「胸キュン観覧車」
ベンチに座りながら「久しく会っていないが、お母さんは元気にしているか?」とユンユエがチューユエンに聞く。チューユエンは「はい」と遠くを見ながら答える。「松柏館は?にぎわっているか?」と言うユンユエ。軽くうなずき「はい」とチューユエンは言う。
今度はチューユエンが「あの…帰国の予定は?」と聞く。ユンユエはチューユエンと見つめ合ったあと「“故郷で余生を”皆そう言うが、今更、帰国などできない」と言う。
「お前のお母さんとつきあっていた頃、松柏館の大木の下でよく稽古した。お母さんは本当に美しかった。今でも昨日のことのように覚えている。当時の私は勝利しか頭になくてね、頂点を目指して必死だった。それで私は昌海館に残ることにした。その代償に全てを捨てて…」と話すユンユエ。「後悔していますか?」とチューユエンが言う。うなずいたユンユエは「もちろん」と答えてから立つと「長年、過去と向き合うことすら避けていたが、ようやく分かったよ。私は元武道を極めた。だが、代わりに大切な人を失ったのだと」と言う。
チューユエンも立つと「だから試合から遠ざかっているのですか?」と聞く。ユンユエは「試合に勝って何の意味があるというのか。私は松柏と祖国のために勝利を目指してきた。“優勝台に国旗を飾る”それが私の使命だと信じていた。チューユエン、私を“父”と呼んでくれとはとても言えない。だが、私のような過ちを繰り返してほしくない」と話す。そしてベンチに置いてある箱を見ると「私の道着をお前に託したい。私は着る資格を失った。自分に正直に生きろ、誤った選択で悔いを残さないように」と言い、チューユエンの肩を叩いてユンユエはその場を後にする。
ベンチに置かれた箱を開けるチューユエン。中には松柏の道着が入っていた。
宿舎に戻ったチューユエンは道着を着る。目をつぶり、ユー館長から「いつか袖を通す日が来ると信じてる」と道着を渡された時のことを思い返すチューユエン。そこにルオバイとバイツァオが来る。ルオバイが握ったこぶしを差し出す。チューユエンはそのこぶしに自分のこぶしを当てる。
稽古をしていたバイツァオが、ルオバイに「先輩は元武道界に戻ってきてくれますかね?」と聞く。「今は心のしこりが消えたことを喜ぼう」と返すルオバイ。
再び稽古を始めたバイツァオは、ミットを持っていたルオバイの手を蹴ってしまう。急いで駆け寄り「すみません」とルオバイの手を取るバイツァオ。ルオバイは「大丈夫だ。ティンイーとの試合に備え、明日から特別メニューだ」と言う。頬笑んで見つめ合う2人。しばらくしてハッとしたバイツァオが、ルオバイの手を離す。
ルオバイとバイツァオが歩いていると、チューユエンが声をかけてくる。「帰国の前に少し観光しないか?」と言うチューユエン。ルオバイは「2人で行け」と言う。「特訓はいいんですか?」とバイツァオが聞くと「息抜きも必要だ。楽しんでくればいい」と返すルオバイ。チューユエンはルオバイも誘うが、ルオバイは「悪いが用がある」と断わる。
バイツァオに「ほどほどにな」と言い、ルオバイは行ってしまう。
チューユエンは摘んであった花をバイツァオに渡し「父のことで君には感謝している。どこか行きたい所はある?」と聞く。「そうですね…」とバイツァオが考えてしまい「じゃ、僕に任せて」と言って、チューユエンはバイツァオの手を取り歩き出す。
チューユエンはバイツァオを遊園地へ連れて行く。「遊園地なんて初めて」と喜ぶバイツァオ。いろいろなアトラクションを楽しんだ後、バイツァオはシャオインのお土産を探す。そこで筆を見つけたバイツァオは“ルオバイ先輩には、この筆を贈ろう”と思う。
習字をしているルオバイに「チューユエン先輩はバイツァオに愛の告白をしたんだぞ。2人きりでデートをさせていいのか?」と言うイーフォン。ルオバイが何も答えず、さらにイーフォンは「お前…取り返しがつかなくなるぞ」と言う。教えてくれ、余裕なのか鈍感なのか?と。「彼女が幸せならいい」と言うルオバイ。
