白川紺子さんの〖契約結婚はじめました。~椿屋敷の偽夫婦~〗全5巻のあらすじとネタバレ感想まとめ。
小説家の篠沢柊一はとある理由から19歳の家出娘・香澄さんと契約結婚をする。
そんな2人の物語を語るのは《椿屋敷》と呼ばれる家。
柊一の弟・檀をメインにした《すみれ荘》の話も入っていて1冊で2倍楽しめる。
小説家の篠沢柊一はとある理由から19歳の家出娘・香澄さんと契約結婚をする。
そんな2人の物語を語るのは《椿屋敷》と呼ばれる家。
柊一の弟・檀をメインにした《すみれ荘》の話も入っていて1冊で2倍楽しめる。
〖契約結婚はじめました。~椿屋敷の偽夫婦~〗全5巻
著者:白川紺子
カバーイラスト:わみず
カバーデザイン:関 静香(woody)
発行:株式会社集英社
(集英社オレンジ文庫)
カバーイラスト:わみず
カバーデザイン:関 静香(woody)
発行:株式会社集英社
(集英社オレンジ文庫)
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〖契約結婚はじめました。~椿屋敷の偽夫婦~〗全5巻あらすじと感想
☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…
〖契約結婚はじめました。〗主な登場人物
●語り担当:寿町4丁目1番地《椿屋敷》ときどき《すみれ荘》
●篠沢柊一(しのざわ・しゅういち)
《椿屋敷》の主で27歳の小説家
通称「若隠居」
●香澄(かすみ)
あらゆる家事をこなす柊一の妻・19歳
利害が一致して柊一と契約結婚
●すみれさん
《すみれ荘》の大家でバーの店主
柊一の叔父で本名は和義(かずよし)
●篠沢 檀(しのざわ・まゆみ)
柊一の弟で21歳の大学生
絢のことが苦手
●篠沢美幸(しのざわ・みゆき)
柊一の育ての母で檀の実母
●絢(あや)
《すみれ荘》の住人
すみれさんの店のバーテンダー
2巻で素性が判明
柊一の育ての母で檀の実母
●絢(あや)
《すみれ荘》の住人
すみれさんの店のバーテンダー
2巻で素性が判明
●鷲尾晶紀(わしお・あきのり)
晶お兄ちゃん。税理士
3巻で《すみれ荘》に引っ越す
●鷲尾笙子(わしお・しょうこ)
香澄の両親の大学時代の友人
香澄を引き取って育てる
香澄と晶紀の結婚を望んでいた
●尾川歩美(おがわあゆみ)
絢の友人で1巻では《椿屋敷》で大暴れ
●鷲尾笙子(わしお・しょうこ)
香澄の両親の大学時代の友人
香澄を引き取って育てる
香澄と晶紀の結婚を望んでいた
●尾川歩美(おがわあゆみ)
絢の友人で1巻では《椿屋敷》で大暴れ
●檀の友達・廣田くん
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〖契約結婚はじめました。〗あらすじ・感想
●あらすじ
「わたし、家事は得意ですから、なんでもします。その見返りにここに置いてくださったら、ほかにはなにもいりません。あなたのお邪魔もしません」(14ページ)
《椿屋敷》の若隠居・篠沢柊一(しのざわ・しゅういち)は、縁談話を断り続けてきたにもかかわらず、ある日突然結婚した。
妻の香澄(かすみ)は19歳。
働き者であらゆる家事をこなし、特に料理が絶品だった。
柊一はご近所の相談事や困り事を解決しつつ香澄と豊かな時間を過ごす。
だが、柊一の弟・檀(まゆみ)は、香澄が財産目当てで兄と結婚したと疑う。
そして、香澄の育ての親に居所が知られ「許嫁」だと言う男が椿屋敷を訪れる。
「わたし、家事は得意ですから、なんでもします。その見返りにここに置いてくださったら、ほかにはなにもいりません。あなたのお邪魔もしません」(14ページ)
《椿屋敷》の若隠居・篠沢柊一(しのざわ・しゅういち)は、縁談話を断り続けてきたにもかかわらず、ある日突然結婚した。
妻の香澄(かすみ)は19歳。
働き者であらゆる家事をこなし、特に料理が絶品だった。
