つらつら日暮らし

『浄土布薩式』「大科第十 請師」③(『浄土布薩式』参究19)

ここ数回『浄土布薩式』の本文を学んでいる。当作法は、冒頭で布薩の日程を出した後で、実際の作法に入っていくのだが、今回は「大科第十 請師」の項目を学んでいきたい。

大科第十 請師

 三に都率天の四十九重の摩尼宝殿、弥勒菩薩を請し奉る。我の為めに教授阿闍梨と成りたまへ。吾れ教授に依る故に、浄土頓教の妙戒を受ことを得、弥勒哀愍の故に、来て戒壇に入り、頓教一乗の戒を授与したまふ。是の故に吾等至誠に礼すること一拝すべし〈矣、慈氏菩薩の足下を礼する念を作すべし〉。
    『続浄土宗全書』巻15・79頁、訓読は原典に従いつつ拙僧


なお、この「請師」項だが、全体で五段になっている。よって、記事1回で一段ごと検討してみたい。3番目は兜卒天にいる弥勒菩薩である。こちらも菩薩戒授与に於いては文殊と並んで「教授阿闍梨」となってくれる。

それにしても、文殊菩薩は色々と学び甲斐があったが、こちらの弥勒菩薩は余りに普通すぎて話を膨らましようがないな。拙僧的に思うのは、「妙戒」という表現や、「戒壇に入り」というところに、他の師との違いが確認される。つまり、全体としては「頓教一乗の戒」であることに違いは無いのだが、その中に複数の性質や功徳があるということなのだろう。

【参考資料】
・宗書保存会『続浄土宗全書』巻15、大正14年
浄土布薩式(新編浄土宗大辞典web版)

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