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D・インストール著『ロボット・イン・ザ・ガーデン』あらすじ・ネタバレ感想

D・インストール著『ロボット・イン・ザ・ガーデン』あらすじ・ネタバレ感想。
二宮和也さん主演で映画化!(『TANG』2022年8月11日公開)
妻に愛想をつかされた金持ちのニート男が、庭に迷い込んだ壊れかけの旧型ロボットを連れて旅に出る。
イギリスからアメリカ、日本、そしてパラオへの珍道中を経て得たものは……。


『ロボット・イン・ザ・ガーデン』

著者:D・インストール
『ロボット・イン・ザ・ガーデン』 tataraworks
カバーデザイン:重実生哉
カバーイラスト:酒井駒子
発行:株式会社小学館

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『ロボット・イン・ザ・ガーデン』あらすじ・ネタバレ感想


☆。・:*:☆。・:*:☆。・:*:☆。・:*:

『ロボット・イン・ザ・ガーデン』登場人物 

●ベン・チェンバース
 金持ちで引きこもりぎみの無職男

●アクリッド・タング
 庭に迷い込んだ壊れかけのロボット
 製作者がつけた名前はジェイムズ

●エイミー・チェンバース
 ベンの妻だがタングをきっかけに離婚
 法廷弁護士

●ブライオニー
 ベンの姉で弁護し
●デイブ
 ブライオニーの夫

●コーリー・フィールズ
 アンドロイドメーカーのゲーム事業部所属
●リジー・キャッツ
 ヒューストンの宇宙博物館勤務
●カトウ・オーバジン
 人工知能を研究するエキスパート
 リジーとはかつて付き合っていた

●ボリンジャー
 パラオに住む研究者

●ロジャー
 外科医

☆。・:*:☆。・:*:☆。・:*:☆。・:*:

『ロボット・イン・ザ・ガーデン』あらすじ 

ある日、庭に壊れたロボットが迷い込んだ。
弁護士としてバリバリ働いている妻のエイミーは、最新のアンドロイドに興味があっても旧型ロボットに庭に居座られることは迷惑でしかない。
親から譲り受けた家で働きもせず漫然と暮らしている夫のベンにロボットを何とかするようせっつく。
エイミーにとっては壊れたロボットと同じくらい、働かず家事のひとつもやらない夫は苛つく存在なのだ。


しぶしぶロボットと向きあうことになったベンは、ロボットが“タング”という名であること、そして早く作り手を探して修理してもらわねばならない危険な状態だと知る。
ヒントはアメリカにある。
だが、ロボット修理の為にアメリカに行くなどエイミーには了承しかねる行為だ。
ついにエイミーは家を出て、2人は離婚することになる。
妻を失っても、ベンはタングを連れてアメリカへ旅立つのだが……。

☆。・:*:☆。・:*:☆。・:*:☆。・:*:

『ロボット・イン・ザ・ガーデン』ネタバレ感想 

私が購入を迷っているうちに、気づけばシリーズで4冊発行されていた。
結局、二宮和也さんの帯効果に負け購入。
『ロボット・イン・ザ・ガーデン』は、≪胸キュン映画三巨匠≫の一人で少女漫画の映画化と言えばこの人と言っても過言ではない三木孝浩さんが監督し、『TANG タング』のタイトルで映画化、2022年8月11日に公開を控えている。
三木孝浩さんは私の大好きなロバート・A・ハインラインの『夏への扉』も映画化されている。
私が社員食堂で読みながら思わず泣いてしまった池井戸潤さんの『アキラとあきら』の映画も2022年8月26日公開予定よ。
『アキラとあきら』あらすじ・ネタバレ感想⇒こちら


お金はあるくせにやる気スイッチがぶっ壊れたまま無職で34歳になったベン。
妻のエイミーはバリバリの弁護士。
お金に不自由したことがないベンと、努力で今の地位を勝ち取ったエイミーの金銭感覚はずれている。
エイミーはこれみよがしに見せびらかしたいタイプのようで、ベンに苛ついているのも無職の夫が世間に自慢できるアイテムではないからだろう。


世はアンドロイド時代。
家の庭に迷い込んで動かないロボット・タングをエイミーは粗大ゴミに出すようベンに言うが、ベンがタングを修理したいと言いだした為、エイミーは離婚を決意する。
引きこもりのベンは妻に捨てられてもタングの修理を諦めない。
製作者を探してアメリカへ行き、日本へ行き、パラオに飛び、見知らぬ人々との出会いを重ねていく。


ニートおじんさんがなぜタングの為にそこまで行動的になれるのか?
タングは幼児のように駄々をこねたり、アンドロイドより不完全で人間ぽくないところがかえって人間らしく思えるからか?
それより何よりいつ停止してもおかしくないくらいボロボロで急いで修理せにゃならんからだろうか?
一緒にいたら情がわいた、というのが本当のところかな?


タングのAIはベンとの旅行でどんどん情報を増やし、いかにも機械的だった旧型ロボットは人間の子供程度に成長する。
それにともないベンはまるで父親のようにタングと接するようになる。
本当の父親になるトレーニングのようだ。
もしかして、父親化したベンはエイミーとよりを戻すのだろうかと思った矢先、エイミーが離婚して1カ月も経たないうちに新しい夫をめっけていることに驚いた。
ご自慢アイテムに相応しい外科医の男だ。
これで私は、ますますエイミーを嫌いになった。
この女、金とステイタスしか興味ないんかーい!(`Д´)


しかも、エイミーは妊娠していた。
ベンと夫婦だった頃、外科医とも付き合っていてどっちの子か分からない。
いかにもベンに問題ありのていで家を出たエイミーだが、浮気をしていたならベンの方こそ慰謝料をもらえるのでは?


子供らしく駄々をこねたり、ちょいちょいふざけたり、妊娠しているエイミーを気遣ったりとタングのAIはどんどん進化する。
ベンとタングが泊まったカリフォルニアのホテルの話を読みながら、清水玲子さんの漫画を思い出した。
ヒューマノイドのジャックとエレナの物語。
ジャックとエレナの設定は緻密だった。
あれに比べたら、著者のD・インストールさんがあとがきで書いているようにタングの動力など設定はふんわりしている。
でも、そこは重要ではない。
ダメ男とダメな家族の再生の物語でもあるから。

☆。・:*:☆。・:*:☆。・:*:☆。・:*:

ご訪問ありがとうございました(人´∀`*)

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