柊一はご近所の相談事や困り事を解決しつつ香澄と豊かな時間を過ごす。
だが、柊一の弟・檀(まゆみ)は、香澄が財産目当てで兄と結婚したと疑う。
そして、香澄の育ての親に居所が知られ「許嫁」だと言う男が椿屋敷を訪れる。
●1巻の椿
【水曜日の魔女】
緋縮緬(ひぢりめん)
紅乙女(こうおとめ)
杵築日の丸(きづきひのまる)
【月の光】
卜伴(ぼくはん)別名月光(がっこう)
【花いくさ】
小夜侘助(さよわびすけ)
紅嵐(べにあらし)
【追憶の椿】
光源氏、ルック・アウェイ
【水曜日の魔女】
緋縮緬(ひぢりめん)
紅乙女(こうおとめ)
杵築日の丸(きづきひのまる)
【月の光】
卜伴(ぼくはん)別名月光(がっこう)
【花いくさ】
小夜侘助(さよわびすけ)
紅嵐(べにあらし)
【追憶の椿】
光源氏、ルック・アウェイ
●感想
語りが《椿屋敷》と呼ばれる”家”なのが斬新だと思う。
ほんのりしみるヒューマンストーリーで椿を絡めたコージーミステリーでもある。
椿がたくさん咲き乱れる庭に佇む着流しの美青年なんて絵も想像すると楽しい。
養子である柊一は、ある理由から家族と離れ隠居用の屋敷に1人で暮らしている。
香澄も兄妹同然で育った晶紀との結婚話が持ち上がり、このまま一緒には暮らせないと判断して鷲尾家を飛び出した。
帰る所がない2人が利害が一致して契約結婚をしたのだが、2人でいるとほのぼのとしたとても柔らかい空気が流れている。
香澄の育ての親・鷲尾笙子は2人の結婚を認めたくなくて柊一に期限を切って課題を出し、柊一がそれに取り組んでいる間、香澄を鷲尾家に連れて帰る。
偽夫婦と言っても何ヶ月も一緒に暮らせば情がわくというものだ。
香澄は柊一のことが気になって仕方ないし、いつもきちんとした柊一は身の回りのことを片付ける気力もなくなる。
離れている間の2人の様子がキュンとくる。
白川紺子さんの小説は品が良い。
少々乱暴なことを言う男の子が登場したとしても全く品が悪くならない。
ちっとも嫌な気分にならない。
読んでいてほっとするし、読んでいる自分も品が良くなったような気がする。
相手に負担をかけないような飾らない心遣いや言葉の使い方など真似したくなる。
語りが《椿屋敷》と呼ばれる”家”なのが斬新だと思う。
ほんのりしみるヒューマンストーリーで椿を絡めたコージーミステリーでもある。
椿がたくさん咲き乱れる庭に佇む着流しの美青年なんて絵も想像すると楽しい。
養子である柊一は、ある理由から家族と離れ隠居用の屋敷に1人で暮らしている。
香澄も兄妹同然で育った晶紀との結婚話が持ち上がり、このまま一緒には暮らせないと判断して鷲尾家を飛び出した。
帰る所がない2人が利害が一致して契約結婚をしたのだが、2人でいるとほのぼのとしたとても柔らかい空気が流れている。
香澄の育ての親・鷲尾笙子は2人の結婚を認めたくなくて柊一に期限を切って課題を出し、柊一がそれに取り組んでいる間、香澄を鷲尾家に連れて帰る。
偽夫婦と言っても何ヶ月も一緒に暮らせば情がわくというものだ。
香澄は柊一のことが気になって仕方ないし、いつもきちんとした柊一は身の回りのことを片付ける気力もなくなる。
離れている間の2人の様子がキュンとくる。
白川紺子さんの小説は品が良い。
少々乱暴なことを言う男の子が登場したとしても全く品が悪くならない。
ちっとも嫌な気分にならない。
読んでいてほっとするし、読んでいる自分も品が良くなったような気がする。
相手に負担をかけないような飾らない心遣いや言葉の使い方など真似したくなる。
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〖契約結婚はじめました。2〗あらすじ・感想
●あらすじ
27歳で「若隠居」と呼ばれる篠沢柊一の元にはご近所の困り事の相談が舞い込む。
妻の香澄の料理やお菓子はそんな相談者の心をほわっとあたためる。
柊一の元カノでさえも。
だが、本当はこの2人こそ大きな問題を抱えている偽夫婦だ。
