の「サービス正常性」では、Microsoft 365の各種サービスが正常に動作しているかを確認できる。アプリが起動できないなど、何か問題があったときは確認してみよう
画12、管理者アカウントで入れる「Microsoft 365管理センター」の「サービス正常性」では、Microsoft 365の各種サービスが正常に動作しているかを確認できる。アプリが起動できないなど、何か問題があったときは確認してみよう
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