障がいのある子どもと大人の支援 ~分かり合えると問題解決の道が見えてくる~

このブログは、障害児・者の心を大切にした対人援助技術「心のケア」を学び実践しているメンバーが集まり投稿しています。

心のケアが目指すもの ~心のケア紹介2~

2023-08-12 13:11:22 | 心のケアについて

NPO法人Cheri(シェリィ)の永井由希です。

前回に引き続き、心のケアのご紹介をさせていただきます。

 

心のケアが目指すものは、

「心のつながり」です。

 

「心のつながり」と言われても、

たぶんイメージがわかないのではないでしょうか?

 

例えば、

「恋人同士がぴったりとくっついている感じ」

「失恋した友達と一緒に涙を流して悲しんでいる感じ」

「注射が怖いと泣く子供をママが抱っこしながら一緒に頑張る感じ」

 

この3つは、状況は違いますが、それぞれの気持ち(心)くっついている繋がっている)状況です。

「心のケア」ではこの「心のつながり」を目指しています。

 

前回、障害がある人もない人も心の中は一緒だけど、障害のある人は、表現に困難を抱える人がいるという話をしました。

その障害があるゆえに、心のつながりを持ちにくい人がいます。

 

          

Y君は20代の背が高くて、活発に動き回ったりジャンプしたりする男性です。

言葉は話せず、「う、う」とか「ヒヤ~」っという発声があります。

 

週に1回、施設で寝転んで歯科受診を受けますが、いつもじっとできません。

歯科衛生士が寝転ぶように誘導すると、

寝転ぼうとしてもすぐ起き上がってジャンプしてしまいます。

なので、職員に両脇を抑えてもらいながら、診察を受けていましたが、どうしても体が動いてしまいます。

ある日、職員のGさんがそばにつきました。

Gさんは歯医者の前にY君と話をしました。

 

GさんはY君の手を持ってはなします。

「Y君、すごく緊張しているのはよくわかる。心が動いたら、体も動いちゃうよね」

Y君は、Gさんをじっと見ます。

「でもY君は、頑張って治療を受けたいよね。」

Y君の手が苦しそうに動くのを、Gさんは手を離しません。

実はYくんは言葉の代わりに、手で気持ちを表現していました。

 

しばらく、Y君が手で表現するのに付き合っていると、力がすっと抜けました。

Y君はきりっとしたかっこいい表情になっていました。

 

その後自分で横になり、Gさんが手を握りながら

「すごいよY君」と話しかけるだけで、

動かずに治療を受けることができました。

 

          

Y君は、たくさんの気持ちがあるにもかかわらず、

小さな時から言葉が話せないため、

心の中を理解してもらえずにいることが多かったです。

 

そのため、だれにも頼ることなく、

いろんな気持ちがあふれそうになるのを

跳んだり跳ねたりしながら、

何とか一人で乗り切ろうとしていました。

 

ですが、歯科受診は、一人で乗り越えるには、壁が高すぎました。

 

そこでGさんがしたのは、

一人で頑張らないで一緒に頑張ろうよという支援でした。

そして、見事壁を乗り越えました。

 

「ひとり」が「誰かと繋がる」と一緒に頑張れるんです。

それが、「心のケア」の目指すところです。

 

 

                

その心のケアを知るチャンスがあります。

支援者向け

障害児者支援セミナー

10月21日(土曜日) 東大阪市商工会議所

 

障害児者親子向け

心のケアセッション(カウンセリング)無料体験

 10月21日、22日のどちらか。

 ※セッションはホルダー(支援者)の勉強を兼ねています。

 勉強のため、ビデオ撮影をさせていただきます。

 

心のケアを知りたい方はこちらをご覧ください

 サポート優&遊

 日本抱っこ法協会

 



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