最近では2人の関係に気づいた柊一の養母・美幸が《椿屋敷》に押しかけてくる。
そして、香澄と兄妹同然で育った鷲尾晶紀がついに柊一に宣戦布告する。
27歳で「若隠居」と呼ばれる篠沢柊一の元にはご近所の困り事の相談が舞い込む。
妻の香澄の料理やお菓子はそんな相談者の心をほわっとあたためる。
柊一の元カノでさえも。
だが、本当はこの2人こそ大きな問題を抱えている偽夫婦だ。
最近では2人の関係に気づいた柊一の養母・美幸が《椿屋敷》に押しかけてくる。
そして、香澄と兄妹同然で育った鷲尾晶紀がついに柊一に宣戦布告する。
●2巻の椿
【花の子】
暁香(あかつきのかおり)、桃子
【黄金を君に捧ぐ】
緋縮緬、古金襴(こきんらん)、黄花椿
【星はいざなう】
日本錦(やまとにしき)、明星、燦々
【花の子】
暁香(あかつきのかおり)、桃子
【黄金を君に捧ぐ】
緋縮緬、古金襴(こきんらん)、黄花椿
【星はいざなう】
日本錦(やまとにしき)、明星、燦々
●感想
〖契約結婚はじめました。2 ~椿屋敷の偽夫婦~〗では柊一の過去の話が切ない。
「ほんとうなら、おまえはもう用なしなんだ。それをお情けで置いてもらってるんだぞ」(74ページ)。
檀が生まれ、小学生になったばかりの柊一に親戚の者がそう告げた。
柊一を頼って集まってくる人はたくさんいるけれど、柊一本人はさして心を開いていないし通り一遍のつきあいしかしていない。
どれだけ人が集まっても彼は寂しい人だ。
柊一を育てた美幸は彼が子どもの頃から抱いている孤独に気づいている。
けれど、様子見をしているうちに香澄の存在に安堵するようになる。
柊一が思う以上に美幸は柊一の母親なのだ。
ところで、なぜ元カノというのは“私だけが知っている彼”アピールをしないと気が済まないのだろう。
「柊一くん、海老フライみたいなのも食べるの?洋食は嫌いでしょう?」(174ページ)
などと言わなくていいことを妻に言う。
でも、柊一はメンチカツだって食べるし「スコッチエッグが食べたいな」なんておねだりを香澄にしている。
〖契約結婚はじめました。2 ~椿屋敷の偽夫婦~〗では柊一の過去の話が切ない。
「ほんとうなら、おまえはもう用なしなんだ。それをお情けで置いてもらってるんだぞ」(74ページ)。
檀が生まれ、小学生になったばかりの柊一に親戚の者がそう告げた。
柊一を頼って集まってくる人はたくさんいるけれど、柊一本人はさして心を開いていないし通り一遍のつきあいしかしていない。
どれだけ人が集まっても彼は寂しい人だ。
柊一を育てた美幸は彼が子どもの頃から抱いている孤独に気づいている。
けれど、様子見をしているうちに香澄の存在に安堵するようになる。
柊一が思う以上に美幸は柊一の母親なのだ。
ところで、なぜ元カノというのは“私だけが知っている彼”アピールをしないと気が済まないのだろう。
「柊一くん、海老フライみたいなのも食べるの?洋食は嫌いでしょう?」(174ページ)
などと言わなくていいことを妻に言う。
でも、柊一はメンチカツだって食べるし「スコッチエッグが食べたいな」なんておねだりを香澄にしている。
柊一は、香澄が作るなら洋食だって何だっておいしく食べるのだ。
柊一の人生でおねだりとは、これくらいなら相手も満足してちょうど良かろうと計算してするものだった。
養子であるがゆえ欲しがりすぎず執着もせず、だけど遠慮していると親に思わせない程度におねだりをする。
そんな柊一だが、香澄には無意識に甘えているようだ。
柊一が子供の頃から甘えるふりをしていることに気づいていた美幸だって、香澄には甘えられる柊一の様子が嬉しいに違いない。
103ページで美幸から香澄にこう言う。
「あの子のそばに、ずっといてあげてちょうだいね」
「あの子はさびしい子だから」
養子だと知ってから、柊一には家族と埋められない溝ができてしまった。
そんな柊一が香澄と夫婦ごっことは言え椿屋敷で穏やかに暮していることは美幸にとっても嬉しいことだろう。
