NPO法人Cheri(シェリィ)の永井由希です。
前回に引き続き、心のケアのご紹介をさせていただきます。
心のケアが目指すものは、
「心のつながり」です。
「心のつながり」と言われても、
たぶんイメージがわかないのではないでしょうか?
例えば、
「恋人同士がぴったりとくっついている感じ」
「失恋した友達と一緒に涙を流して悲しんでいる感じ」
「注射が怖いと泣く子供をママが抱っこしながら一緒に頑張る感じ」
この3つは、状況は違いますが、それぞれの気持ち(心)がくっついている(繋がっている)状況です。
「心のケア」ではこの「心のつながり」を目指しています。
前回、障害がある人もない人も心の中は一緒だけど、障害のある人は、表現に困難を抱える人がいるという話をしました。
その障害があるゆえに、心のつながりを持ちにくい人がいます。
Y君は20代の背が高くて、活発に動き回ったりジャンプしたりする男性です。
言葉は話せず、「う、う」とか「ヒヤ~」っという発声があります。
週に1回、施設で寝転んで歯科受診を受けますが、いつもじっとできません。
歯科衛生士が寝転ぶように誘導すると、
寝転ぼうとしてもすぐ起き上がってジャンプしてしまいます。
なので、職員に両脇を抑えてもらいながら、診察を受けていましたが、どうしても体が動いてしまいます。
ある日、職員のGさんがそばにつきました。
Gさんは歯医者の前にY君と話をしました。
GさんはY君の手を持ってはなします。
「Y君、すごく緊張しているのはよくわかる。心が動いたら、体も動いちゃうよね」
Y君は、Gさんをじっと見ます。
「でもY君は、頑張って治療を受けたいよね。」
Y君の手が苦しそうに動くのを、Gさんは手を離しません。
実はYくんは言葉の代わりに、手で気持ちを表現していました。
しばらく、Y君が手で表現するのに付き合っていると、力がすっと抜けました。
Y君はきりっとしたかっこいい表情になっていました。
その後自分で横になり、Gさんが手を握りながら
「すごいよY君」と話しかけるだけで、
動かずに治療を受けることができました。
Y君は、たくさんの気持ちがあるにもかかわらず、
小さな時から言葉が話せないため、
心の中を理解してもらえずにいることが多かったです。
そのため、だれにも頼ることなく、
いろんな気持ちがあふれそうになるのを
跳んだり跳ねたりしながら、
何とか一人で乗り切ろうとしていました。
ですが、歯科受診は、一人で乗り越えるには、壁が高すぎました。
そこでGさんがしたのは、
一人で頑張らないで一緒に頑張ろうよという支援でした。
そして、見事壁を乗り越えました。
「ひとり」が「誰かと繋がる」と一緒に頑張れるんです。
それが、「心のケア」の目指すところです。
その心のケアを知るチャンスがあります。
支援者向け
障害児者支援セミナー
10月21日(土曜日) 東大阪市商工会議所
障害児者親子向け
心のケアセッション(カウンセリング)無料体験
10月21日、22日のどちらか。
※セッションはホルダー(支援者)の勉強を兼ねています。
勉強のため、ビデオ撮影をさせていただきます。
心のケアを知りたい方はこちらをご覧ください
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