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宇都宮ブリッツェンが創る自転車文化 - キャプテン谷順成の挑戦

年末恒例、「うつのみやの魅力再発見!」講演会イベント 宇都宮ブリッツェン編に行ってきた。今年はキャプテン谷選手の講演。約2時間たっぷりと面白い話が聞けたので簡単にまとめた。



## チームの理念と歴史
宇都宮ブリッツェンは、地域密着型自転車ロードレースチームとして16年の歴史を持つ。柿沼章社長は、チームの理念として「ロードレースのスポーツとしてのメジャー化」と「サイクルスポーツを文化に」の2点を挙げた。チームは自転車を通じて交通、健康、環境、教育など幅広い分野に積極的に取り組んでいる。
宇都宮市では、ブルーレーンの整備やサイクルラックの設置など、自転車文化が日常生活に浸透している。また、LRTへの自転車チームのラッピングや、自動販売機の設置、ブリッツェン米の販売など、様々な形で自転車文化が根付いている。

## 谷順成キャプテンの経歴と哲学
谷順成キャプテンは岐阜県出身の30歳。小学生時代はバレーボール、中学・高校ではサッカーに打ち込んだ。大学2年生の時に小説「サクリファイス」との出会いをきっかけに自転車競技を始めた。
プロデビューはヴィクトワール広島で、その後那須ブラーゼンを経て現在はブリッツェンでキャプテンを務めている。谷キャプテンは、地域活動と競技パフォーマンスの両立に独自の哲学を持つ。「地域貢献活動をやっている時間も競技の成長に繋がるように」という考えのもと、清掃活動や安全教室などにも積極的に参加している。
例えば、公園の清掃活動をスコップで行う際も、足腰を鍛える機会と捉えている。また、人前で話す経験が、大舞台での緊張緩和にも繋がると考えている。谷キャプテンは、「オールラウンダー」を目指し、あらゆる局面で力を発揮できる選手になることを目標としている。

## 2024年シーズンの振り返り
2024年シーズン、チームとして初めて「リザーブからの繰り上がり」でツアー・オブ・ジャパン(TOJ)に出場した。しかし、準備不足もあり思うような結果は出せなかった。谷キャプテンは、TOJの出場が決まってから富士山を登るための練習を集中的に行うのが通常だが、今回は急な参加決定だったため十分な準備ができなかったと振り返った。
全日本選手権では、パンクや落車などのトラブルに見舞われ、悔しい結果に終わった。谷キャプテンは2回のパンクに見舞われ、最後は落車でリタイアとなった。ブリッツェンにとって、全日本選手権ロードレースは唯一獲得していないタイトルであり、チーム全体で強い思いを持って臨んでいただけに、非常に悔しい結果となった。
ジャパンカップでは、挑戦的なレース運びをしたものの、力尽きてリタイアとなった。谷キャプテンは、去年の経験を活かしてより上位を目指そうとしたが、結果的にリタイアとなってしまった。しかし、柿沼社長は谷キャプテンのレース運びを評価し、チャレンジした結果として前向きに捉えている。

## 2025年シーズンへの展望
2025年シーズンに向けて、谷キャプテンは「全日本選手権優勝」を最大の目標に掲げている。チーム全体としても、各選手が「俺が勝ちたい」という強い思いを持つことを重視している。
谷キャプテンは、「全日本選手権で優勝して日の丸ジャージで安全教室を行いたい」という具体的な目標を持っている。これにより、子供たちの自転車競技への印象向上を図りたいと考えている。
また、「宇都宮市民の100%が知っている、愛されるチーム」を目指すという。これは、強いチームであることと地域から応援されることは必ずしも一致しないという考えに基づいている。谷キャプテンは、地域に愛されるチームが結果的に強くなると信じており、そのために積極的に地域活動に取り組む姿勢を示している。

## 自転車文化の更なる発展に向けて
近年、東日本でのレース減少を懸念しており、2025年は特に栃木県を中心とした自転車文化の盛り上げに注力したいと語った。谷キャプテンは、西日本に比べて東日本の自転車レースシーンが衰退していることを危惧しており、栃木県を中心に自転車文化を再び活性化させたいという強い思いを持っている。
チームの新体制として、鈴木真理新監督のもと、岡選手や小野寺選手など実力のある選手が加入。谷キャプテンは、これらの選手たちと共に、地域貢献活動の重要性を理解しながら、競技面でも高いレベルを目指すチーム作りを行っていく意向を示した。

## 谷順成キャプテンの成長と哲学
谷キャプテンの成長は、彼の経験と哲学に裏打ちされている。ヴィクトワール広島時代には、バイトをしながらの厳しい環境下で競技に取り組んだ経験がある。この経験から、環境のせいにせず、どんな状況でも自分次第で成長できるという考え方を身につけた。
那須ブラーゼン時代には、鈴木真理コーチの指導のもと、キャプテンとしての役割を担いながら競技力を向上させた。この時期に、地域活動と競技パフォーマンスの両立に関する独自の哲学を確立した。
ブリッツェンに移籍した理由として、より高いプレッシャーのかかる環境を求めたことを挙げている。谷キャプテンは、プレッシャーを受けることで成長できると考えており、あえて厳しい環境を選択している。

## チーム内でのコミュニケーションと成長
谷キャプテンは、レース後に選手たちと即座に振り返りを行うなど、チーム内のコミュニケーションを重視している。2024年シーズンは結果が思うように出なかった面もあるが、この経験を通じてチームの結束力が高まったと感じている。
特に全日本選手権後は、チーム全体で話し合いの機会を増やし、チーム練習にも力を入れた結果、その後のレースでパフォーマンスが向上した。谷キャプテンは、こうしたコミュニケーションがチームの財産になると考えている。

## 自転車文化の浸透と課題
宇都宮市では、ブルーレーンの整備やサイクルラックの設置など、自転車文化が日常生活に浸透している。しかし、谷キャプテンは、まだ宇都宮ブリッツェンを知らない市民も多いのではないかと考えている。
そのため、チームの認知度を上げ、地域に愛されるチームになることを目指している。谷キャプテンは、強いチームであることと地域から応援されることは必ずしも一致しないと考えており、地域活動を通じて市民との繋がりを深めることの重要性を強調している。

## 今後の課題と目標
2025年シーズンに向けて、谷キャプテンは全日本選手権優勝を最大の目標に掲げている。同時に、チーム全体としても各選手が「俺が勝ちたい」という強い思いを持つことを重視している。
また、東日本の自転車レースシーンの活性化も大きな課題として認識している。特に栃木県を中心に自転車文化を盛り上げていきたいという思いを持っている。
谷キャプテンは、競技面での成功と地域に愛されるチーム作りの両立を目指している。全日本選手権で優勝し、日の丸ジャージで安全教室を行うという具体的な目標は、競技と地域貢献の融合を象徴するものとなっている。

## 結びに
宇都宮ブリッツェンの活動は、単なるスポーツチームの枠を超え、地域に根ざした自転車文化の醸成に大きく貢献している。谷順成キャプテンを中心とした選手たちの努力が、競技面での成功と地域に愛されるチーム作りの両面で実を結ぶことが期待される。
自転車文化の更なる発展と、東日本における自転車レースシーンの活性化に向けて、宇都宮ブリッツェンの挑戦は続く。谷キャプテンの「地域に愛されるチームが強くなる」という信念のもと、競技と地域貢献の両立を目指す姿勢は、今後の自転車競技の発展に新たな可能性を示している。


 

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