そうでなければ美幸は力業で離婚させるつもりだったから。
柊一と香澄が2人でカルメラを作っている姿など美幸に見てほしいわ。
なお、この巻で絢の苗字と素性が判明する。
柊一の人生でおねだりとは、これくらいなら相手も満足してちょうど良かろうと計算してするものだった。
養子であるがゆえ欲しがりすぎず執着もせず、だけど遠慮していると親に思わせない程度におねだりをする。
そんな柊一だが、香澄には無意識に甘えているようだ。
柊一が子供の頃から甘えるふりをしていることに気づいていた美幸だって、香澄には甘えられる柊一の様子が嬉しいに違いない。
103ページで美幸から香澄にこう言う。
「あの子のそばに、ずっといてあげてちょうだいね」
「あの子はさびしい子だから」
養子だと知ってから、柊一には家族と埋められない溝ができてしまった。
そんな柊一が香澄と夫婦ごっことは言え椿屋敷で穏やかに暮していることは美幸にとっても嬉しいことだろう。
そうでなければ美幸は力業で離婚させるつもりだったから。
柊一と香澄が2人でカルメラを作っている姿など美幸に見てほしいわ。
なお、この巻で絢の苗字と素性が判明する。
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〖契約結婚はじめました。3〗あらすじ・感想
●あらすじ
柊一に宣戦布告して以来、晶紀が《椿屋敷》を訪れる回数が増え、とうとう《椿屋敷》の裏の《すみれ荘》に引っ越してくる。
柊一は面白くない。
ある日、すみれさんに柊一と香澄の不自然なやり取りを聞かれてしまい、2人が偽夫婦であることを知られてしまう。
騙されたことに憤るすみれさんが《椿屋敷》から足が遠のいたことで、柊一と香澄はお詫びのつもりで金漁葉椿をプレゼントしようとする。
ところが、その椿をすみれさんは「好きじゃない」と言い……。
柊一に宣戦布告して以来、晶紀が《椿屋敷》を訪れる回数が増え、とうとう《椿屋敷》の裏の《すみれ荘》に引っ越してくる。
柊一は面白くない。
ある日、すみれさんに柊一と香澄の不自然なやり取りを聞かれてしまい、2人が偽夫婦であることを知られてしまう。
騙されたことに憤るすみれさんが《椿屋敷》から足が遠のいたことで、柊一と香澄はお詫びのつもりで金漁葉椿をプレゼントしようとする。
ところが、その椿をすみれさんは「好きじゃない」と言い……。
●3巻の椿
【秘花】
白乙女(はくおとめ)、墨染(すみぞめ) 染川(そめかわ)
【家宅の恋】
黒龍(こくりゅう)、関西黒龍、
獅子頭(ししがしら)=山茶花
【金魚は忘れない】
金魚葉椿(きんぎょばつばき)
深山の光(みやまのひかり)
【秘花】
白乙女(はくおとめ)、墨染(すみぞめ) 染川(そめかわ)
【家宅の恋】
黒龍(こくりゅう)、関西黒龍、
獅子頭(ししがしら)=山茶花
【金魚は忘れない】
金魚葉椿(きんぎょばつばき)
深山の光(みやまのひかり)
●感想
大学時代は実家を出て1人暮らしをしていた柊一は無愛想だったらしい。
無愛想な柊一が本来の柊一なのだろう。
養子であること知ってしまった為、大人達の前では愛想が良く利発な良い子を演じていたのだろうな。
嫌われないように邪魔にされないように、そして見捨てられないように……。
柊一の愛想の良さは、他人に弱みを見せない防衛手段のようなものかもしれない。
そうやって演じ続けていたから、1人暮らしをしている間は、柊一いわく気が抜けていた状態で素が出ていたのだろう。
そんなだから柊一は人前で不快な感情をあらわにしたりしない。
だが、香澄がからむといつものにこやかな表情が崩れる。
親戚のすみれさんでも不機嫌顏の柊一を見たことはない為、晶紀の引っ越しでぶすっとしている柊一を見て驚く。
柊一は意外に意地が悪い。
晶紀に対しては、香澄に悟られない程度に感じが悪い態度で嫌味だったりもする。
