本尊の再興や仏殿の改修が行なわれているように、来年(平成26年)は聖福寺の開山・栄西の八百年遠諱。
「遠諱」とは年忌のスペシャルバージョンで、偉いお坊さんの50年ごとの法要のことらしい。
で、それを記念して、福岡市博物館で「日本最初の禅寺 博多・聖福寺」展が開催される。
某誌に告知記事を書かせていただいたんだけど、そちらは発売日が展覧会開始日当日のため、予告ということで少々ここに書かせていただきます。
福岡市博物館では2010年に「栄西と中世博多展」ってのがあったけど、今回は聖福寺全体がテーマなので、門外不出の寺宝もいろいろと出展されるらしい。
博物館から画像を提供された展示品からいくつか拾ってみると…
「扶桑最初禅窟」の勅額。後鳥羽上皇の宸筆といわえる「日本最初の禅寺」の額。時代は桃山~江戸時代となっているので、後鳥羽上皇直筆の書が保管されていて、後にそれから額を起こしたということだろうか。本物が宝蔵にあったので、山門に掛かっていたのはやはりレプリカだったんだ…。 |
「明菴栄西像」。聖福寺の開山・栄西(ようさい)の肖像。室町時代の作品だが、賛は仙さんがつけたものだとか。 |
「源頼朝像」。聖福寺の開基・源頼朝の肖像。神護寺所蔵のものを福岡藩御用絵師になった狩野昌運が模写したもの。最近教科書の表記で話題が再燃している例でいえば、模写でも「伝 源頼朝像」ということになるのかな。ちなみに聖福寺には頼朝の位牌も祀られており、寺紋は源氏と同じ笹竜胆(ささりんどう)。 |
そういう訳で、聖福寺で行なわれた「聖福寺展」の記者発表にも参加したんだけど、その際、プレスツアーで老師(ご住職)直々のアテンドで開山堂や宝蔵など滅多なことでは入れないところをお参りさせていただいて、感謝感激だったのです。
栄西八百年遠諱に向けて再興された「丈六の三世仏」。丈六とはおよそ4.8m。初めてお参りする人はたいていびっくりするけど、如来像の頭は本来こういうふうに群青色をしています。 |
開山堂。奥は暗くてよく分からなかったけど、栄西禅師像、達磨大師、源頼朝像が安置されているらしい。 |
方丈の屋内にかかる額。 |
中庭の奥にある宝蔵。湿度だか温度だかはちゃんと管理されているそう。 |
創建時の本尊・丈六の三世仏の弥陀如来の左手。三世仏は元寇で焼けてしまったが、ここだけが焼け残ったそう。「栄西展」のときも出展されていたけど、何度見てもゾクゾクする。右は栄西遺品の「誕生仏立像」…だと思う(ちょっと歪んでるような気がするけど…) |
仙厓さんの「鶴亀図」を説明する老師。紙を何枚も張貼り合わせて大きな紙にしている。 |
ここにあった!高麗時代の銅製梵鐘(国の重要文化財)。小早川隆景が寄進したそう。 |
確か今の三世仏ができるまで安置されていた三世仏だと思う。丈六サイズよりはるかに小さい。全部坐像だったっけ…? |
ええと…、頭の形から見て栄西さんでしょう。 |
三雲南小路遺跡出土の銅鏡・銅剣(国の重要文化財)。実はこれ、前からずっと気になっていたもの。伊都国の王墓といわれる遺跡から出てきたもので、伊都国歴史資料館にでも収められていれば誰でも気軽に見れるのに、なんで聖福寺の所蔵なのか? 江戸時代に発掘されたものなので、当時としては地面の下から出てきた昔のお宝みたいなものはお寺に寄進されてたんでしょうみたいな話だったけど、見つけたのが青柳種信ならば、黒田の殿様に献上されて聖福寺にまわってきたのか? う~ん、やっぱり分からん。 |
4月20日(土)~6月16日(日)
会場/福岡市博物館特別展示室
開館/9:30~17:30(入館~17:00)
休館/月曜(4月29日、5月6日は開館し、翌火曜休館)
料金/一般1200、高大生800、中学生以下無料(障害者は手帳提示で無料)
問合せ/福岡市博物館 TEL092-845-5011
※5月20日に展示品の入替があるので注意!
詳細は某シティ情報ふくおか5月号(4/20発売)で。
招待券プレゼント付き!
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