ビートルズの“最後の”「新曲」？

「Now and Then」さっそく聴いてみた。
Xで「What are your first thoughts?」と聞かれたので考えた。

『アンソロジー 』での「Free as a Bird／Real Love」のときは、感動したし、ジョン以外のメンバーが協力して出来上がったので、ビートルズの延長線上にあると思えた。
でも、今回は、なんだか地味な印象の曲だし、ビートルズの生き残り・ぽ〜ちゃんとリンゴふたりだけで仕上げたもの。

ジョンは果たしてこんな形でリリースされることを望んだだろうか？
たぶん、あくまでソロの作品のデモとして作ってたはずで、こうなるとは思ってもいなかっただろう。

まあ、そう言えば「Free as a Bird／Real Love」もその通りなんだけど、この新曲、もともとはジョンの死の直前に自宅のピアノで弾き語りしたカセットテープで、ぽ〜ちゃんがヨーコから譲り受けたものらしい。

『アンソロジー 』でも採用しようとしたんだけど、ジョージが音質の悪さを理由に拒否したのだとか（ジョージの性格からして、そういうことを言いそう）。
本来ならここでお蔵入りになるはずだったものが、映画『Get Back』でAIを使った音声分離処理技術が注目されて、レノンのボーカルをクリアに取り出すことに成功したと言う。

ギターは『アンソロジー 』で取り上げたときにトライしたジョージのプレイを参考に、ぽ〜ちゃんが再現したものだとか。
まあ、ぽ〜ちゃんは『Chaos and Creation in the Backyard』の「Friends to Go」でジョージの霊が乗り移ったかのようにジョージらしい曲に仕上げてたので、これは許す。

それでもビートルズの１／２が仕上げて、残りの１／２はジョンとAIの合作という曲が、果たしてビートルズの“最後の新曲”なんだろうか。

手放しで喜ぶことはできないなあ。

Now and Then