晶紀が自分に好意を抱いているとは全く思ってもいない香澄は、柊一が晶紀を「お義兄さん」と呼ぶのも気にしない。
「お義兄さん」だなんて柊一に呼ばれるのは晶紀にとっちゃこれ以上はないほど腹立たしいことだし、そうであることを柊一は重々承知の上でわざと呼んでいるのだからいい根性をしている。
でも、こういう柊一が私は好きだ。
誰にでも愛想が良いなんて不自然だもの。
3巻の柊一は読んでてちょっとドキドキするほど香澄へアプローチをしているけれど、香澄は恋愛に対して超~ニブイ。
香澄だって柊一のことが好きなことは好きなんだけど、これが恋なんだというところに想いが至らない。
前途多難である。
57ページで香澄が焼いたクッキーが冷めるのを待つ柊一が可愛い( ´艸`)
大学時代は実家を出て1人暮らしをしていた柊一は無愛想だったらしい。
無愛想な柊一が本来の柊一なのだろう。
養子であること知ってしまった為、大人達の前では愛想が良く利発な良い子を演じていたのだろうな。
嫌われないように邪魔にされないように、そして見捨てられないように……。
柊一の愛想の良さは、他人に弱みを見せない防衛手段のようなものかもしれない。
そうやって演じ続けていたから、1人暮らしをしている間は、柊一いわく気が抜けていた状態で素が出ていたのだろう。
そんなだから柊一は人前で不快な感情をあらわにしたりしない。
だが、香澄がからむといつものにこやかな表情が崩れる。
親戚のすみれさんでも不機嫌顏の柊一を見たことはない為、晶紀の引っ越しでぶすっとしている柊一を見て驚く。
柊一は意外に意地が悪い。
晶紀に対しては、香澄に悟られない程度に感じが悪い態度で嫌味だったりもする。
晶紀が自分に好意を抱いているとは全く思ってもいない香澄は、柊一が晶紀を「お義兄さん」と呼ぶのも気にしない。
「お義兄さん」だなんて柊一に呼ばれるのは晶紀にとっちゃこれ以上はないほど腹立たしいことだし、そうであることを柊一は重々承知の上でわざと呼んでいるのだからいい根性をしている。
でも、こういう柊一が私は好きだ。
誰にでも愛想が良いなんて不自然だもの。
3巻の柊一は読んでてちょっとドキドキするほど香澄へアプローチをしているけれど、香澄は恋愛に対して超~ニブイ。
香澄だって柊一のことが好きなことは好きなんだけど、これが恋なんだというところに想いが至らない。
前途多難である。
57ページで香澄が焼いたクッキーが冷めるのを待つ柊一が可愛い( ´艸`)
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〖契約結婚はじめました。4〗あらすじ・感想
●あらすじ
《椿屋敷》の若隠居・篠沢柊一のもとには困り事や相談事がよく持ち込まれる。
時々厄介な客も訪れる為、《すみれ荘》に越してきた鷲尾晶紀はいろんな意味で香澄の身を案じてしょっちゅう様子を見に来る。
晶紀とは香澄を巡ってライバル関係にある柊一は面白くない。
そんなある日、香澄は高校時代の友達と旅行に出かける。
家には柊一ひとりのはずが、晶紀と柊一の担当編集者・二本松がやって来て台風だから泊まっていくと言う。
男3人でカレーを作ったり、二本松の思い出話を聞いたりと何だか妙なことに……。
●4巻の椿
【白雨の便り】
夏椿(※正確には椿ではない)
【蛍火】
蛍雪(けいせつ)、朧月(ろうげつ)、花車(はなぐるま)
大城冠(だいじょうかん)、
中部玉手箱(ちゅうぶたまてばこ)、
中部五色椿(ちゅうぶごしきつばき)
【夏の幻】
深山の光、紅荒獅子(べにあらじし)
【月の横顔】
西王母(せいおうぼ)
●感想
柊一と香澄はお互い両思いなのだが、本人同士はそう思っていない。
特に香澄はやっと二十歳になったばかりで、どうにも恋愛に関しては疎い。
晶紀に負けじとわりと積極的にアピールしている柊一だが、香澄には通じない。
そんな香澄が旅行に出掛け、友達に偽夫婦であることがバレてしまう。
