小さな飛行機の醍醐味は、なんと言ってもあの風に乗っている感覚だ。パラグライダーなんか、もう風がすべて。宮崎駿の映画『風の谷のナウシカ』なんか、実に気持ちよさそうだもんなあ(まあ、あんなことできたら誰でも気持ちいいだろうけど)。
しかし、飛べば何でもいいという訳でもない。ヘリコプターもずっと乗ってみたいと思っていたのだが、春日の自衛隊のイベントで体験搭乗をしてみてわかった。あれは風に乗るのではなくて、空気を切り裂いているだけだ。セスナもプロペラで空気を後ろに押して進むのだが、空に浮くのは、翼に空気の流れを受けることによって揚力が発生するから(って高校の物理か何かで習わなかった?)。しかし、ヘリコプターはでっかいプロペラで空気をかき回し、力で浮いているようなもんだ。だから、風に乗っているような滑らかさはなく、やたらと上下に揺れて気持ち悪くなってしまった。
もう一つ、ヘリコプターを嫌いになったのが、報道関係のヘリの傍若無人ぶり。屋外イベントの模様を撮るためにヘリを飛ばしているのだろうが、ヘリの爆音で、肝心のイベントのアナウンスがさっぱり聞こえないことがしばしば。何で空からの絵が必要なのかもよく分からないが、ひどい時は、何機かのヘリが飛んでいて、順ぐりに上空に現れる。せめてどこか代表で1機飛ばして、絵は使い回しするなんてことはできないもんだろうか。
だいたいヘリは燃料を馬鹿食いするというし、エコが叫ばれるこのご時世(報道番組でエコを言うために氷河などにヘリで行くのは笑ってしまう)、ヘリの使用は救急用など最低限にしてほしいものである(そういや、救急とはいえ、車で行った方が早そうなところになぜかヘリで飛んでいくドラマが最近あったなあ)。
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