応援演説中の安倍元首相銃撃 ご冥福をお祈りいたします

本日、奈良市大和西大寺駅付近で午前11時30分頃、応援演説中の安倍元首相が銃撃されました。
……残念ながらお亡くなりになりました。
ご冥福をお祈りいたします。

私たち日本人が「平和ぼけ」して暢気にしていられたのは、こういう事が絶対に起こらない国だと信じ込んでいたからです。
しかし、絶対に起こるはずもない事が起きてしまいました。
果たして、これを“蛮行”という言葉で片付けていいものでしょうか？

蛮行とは、「野蛮な行為」「無教養で乱暴な行い」という意味があります。
確かに、その場で取り押さえられた山上徹也（41）容疑者は「安倍元首相に不満があり殺そうと思って狙った」と言う主旨の供述をしているそうなので、そんな陳腐な発想でこんな事をやらかしたなら馬鹿野郎です。
コロナだろうが不景気だろうが、安心・安全を信じて平和ぼけしていられた我々一般人も、今後大きな不利益を被るかもしれません。
このご時世にほころびを内外に知らしめることになろうとは。
そういう意味では、本当に後も先も考えていない愚行でしょう。

山上徹也という人物は奈良市在住で、2005年頃まで３年ほど海上自衛隊で勤務していたそうです。
銃を手製できる知識があったわけです。
演説を始めた安倍さんの斜め後ろまでゆっくり近づき発砲。
１発目で振り返った安倍さんに容疑者は更に歩み寄り、２発目を発砲。
これで安倍さんは倒れます。
山上容疑者は逃げもせずその場で取り押さえられました。
今の段階で分かっているのは陳腐な供述だけで、山上という人がどういう背景を背負った人物かは分かっていません。

これまでにも要人が襲われることはありましたが、犯人は右翼とか暴力団員で本物の拳銃を使用していました。
「安倍元首相への政治信条への恨みではない」ということから、何の背景も持たない人物が思いつきでこんな真似をしたのなら、それを許してしまう状況を作り出した警察は批判を受ける事になるでしょう。
とは言え、元々安倍さんは長崎に行く予定でした。
それが、昨日急遽奈良行きが決まった為に、十分な警備計画が立てられなかったのかもしれません。
ありえないほどスキだらけの警備状況でしたから。

現場には、奈良県警の警察官と警視庁のＳＰがいました。
ＳＰ（セキュリティポリス）は、徳島県出身の第66代内閣総理大臣だった三木武夫さんが、佐藤栄作元首相の国民葬の席で大日本愛国党の党員に顔を殴られるという事件が起きたことから作られた組織です。
当時も護衛の警察官はいましたが、暴漢への対応が遅れ、無様をさらしたことから、警視庁は要人警護組織を作ったわけです。

しかし、今回の事件の映像を見る限り、確実に安倍さんに歩み寄っている容疑者に警察関係者が気づいているようには見えません。
安倍さんの背後には聴衆が立てないようにしていたらしいです。
が、容疑者が元自衛官で警察官に気づかれないよう動けるスキルがあったのか、居ないはずの場所に入り込まれたことは、警察の落度と言われても仕方がないかもしれません。
突然行き先が変更になったこと、党のＳＮＳで行き先を発信しまくったこと、現役総理ではないからＳＰの数が減ったことなど、いろいろ悪条件が重なってこういう事件に繋がったのかもしれません。

それでも、日本の警察の完全敗北をさらしたことには違いありません。
なにせ１発目の発砲で、飛びかかっていっていなかったのですから。
２発目で安倍さんが倒れてからやっと動いたわけですから、責任者が退職するとか、そういう低レベルな問題ではないとんでもない結果を招いてしまったわけです。

山上が住んでいたマンションの住人の方々も不安なことでしょう。
ひょっとしたら爆発物があったかもしれないと考えると背筋が凍る思いでしょう。
何も分からない状況ですが、この国は悪い方へ変わってしまっていたのだ、ということはひしひしと感じました。
「平和ぼけ」していられる気楽な日本は幻想で、この国は結構怖い状況にとっくに陥っているのかもしれません。
模倣犯が出るとか、様々心配事について考えると、恐ろしさに気持ちが悪くなってきました。

【流れ】

11：29　演説開始
11：30　銃撃

11：31　消防へ通報
11：37　救急隊現場に到着
11：54　現場から搬送

12：09　ドクターヘリで搬送
12：20　奈良県立医科大学付属病院到着
17：03　死亡