友達は、きっかけはともかく香澄が柊一のことを好きになったのだから結果オーライだと判断する。
だが、それが香澄にとっては処理しきれない情報となってしまう。
美幸にしてもすみれさんにしても、柊一と香澄を見守ると決めているので余計な事は言うまいと黙っている。
もちろん柊一に対しても「香澄さんはあなたのことが好きよ」なんて教えない。
特にすみれさんは香澄から柊一のことで相談を受けているのに黙ってる。
偉いわ~、私だったらベラベラ喋っちゃう。
【夏の幻】では香澄が旅行に出掛けているので、柊一、晶紀、二本松の男3人の様子が描かれている。
二本松さんはどれだけ柊一に渋面を見せられようとも挫けないし気にしない。
きっと柊一との付き合いは二本松さんくらい図太いくらいでちょうどいいのだ。
二本松さんが間にいたせいか、柊一は晶紀に対しても敬語をやめ無愛想で横柄な態度を隠さなくなる。
柊一にとって晶紀は恋のライバルではあるけれど、素で喋れる貴重な相手だ。
この巻では、柊一が書く小説のジャンルが判明した。
柊一…ホラー小説家だった…(~_~;)
純文学でも書いているのかと思いきや、着流し姿でホラー書いてたんだな。
柊一は表面上は好青年だけど内面は憂いと翳をまとっているからなぁ。
ホラー…うん、合ってるかも。
さて、【月の横顔】ではとうとう香澄が柊一を……( ´艸`)
169ページから170ページの2人の空気がとても良い、うんうん。
4巻はニヤニヤさせられた。
柊一の弟・檀とすみれ荘の住人・絢の関係も進展あり。
1巻で婚約者と親友が駆け落ちしてしまい、椿屋敷で大暴れした絢の友達・歩美もやっと報われる恋が出来そう。
《椿屋敷》の若隠居・篠沢柊一のもとには困り事や相談事がよく持ち込まれる。
時々厄介な客も訪れる為、《すみれ荘》に越してきた鷲尾晶紀はいろんな意味で香澄の身を案じてしょっちゅう様子を見に来る。
晶紀とは香澄を巡ってライバル関係にある柊一は面白くない。
そんなある日、香澄は高校時代の友達と旅行に出かける。
家には柊一ひとりのはずが、晶紀と柊一の担当編集者・二本松がやって来て台風だから泊まっていくと言う。
男3人でカレーを作ったり、二本松の思い出話を聞いたりと何だか妙なことに……。
●4巻の椿
【白雨の便り】
夏椿(※正確には椿ではない)
【蛍火】
蛍雪(けいせつ)、朧月(ろうげつ)、花車(はなぐるま)
大城冠(だいじょうかん)、
中部玉手箱(ちゅうぶたまてばこ)、
中部五色椿(ちゅうぶごしきつばき)
【夏の幻】
深山の光、紅荒獅子(べにあらじし)
【月の横顔】
西王母(せいおうぼ)
●感想
柊一と香澄はお互い両思いなのだが、本人同士はそう思っていない。
特に香澄はやっと二十歳になったばかりで、どうにも恋愛に関しては疎い。
晶紀に負けじとわりと積極的にアピールしている柊一だが、香澄には通じない。
そんな香澄が旅行に出掛け、友達に偽夫婦であることがバレてしまう。
友達は、きっかけはともかく香澄が柊一のことを好きになったのだから結果オーライだと判断する。
だが、それが香澄にとっては処理しきれない情報となってしまう。
美幸にしてもすみれさんにしても、柊一と香澄を見守ると決めているので余計な事は言うまいと黙っている。
もちろん柊一に対しても「香澄さんはあなたのことが好きよ」なんて教えない。
特にすみれさんは香澄から柊一のことで相談を受けているのに黙ってる。
偉いわ~、私だったらベラベラ喋っちゃう。
【夏の幻】では香澄が旅行に出掛けているので、柊一、晶紀、二本松の男3人の様子が描かれている。
二本松さんはどれだけ柊一に渋面を見せられようとも挫けないし気にしない。
きっと柊一との付き合いは二本松さんくらい図太いくらいでちょうどいいのだ。
二本松さんが間にいたせいか、柊一は晶紀に対しても敬語をやめ無愛想で横柄な態度を隠さなくなる。
柊一にとって晶紀は恋のライバルではあるけれど、素で喋れる貴重な相手だ。
