つらつら日暮らし

マルティン・ルター『九十五箇条の提題』を学ぶ・29

ドイツ宗教改革の発端にもなったとされるマルティン・ルターの『九十五箇条の提題』の日本語訳を学んでいく連載記事である。連載29回目である。

4〔29〕 聖セヴェリヌス、またパスカリスの物語が示しているように、煉獄にある魂のすべてが購われることを願っていたのかどうかを誰が知りうるというのか。
    深井氏下掲同著・21頁


さて、前回までの内容に比べて、聖セヴェリヌス、或いは、パスカリスといった人たちの説話を前提にした条文となってきた。なお、全く分からないので、本書の補註なども参照してみるのだが、聖セヴェリヌスという人は、5~6世紀くらいの人で、アガウヌムという場所の修道院長だったとき、フランク王国の王の難病を治療した、という伝説があるらしい。

一方で、パスカリスについては補註を見ても良く分からなかったので、独自に調べてみた。なお、「聖パスカリス」という人がいるらしいが、生没年が『九十五箇条の提題』よりも後なので、この人ではあるまい。また、ローマ教皇に、パスカリス1世・2世がいるようだが、1世は9世紀の人で、カタコンベの発掘を行い殉教者の遺骨を集めて移転し、そのための教会を建てたという。一方で2世は11~12世紀の人らしいが、この人にもかつての皇帝ネロの遺体に因む話があるという。

何となく、後者については、遺体・遺骨に因む話なので、それと煉獄の繋がりが見えてきた。未だに、聖セヴェリヌスについては良く分からない。中途半端な記事で恐縮だが、以上である。

【参考文献】
・マルティン・ルター著/深井智朗氏訳『宗教改革三大文書 付「九五箇条の提題」』講談社学術文庫・2017年
・L.チヴィスカ氏編『カトリック教会法典 羅和対訳』有斐閣・1962年
・菅原裕二氏著『教会法で知るカトリック・ライフ Q&A40』ドン・ボスコ新書・2014年
・ルイージ・サバレーゼ氏著/田中昇氏訳『解説・教会法―信仰を豊かに生きるために』フリープレス・2018年
・田中昇氏訳編『教会法から見直すカトリック生活』教友社・2019年

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