宮下奈都さんの『羊と鋼の森』のあらすじと感想です。
『羊と鋼の森』は、第13回本屋大賞受賞作品です。
2018年には、山崎賢人さん主演の実写映画が公開されました。
「鋼」というとついつい『鋼の錬金術師』を思い浮かべてしまいます(笑´∀`)
『羊と鋼の森』あらすじ
山育ちの外村は、下宿で1人暮らしをしながら高校に通っている17歳。
ある日、学校にやって来た板鳥を体育館へ案内したことから、調律師の仕事を目の当たりにする。
その場で板鳥の弟子になりたいと申し出るが、調律師の学校をすすめられる。
専門の学校を卒業し、板鳥が働く江藤楽器へ就職して調律師としての一歩を踏み出した外村。
初めて1人で調律を試みて失敗してしまう。
ある日、学校にやって来た板鳥を体育館へ案内したことから、調律師の仕事を目の当たりにする。
その場で板鳥の弟子になりたいと申し出るが、調律師の学校をすすめられる。
専門の学校を卒業し、板鳥が働く江藤楽器へ就職して調律師としての一歩を踏み出した外村。
初めて1人で調律を試みて失敗してしまう。
羊と鋼の森=ピアノ
「ピアノ」と書かないところがセンスがいいなと思った。
羊とは鍵盤を叩くフェルトのこと。
木のピアノは森の香がする音色を奏でる。
まるで生き物のようにを扱っていて、ピアノが生命感にあふれているようだった。
軽やかで美しい文章
調律という専門性が高い職業を扱っているのに、堅苦しさはなく読みやすかった。
一文一文が短くてリズミカル。
短いけれど荒っぽさは感じられない。
むしろ息づかいが丁寧に表現されている。
読みながら「綺麗な文章だな」と思った。
読むほどにピアノへの興味をそそられる。
ラブも胸キュンも謎もない。
派手さがないのに、先へ先へとどんどん読み進みたくなった。
わがままな行動
映画の外村は、壁ドンが代名詞のイケメン俳優・山崎賢人さんが演じている。
ゆえに読む前は派手さをイメージしていた。
でも、外村は真面目を絵に描いたような地味な少年だった。
そんな真面目な男の子が、調律に関しては自分のやりたいことを主張できるようになった時、先輩がひとこと。
「わがままだなあ」
このひとことがもの凄く効いている。
170、171ページの先輩とのやりとりは、主人公が調律師として成長したことが認められたみたいで嬉しくなる。
「わがまま」って言われてるんだけど、良かったねって思った。
自信も才能もなくても
夢も希望も持っていなかった影が薄く、真面目が取り柄の少年・外村が1人の調律師と偶然出会ったことで人生が変わってしまう。
誰の人生にもこれがある。
「ふとしたきっかけ」
後から考えたら「あれかな?」って思う程度のこと。
それが夢になって、その道を選んで必要なことを勉強したり挑戦したりして、「才能」について考えたりして。
小説の中に登場する姉妹も1人はピアノを弾き続けることに挫折する。
外村も調律がうまくいかなかったり、キャンセルされたりする度に「才能」について悩み、自信をなくす。
でも、自信がなくても才能がなくても、歩いて行くしかないんだろうな。
「わがまま」って言われるくらい、譲れないものが心に宿るくらいには、歩くしかない。
仕事は本当に大事だよね。
ご訪問ありがとうございましたm(_ _)m
ご訪問ありがとうございましたm(_ _)m
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