この巻では、柊一が書く小説のジャンルが判明した。
柊一…ホラー小説家だった…(~_~;)
純文学でも書いているのかと思いきや、着流し姿でホラー書いてたんだな。
柊一は表面上は好青年だけど内面は憂いと翳をまとっているからなぁ。
ホラー…うん、合ってるかも。
さて、【月の横顔】ではとうとう香澄が柊一を……( ´艸`)
169ページから170ページの2人の空気がとても良い、うんうん。
4巻はニヤニヤさせられた。
柊一の弟・檀とすみれ荘の住人・絢の関係も進展あり。
1巻で婚約者と親友が駆け落ちしてしまい、椿屋敷で大暴れした絢の友達・歩美もやっと報われる恋が出来そう。
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〖契約結婚はじめました。5〗あらすじ・感想
●あらすじ
柊一への気持ちを確信した香澄だったが、今の状態の心地良さが壊れるのを恐れてどうしたらいいのか思い悩む。
すみれさんは香澄の気持ちを聞いて、無理せず自然に任せたらいいとアドバイスする。
以前、香澄の誕生日を忘れるというしくじりをした柊一は、結婚記念日にはお祝いで伊豆か熱海あたりに旅行しようと提案する。
しかし、香澄が当惑しているのを見てすっと引いてしまう。
ある日、香澄は福引きでおこめ券を当てる。
《椿屋敷》には晶紀が来ていて、香澄はご飯を食べながら温泉旅行が当たったらという「もしも話」をする。
香澄は、温泉旅行が当たれば柊一と晶紀で行けると楽しげに言うのだが……。
香澄と旅行に行きたいと言っていた柊一は、香澄の発言に完全に拗ねてしまう。
椿屋敷を訪れては柊一と香澄を観察していた晶紀はある決断をする。
その決断により、柊一も変わらねばならないことを受入れ、香澄に現在の偽夫婦関係を考え直そうと持ちかけるのだが……。
柊一への気持ちを確信した香澄だったが、今の状態の心地良さが壊れるのを恐れてどうしたらいいのか思い悩む。
すみれさんは香澄の気持ちを聞いて、無理せず自然に任せたらいいとアドバイスする。
以前、香澄の誕生日を忘れるというしくじりをした柊一は、結婚記念日にはお祝いで伊豆か熱海あたりに旅行しようと提案する。
しかし、香澄が当惑しているのを見てすっと引いてしまう。
ある日、香澄は福引きでおこめ券を当てる。
《椿屋敷》には晶紀が来ていて、香澄はご飯を食べながら温泉旅行が当たったらという「もしも話」をする。
香澄は、温泉旅行が当たれば柊一と晶紀で行けると楽しげに言うのだが……。
香澄と旅行に行きたいと言っていた柊一は、香澄の発言に完全に拗ねてしまう。
椿屋敷を訪れては柊一と香澄を観察していた晶紀はある決断をする。
その決断により、柊一も変わらねばならないことを受入れ、香澄に現在の偽夫婦関係を考え直そうと持ちかけるのだが……。
●5巻の椿
【二匹のねずみ】
四ヶ村(しかむら)、
布宇の里(ふうのさと)
【神さまの花】
七変化椿(しちへんげつばき)別名七福神
【椿屋敷の若夫婦】
深山の光、比咩桜(ひめざくら)、
白牡丹、山百合、朝顔、白菊、小夜侘助
【小春日和】小春日和
【二匹のねずみ】
四ヶ村(しかむら)、
布宇の里(ふうのさと)
【神さまの花】
七変化椿(しちへんげつばき)別名七福神
【椿屋敷の若夫婦】
深山の光、比咩桜(ひめざくら)、
白牡丹、山百合、朝顔、白菊、小夜侘助
【小春日和】小春日和
●感想
晶紀に対する柊一の慇懃な態度が面白い。
柊一は、香澄にバレない程度にチクチクと棘のある言葉を晶紀に投げかける。
柊一にしても今の香澄との生活を壊したくないので、積極的にアピールしつつもあまり強引には攻められないところがある。
ご近所の困り事を解決する老成した青年である柊一が「もしも話」で拗ねてしまう大人げなさを見せる場面は可愛いし、それだけ香澄や晶紀の前では気をゆるしているのだと嬉しくなる。
33ページ~34ページ
「あの、柊一さん。何か怒ってます?」
柊一は味噌汁の椀をテーブルに置いた。