イーフォンが部屋を出て行ったすぐ後、ルオバイは発作に襲われる。
チューユエンは四葉のクローバーのピンをバイツァオの髪にあてる。しかしバイツァオは、自分のつけていたイチゴのピンだけで十分だと言う。“そのピンは好きな相手からもらった。だからいつも付けてる。そうなのか”とバイツァオに言った時のことを思い出すチューユエン。チューユエンが「よほど大切なんだね」と言うと、バイツァオは「その…とても欲しかったのにお金がなくて…。だからロッカーでピンを見つけた時はうれしかった。私のことを気にかけてくれる人がいると分かったから…」と恥ずかしそうにうつむく。私の宝物です、と。
辺りが暗くなった頃、バイツァオとチューユエンは観覧車に乗る。バイツァオの手を握りお礼を言うと抱き締めるチューユエン。
帰国をするバイツァオにウンスが会いにくる。大事にしていたテディベアを受け取ってほしいと言うウンス。「あなたの宝物なんでしょ?」とバイツァオが聞くと「だからこそ受け取ってほしいの。今度、対戦する時に会わせて」とウンスが言う。「大切にしますね」とお礼を言い、バイツァオは皆の待つバスへ向かう。
どうしてぬいぐるみをくれたの?とシャオインがバイツァオに言う。バイツァオは「“私にそっくりだから”って」と答える。テディベアを見て「言い得て妙ね」と言うシャオイン。
帰国したバイツァオたちが到着口から出た直後、ルオバイの発作が起きる。皆が心配する中、ルオバイを迎えに来るティンハオ。「今から遠征の報告会だ」とルオバイは断わろうとするが、ティンハオは「言うことを聞かないとバラすぞ」と脅す。すぐに「行く」と言い、ルオバイはティンハオの車に乗る。その様子を不思議に思うバイツァオたち。
沈んだ顔をしているバイツァオに「ルオバイ先輩なら大丈夫。明日はぜひ全勝館へ来てちょうだい。父さんと食事をしましょう」とグァンヤーが言う。その時、携帯を見ていたシャオインが、世界選手権にティンイーが出場するというニュースを見つける。最優秀選手になれば世界選手権の出場枠を懸けてバイツァオがティンイーと再戦できると聞いていたグァンヤーは「きっと何かの間違いよ」と言う。「監督に確かめよう」と言うチューユエン。
岸陽救急病院。心臓の状態が悪化し、すぐに入院が必要だと医師から告げられるルオバイ。手術の準備をしようと。バイツァオと特訓の約束をしているルオバイは、今入院するわけにはいかないと言う。しかし、一刻の猶予もなく、命に関わるほどの深刻な状態だと話す医師。そこにシャオインから「シェン監督が世界選手権の候補からバイツァオを外しました」と言う電話が。驚いたルオバイは診察室から飛び出して行ってしまう。
一緒に話しを聞いていたティンハオに「彼が大切な人なら、すぐに連れ戻しなさい」と医師は言う。「分かりました」と言い、ティンハオは追いかける。
訓練センター。皆の前で最優秀選手に選ばれたバイツァオに「おめでとう」と言うシェン監督。シェン監督が今日のメニューを話したあとティンイーが「健闘をねぎらってうちでパーティーをするから、ドレスアップして来てね」と言う。
シャオインがニュースのことについてシェン監督に言おうとし、止めたバイツァオが自ら「先ほど空港でニュースを見ました。本当でしょうか?世界選手権の出場者について…」と尋ねる。「ええ、報道は事実よ」とシェン監督は答える。
「ティンイーさんの出場で決定なのですか?約束したはずです、最優秀選手に選ばれたらティンイーさんと再戦して勝ったほうに出場権が与えられると。ですから出場権を得るチャンスは公平に与えてください」と言うバイツァオ。「“公平に”?大きな口をたたくのね。私は物心つく頃には元武道を始め、何度も国際大会に出場してきたわ。そして何度も優勝を手にしてきた。元武道界で私の名を知らない者はいない」とティンイーは言う。シェン監督も「確かにルオバイと約束したわ。“最優秀選手になれたら、世界選手権出場を懸けティンイーと試合を行なう”だけど状況が変わったの」と話す。
