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伽古屋圭市著『なないろ金平糖 いろりの事件帖』感想。味方は猫1匹

伽古屋圭市さんの『なないろ金平糖 いろりの事件帖』あらすじ・感想。
殺人犯相手に猫1匹を味方に立ち向かう。
伽古屋圭市さんは第8回【このミステリーがすごい!】大賞の優秀賞受賞者。


『なないろ金平糖 いろりの事件帖』

著者:伽古屋圭市
発行:株式会社宝島社
  (宝島社文庫)
金平糖


『なないろ金平糖 いろりの事件帖』あらすじ
時は大正---
金平糖の『七ツ堂』の看板娘・七ツ瀬いろりには不思議な力がある。
いろりは、飼い猫ジロと会話ができ、他人の未来や過去を見ることができる。
ある日、母の使いに出てひったくりを目撃したいろりは正義感から犯人を追いかけ、角である少女とぶつかってしまう。
その時に少女の母の形見が自動車の幌の上に乗っかってしまい持ち去られた。
責任を感じたいろりが能力を使って形見を探し、少女・三橋絹の元へ届けたことから絹に慕われるようになる。


かつての同級生はいろりの能力を恐れ、気味悪がり、そしていじめた。
そのいじめの中心人物だった渕田志津がいろりの前に現れ、自分の父親が殺されたのでその犯人を探し出してほしいと頼む。
いじめられた過去を水に流すことはできないが、親が殺されたと聞いては協力しないわけにもいかない。
いろりは犯人捜しを始めるが……。

☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…

『なないろ金平糖 いろりの事件帖』感想

他人の過去や未来を見ることができる能力はほしいと思わないが、猫と話せる能力はほしいと思うニャー=^_^=
ジロは『魔女の宅急便』のジジみたいに常にいろりに寄り添って助けてくれる。
能力のせいで小学校時代にいじめにあったいろりにとって、ジロはとても大事な友達でもあるのだ。


渕田志津は最低の女だ。
いろりをいじめたおしたことなど本当は何とも思っておらず、口先で謝って父親を殺した者を探してほしいと頼む。
私が「ごめんちゃい」と謝ったのだからあなたも昔のことなどなかったことにしなさいよ、てなもんだ。
そんなの傷ついた人間には無理なのに。
そして、悪い人間は反省しない。
実は殺されたのは志津の父親ではない。
志津は、ある目的の為にいろりの能力を利用しようと嘘をついたのだ。


絹になつかれたいろりは、自分の能力を絹に知られないようにしているが、騙し続けていることを心苦しく思う。
気持ち悪いとか思われたくないもんね。
絹を信じて自分の秘密を話そうと決めた矢先、絹がいろりと間違えられて殺人犯・亥之助に誘拐されてしまう。


いろりは絹を必死に探すが、こういう時いろりが頼るのが猫のジロなのだ。
殺人犯相手に猫1匹を味方に立ち向かうってのは無謀すぎる。
いろりの能力は失せ物探しや人捜しには丁度良いが、悪者と対峙するには念動力みたいなものの方が役立つだろうな。


亥之助に殺されそうになったいろりを助けたのは、捨て身になった絹だった。
大正時代とは言え、この場合、絹のしたことはどう処理されたのだろうか。
正当防衛なの?
なんにしても、絹がいろりにとって人間の親友になれたのは良かった。
以上、『なないろ金平糖 いろりの事件帖』感想でした。

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ご訪問ありがとうございました(人´∀`*)

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