大科第八 懺悔とは、
前の所造を悔ゆ、後の所起を伏す、
前後倶に断じて、永く罪を作らず、
師は先づ頌を説く、受者次に唱ふ。
其の頌に曰く、
往昔し造る所の五逆の罪、四重謗法一切の悪、
至心受戒刹那の頃に、軽重倶に滅して更に余無らん。
『続浄土宗全書』巻15・78頁、訓読は原典に従いつつ拙僧
懺悔である。大乗仏教であれば、懺悔は受戒の前に行われるのだが、その基本は既に作ってしまった罪を悔い、今後はそういったことを起こさないように願うことが大切である。
そして、懺悔については、師僧が偈頌を唱え、受者がそれを受けて唱えるという。その内容だが、「かつての昔に作った五逆の罪、四重禁を犯したり謗法などの一切の罪は、至心に受戒する刹那の頃に、軽い罪も重い罪も、ともに滅して更に他のことが起きないように、と願うべきだという。
なお、この「懺悔文」だが、典拠は不明である。一般的には『華厳経』の一節を用いるが、本書の場合はそれとも異なっており、「至心受戒」という語句だけなら『優婆塞戒経』などに出ているけど、全体は典拠不明。しかも、何で「四重禁」なのかも不明。「五逆罪」についての懺悔なら、もうちょっと理解出来そうだが、本書は菩薩戒なので「七逆罪」のような気がするが?
ということで、次回は「入壇受戒」の項目を採り上げてみたい。
【参考資料】
・宗書保存会『続浄土宗全書』巻15、大正14年
・浄土布薩式(新編浄土宗大辞典web版)
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