「香澄さんが鈍いのは分かってるけどさ」
「え?」
「僕は前にちゃんと香澄さんと旅行に行きたいって言っているのに、なんでそれを無視して晶紀さんとの旅行をすすめるのかな」
「え、あ」
「僕は晶紀さんと旅行は行かないし、香澄さんとは行きたいよ」
盛大にむくれていた柊一はこの後、香澄に栗蒸し羊羹でなだめられる。
晶紀は《椿屋敷》を訪ねては2人の様子を観察していたようで、ある思いに至る。
そして、48ページで香澄に「彼は臆病で、頭で考えすぎるところがあるから、いざというときにはおまえから動いたほうがいいぞ」とアドバイスする。
晶紀はずっと2人を観察しているうちに、香澄が柊一を男性として意識しているのに対し、晶紀のことはずっとお兄ちゃん扱いである差をひしひしと感じていたのだろう。
柊一は香澄と本当の夫婦になろうと一歩踏み出すが、面倒くさいことを言い始める。
晶紀が香澄に言った通り、柊一は臆病で、頭で考え過ぎる。
好きなら好きでいいじゃない!って思う。
柊一としてはそれでは足りないようだ。
こういう時、腹をくくるのは女の人だ。
香澄は、柊一の気持ちが固まるのをドーンと構えて待つ。
女の人は年齢に関係なく、いざとなったらやっぱり強いなぁと思う。
さて、5巻に関しては、椿屋敷の夫婦の話が半分ほどで、あとの半分はすみれ荘の話だ。
檀と絢のこと、檀の友達の廣田くんのこと、そして晶紀のことが描かれている。
読者が気になっていることは回収される。
晶紀に対する柊一の慇懃な態度が面白い。
柊一は、香澄にバレない程度にチクチクと棘のある言葉を晶紀に投げかける。
柊一にしても今の香澄との生活を壊したくないので、積極的にアピールしつつもあまり強引には攻められないところがある。
ご近所の困り事を解決する老成した青年である柊一が「もしも話」で拗ねてしまう大人げなさを見せる場面は可愛いし、それだけ香澄や晶紀の前では気をゆるしているのだと嬉しくなる。
33ページ~34ページ
「あの、柊一さん。何か怒ってます?」
柊一は味噌汁の椀をテーブルに置いた。
「香澄さんが鈍いのは分かってるけどさ」
「え?」
「僕は前にちゃんと香澄さんと旅行に行きたいって言っているのに、なんでそれを無視して晶紀さんとの旅行をすすめるのかな」
「え、あ」
「僕は晶紀さんと旅行は行かないし、香澄さんとは行きたいよ」
盛大にむくれていた柊一はこの後、香澄に栗蒸し羊羹でなだめられる。
晶紀は《椿屋敷》を訪ねては2人の様子を観察していたようで、ある思いに至る。
そして、48ページで香澄に「彼は臆病で、頭で考えすぎるところがあるから、いざというときにはおまえから動いたほうがいいぞ」とアドバイスする。
晶紀はずっと2人を観察しているうちに、香澄が柊一を男性として意識しているのに対し、晶紀のことはずっとお兄ちゃん扱いである差をひしひしと感じていたのだろう。
柊一は香澄と本当の夫婦になろうと一歩踏み出すが、面倒くさいことを言い始める。
晶紀が香澄に言った通り、柊一は臆病で、頭で考え過ぎる。
好きなら好きでいいじゃない!って思う。
柊一としてはそれでは足りないようだ。
こういう時、腹をくくるのは女の人だ。
香澄は、柊一の気持ちが固まるのをドーンと構えて待つ。
女の人は年齢に関係なく、いざとなったらやっぱり強いなぁと思う。
さて、5巻に関しては、椿屋敷の夫婦の話が半分ほどで、あとの半分はすみれ荘の話だ。
檀と絢のこと、檀の友達の廣田くんのこと、そして晶紀のことが描かれている。
読者が気になっていることは回収される。
☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…
以上、〖契約結婚はじめました。~椿屋敷の偽夫婦~〗感想でした。
ご訪問ありがとうございました(人´∀`*)
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