シャオインは「ルオバイ先輩とバイツァオは、世界選手権を目標に日夜たゆまぬ努力を重ねてきたんです。それが災いしてルオバイ先輩はすっかり体調を崩して倒れてしまったんですよ。それなのに一方的に約束を破るなんて、何と説明するつもりですか?」と泣きながら訴える。そこに駆けてきたルオバイが入ってくる。
訓練センターへ来たティンハオは、ルオバイがシェン監督のオフィスにいるとティンイーから聞く。バイツァオを連れてオフィスに向かうティンハオ。
「ティンイーは1カ月間の訓練を経てレベルアップした。パワーもスピードも尋常じゃないわ。打倒イ・ウンスも夢ではない。だから協会は彼女を選んだ。当然でしょう?」とシェン監督はルオバイに言う。ルオバイは「では監督のお考えは?一方だけ見て判断するのですか。バイツァオも格段に進歩しています。強敵と戦って、最優秀選手を勝ち取り、旋風3連続蹴りの精度も向上しました」と話す。ティンイーとの試合で披露するつもりだったと。さらに「勝利に必要なのは経歴ではなく、真の実力であるはずです。相応の実力を有する者には、きちんとチャンスを与えるべきです。あなたなら正しい決断を下すと信じています」と言うルオバイ。ティンハオはその言葉をバイツァオに聞かせる。
シェン監督は「分かったわ。明日、ティンイーとバイツァオの試合を行なう。バイツァオが勝てば、世界選手権の出場者を変更させる」と約束する。
そのあと「指導者への転向については考えてくれた?」と聞くシェン監督。ルオバイは医師から緊急手術が必要だと言われたことを思い返し「はい、指導者に転向します。バイツァオの専任としてなら」と返事をする。「結構よ。ただし選手生命は“ここで終わる”ということよ」とシェン監督が言う。「はい」とルオバイが返し、いたたまれなくなったバイツォが「ダメです」と言いながら入ってくる。しかし自分のことは自分で決めると言い、ルオバイはオフィスを出て行ってしまう。
ルオバイを追いかけたバイツァオは、呼び止めると「本当に私の指導のために選手を引退するのですか?」と聞く。「元武道を辞めたくなっただけだ」と答えるルオバイ。自分のためだと思うバイツァオは引き留めようとするが「俺の身の振り方は自分で決める。口出し無用だ」とルオバイは聞こうとしない。それでもバイツァオは「嫌です。黙ってなどいられません。先輩は隠し事ばかりです。韓国では病気なのに団体戦に出たり…何も相談してくれません。私だって力になりたいんです。先輩にとって私は武道をするロボットですか?私も自分がどうしたいかは自分で決めます。今後は私の練習に関わらないでください」と言う。
「つまり俺の指導は不要なんだな。確かに、もう俺は不要だ。お前にはチューユエンがついている。あいつの助言があれば十分だ」と言うルオバイ。そこへ様子を見ていたティンハオが来る。
「お前はいつまで隠し通すつもりだ?」とルオバイに言うと「自分の命も顧みず、パクを見つけて説得したんだ」とバイツァオに話すティンハオ。ティンハオはその時にケガをしたルオバイの腕をバイツァオに見せる。
ーつづくー
チューユエンがユンユエとお話できて本当に良かった。
道着も着たし、またチューユエン元武道を始めてくれるかな?
そうなってほしい!!
今度こそいちごのピンがルオバイからのプレゼントだと分かるかと思ったけど…やっぱり分からないまま(;´д`)ノ
ティンハオヽ(;▽;)ノ
いつかティンハオが真実を話してくれると信じてたよぉぉぉぉぉ。
ルオバイは絶対自分からは言わないものね。
次回のバイツァオが楽しみ!!
残りもあと1話。
色々なことがあったけど、あっという間だったような気がする。
気になるいろいろなことがどうなるのか楽しみ。
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