アンチウイルスソフトを疑った第1回。
SSD(m.2 NMVe)の速度に期待した第2回。
これらの失敗から、どうやらLightroom Classic(以下LrC)側の動作に問題を絞った。
そもそもSDカードの読込を阻害している謎のプレビュー作成とは何か。
redditのAdobe Lightroom 板にこんなスレッドを見つけた。
How do you import your images?
LrCがLightroom CCだった頃から、かれこれ10年以上前から使っているWindows 10ユーザーの書き込みで、私が抱えている問題と同じ、SDカードからの画像や動画の取り込みについての相談だ。(私と同じようにPCを新調した今でもハングアップしたりラグが発生するという。)
この悩みに対する回答の一つに気になるものがあった。
You could try an embedded preview workflow, as Jeff Harmon describes here:
「Jeff Harmonの記事、埋め込みプレビューのワークフローを試してみろ。」
上記のリンク先に、Adobeが「埋め込みプレビュー」と読んでいる機能に加え、そもそもRaw画像の中身について詳細に書かれていた。
記事を要約すると、
・RAWファイルの中にはJPEGが含まれている。
(それを「埋め込みJPEG」という)
・多くのカメラはRAWファイルに
2つ以上のサイズが異なる埋め込みJPEGがある。
・それを利用すればLrCがプレビュー作成する必要が無い。
・JPEG+RAW撮影モードでもLrCがプレビュー作成する必要が無い。
(自動でJPEGとRAWファイルを紐付け、JPEGでプレビュー作成する)
・上記のプロセスなら読込にかかる時間の90%以上を削減できる。
RAWファイルに埋め込まれたJPEGのサイズが確認できるという。
このツールでプレビューを作成しないプロセスを実行するためのJPEG+RAW撮影モードにする必要があるかどうか確認できる。
早速、私のRAWファイルの中身をチェック。
RAWファイルの中には、3つのJPEG画像が埋め込まれていた。
・5472x3648(フルサイズ)
・1620x1080(中サイズ)
・160x120(小サイズ)
私はスマホ転送用にRAW+JPEG撮影モードでカメラを使用していたのだが、これまでの1年の間、実際にスマホ転送したことは2回のみだ。
以前あるカメラマンYouTuberのマネでこの撮影モードにしたのだが
RAWファイルにフルサイズでJPEGが埋め込まれているのなら、
わざわざRAW+JPEG撮影モードにしている必要は無い。
これからはRAWファイルのみで撮影にカメラの設定を変更した。
そうすることで、例えば今回ベンチマークとして使用しているSDカードの画像ファイルなら79.2GBから69.6GBと約10GBの容量削減になる。LrCで読込む容量とファイル数が減るため、転送時間短縮に期待できる。
念のため、LrCを記事にある通りの環境設定か確認。
最も重要な環境設定
「待機中に埋め込まれたプレビューを標準プレビューに置き換えます」
にチェックを入れないこと。
ここにチェックが入っていると、せっかくRAWファイルの埋め込みJPEGを利用するフローが台無しだ。
さらに読み込みダイアログを確認。
RAWファイルに埋め込まれているフルサイズのJPEGでプレビューするため
「埋め込みとサイドカー」でプレビューを生成。
スマートプレビューのチェックが外れているか確認した。
いよいよ、再びSDカードから読込む。
・・・その前に、強力な助っ人を紹介しよう。
USB3.2 UHS-II対応のSDカードリーダー。
Amazonのブラックフライデーで購入したのだが
CrystalDiskMark8.0.4のベンチマークで驚異的スコアを叩き出したのだ。
もうほぼHDDと同じシーケンシャルリードである。
早速、LrCでSDカードの画像を読込んだ。
その結果・・・40分。
全く変化が無い。
これではCFExpress等の超高速メモリーカードを使っても変化が無いことになる。
次は最終回。
RAWファイルの埋め込みJPEGを最小サイズでプレビューで再トライだ。