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雑感録

これがぽ~ちゃんだ その24『McCartney 3』(スペシャル・エディション)


McCartney 3(2020 Paul McCartney)

「またやらかしてしもうた!」
タイトル通り、“McCartney”と名のつくアルバムの3作目。
1作目はビートルズ解散直後、というより解散と同時期に、「ビートルズとは違うんだぞ」ということを見せつけるために。
2作目はウィングス解散直後、というよりウィングスの総決算・ワールドツアー終了後に、「ウィングスではもうやらないぞ」ということを宣言するために。
そして3作目の今回は、ビルボードのチャートで久しぶりに1位を獲得した“Egypt Station”の次に、「もう若くないんだぞ」ということを証明するために。

ちなみに今回のアルバムにはライナーノーツ(?)が付いていて(そのためか、ディスクに歌詞が書き込まれてない! 久しぶりに聴いてみたら、書き込まれてないんじゃなくて、書き込まれてない曲もあるというだけだった)、その裏表紙に“MADE IN ROCKDOWN”と記されている。
要は2019年〜2021年に世界を席巻したコロナ渦中に、外出自粛の「おうち時間」を使って作りましたってことなんだろうけど、どうもぽ〜ちゃんの作品自体がROCKDOWNしてるような気がして、いささか聴くのが辛くなるのだ。
前述のように、何か転機の度に“McCartney”というタイトルのアルバムを出してきたぽ〜ちゃんも、今年で79歳。
CDの裏表紙にはぽ〜ちゃんのデスマスクのような写真が載ってる(おそらくメアリー、あるいは甥のソニーの写真)けど、
「結局McCartney 3が最後のアルバムになったね〜」という縁起でもないことにならないことを祈るばかりである。
なお、「スペシャル・エディション」には「ボーナス・トラック」として4曲のアウトテイクやデモが付いている。

01 Long Tailed Winter Bird
のっけから5分17秒もあるインストロメンタル。若い頃のぽ〜ちゃんなら、インストロメンタルは飽くまでオマケと割り切って、サッと終わらせたはずだ。

02 Find My Way
バタついたドラムにファルセットと地声のユニゾンなど、ぽ〜ちゃんらしいといえばらしい、ポップな1曲。

03 Pretty Boy
これはイカしたポールらしい小品あるいは掌品。“Flaming Pie”収録の`Little Willow’みたいな雰囲気だけど、“New”収録の`Fuh You’っぽい感じもあるかな。違う弦で同じ音を出すギターも気持ちいいし、久しぶりにコピーしてみようかな。

04 Women and Wives
リズムピアノ中心のなんか単調で退屈な曲。幸い、2分52秒で終わる。

05 Lavatory Lil
ヘヴィな曲だけど、直訳したら「便所女リル」(訳詞カードには「尻軽リル」)。それってやばくね? 幸い、2分23秒で終わる。

06 Deep Deep Feeling
不気味な上に8分26秒も続く曲。唯一の救いは最後がアコースティックで爽やかに終わることぐらい。

07 Slidin’
これまた思いっきりヘヴィなサウンドで、唯一の救いは3分23秒でシレッと終わることぐらい。

08 The Kiss of Venus
これは打って変わって全編ファルセットの儚くも美しい曲。小品/掌品と呼べるくらい短くまとめていればいい作品だったのに…。女声コーラスみたいに聞こえるアレもぽ〜ちゃんの声なのかな?これもクセのあるギターをコピーしたくなる。

09 Seize the Day
このアルバムでは数少ない、ポップでロックな会心の一曲。yankee toes and EskimosやらI’m okay on a sunny dayやらdinosaurs and Santa Clausやらのrhymeの嵐とンワワワンワワワガンガンガンガンというリズムギターとdrum’n’bass and Pianoの掛け合いが心地いい。

10 Deep Down
lockdown中で孤独になった狼の遠吠えと人の溜息から始まる重苦しい曲。最後は自棄のやんぱちで“get deep down, get deep down…”といささか鬱陶しい

11 Winter Bird / When Winter Comes
解説カードに「ストリーミングで1曲ずつ楽しむ、いわばシングル時代のアーティストたちと異なり、『自分が勝負できるのはコンセプト・アルバムしかない』とポールは発言している」とあるように、コンセプト感を出すためのオープニング曲のrepriseからメドレーの童謡。絵本のような曲なので、アニメ付きのMVで観るのがオススメ。しかし、MV(Official Music Video)のタイトルには“When Winter Comes”としか書いてないし、coda(付加曲)的な曲をBGMに流れるクレジットには“Winter Bird / When Winter Comes / Winter Sun”と書いてあるところをみると、codaのタイトルは“Winter Sun”なのか?。

***ボーナストラック***
12 Women and Wives(studio outtake)
ここからはスペシャル・エディションのみのオマケ。本ちゃんとそんな変わらんような気がするのは僕だけ?

13 Lavatory Lil(studio outtake)
こちらはアウトテイクという通り、ラフな演奏にラフな歌い方。

14 The Kiss of Venus(phone demo)
これもガットギター1本のラフな弾き語りなんだけど、phone demoっていったい何だ?

15  Slidin’(Dusseldorf demo)
こちらはリバーブを目一杯効かせたインストロメンタルのみのdemo。

(まだつづくかも)


 McCartney 3
ポール・マッカートニー
ユニバーサルミュージック



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