同時とは言っても時差付きなので、極東の日本は世界でも早く発売される国の一つ。
最も早く9月9日を迎える国は南太平洋のキリバス共和国だけど、キリバスに音楽商品がちゃんと行き渡るような流通システムは整っているのかな?
ちなみに、キリバスは地球温暖化による海面上昇で水没の危機に直面していて、全国民の国外移住計画がすすめられているそうな。
閑話休題、このプロジェクトのスタッフによると、
「このリマスタリングには4年もかかっちまったけど、別にこの仕事ばっかりやってた訳じゃねえから、正味1年ぐらいじゃねえかな」(アラン・ローズ)
「作業はぜ~んぜん難しくなかったちゃけど、隅から隅までむっちゃ細かいとこまで聴きこむ人もおるて思うたら、とんでもないことをしとるんやなあて思うたとです」(ガイ・マッセイ)
とのこと(発売記念公開映像より)。
これできっとビートルズの音楽は永遠に残されることになるでしょう。
とは言っても、前にも書いたとおり、スタジオ引きこもり時代の中後期はともかく、初期のナンバーはかえってアラが目立ったりスカスカに聴こえたりするんじゃないかという懸念はある。
実際のところ、音が完全にクリアになることは、彼らの制作時の意図と反するところも多々でてくるではなかろうか。
何せ今から見れば稚拙な機材で「えい、やあ」で作っていた時代のこと。
当時の録音・再生技術だから「こんくらいのミスは分からんやろ」「これ以上やってもしゃーないしね」というところもあったはず(歌詞を間違えたり妙な音が入ったりしても堂々と出してることも多いが)。
初めから高いクオリティで録れる聴けると分かってたら、もっとつめてのに…、という面もあるはずだ。
だから、音がクリアになったからいいとは、一概には言い切れない(もちろん、その辺のところは気をつかってると思うけどね)。
まあ、どんな風に聴こえるかは、聴いてからのお楽しみ。
何より、埋もれていた楽器やコーラスが浮かび上がってくるんではないかというのが何よりも楽しみ。
特に今回初ステレオ化された曲なんか、さらに聴き取りやすくなんてるではないかと思う(マニアのみなさんはオリジナル同様モノで揃えるのではないかと思いますが)。
実際、昨日クルマでFMを流してたら『I Saw Her Standing There』がかかって、ボーカルや楽器が別々に聴こえてきて感心した。
そういう新発見・再発見がたくさんあるんじゃないかということで、不肖・Gもこのたび聖域であるビートルズのレビューに挑んでみることにいたしました。
これまで語り尽くされたことはできるだけおいといて、新発見や再発見、それによってあらたまった認識などをメインにしようと思いますが、何せ繊細な耳も緻密さもマメさも根気もないので、テキトーなものになってしまうことが予想されます。
結局「やっぱビートルズはすげえ」のひとことで済ませてしまうかもしれませんが、なにとぞご了承ください。
とにかく、まずは聴いてみないとね。
まだモノ(といってもステレオ盤)が届いてないんだけど。
(そういう訳で「その1」をアップするのはずいぶん先になると思います)
※コーナータイトルはもちろん中山康樹大先生の『これがビートルズだ』のもじりね。
※誤りがあれば遠慮なくご指摘ください。ただし、ハナから偏見で書きますので、そのへんは御了承を。
※2022年2月13日追記(その12『LET IT BE』にも同様の追記あり):これからさらに20年、映画の撮影からは半世紀の後、人類はコロナというパンデミックに陥り、感染防止のため外出が憚られるなか、暇を持て余した人々は、ついにパンドラの匣を開けた。
ピーター・ジャクソンという映画監督に映像&音声素材を託し、8時間にのぼるドキュメンタリー映画に仕上げ、IMAXという未来のライヴ会場でルーフトップコンサートを実現するという、なんともSFチックな物語を展開したのである。
もう、これでAppleの在庫もいい加減すっからかんになったっちゃないかな?
(つづく?)
CONTENTS
その1『PLEASE PLEASE ME』
その2『WITH THE BEATLES』
その3『A HARD DAY'S NIGHT』
その4『BEATLES FOR SALE』
その5『HELP!』
その6『RUBBER SOUL』
その7『REVOLVER』
その8『SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND』
その9『MAGICAL MYSTERY TOUR』
その10『YELLOW SUBMARINE』
その11『THE BEATLES』
その12『LET IT BE』
その13『ABBEY ROAD』
その14『PAST MASTERS』
エピローグ
おまけ in MONO
おまけ in 1962~1966/1967~1970
いまさら映画『A HARD DAY’S NIGHT』 and 『HELP!』
おまけで映画『Magical Mystery Tour』
おまけで映画『EIGHT DAYS A WEEK - The Touring Years』
おまけで映画『Get Back』
おまけで映画『Looking for Lennon』
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