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ポガチャルがマイヨジョーヌを着た日

一体誰がこの結末を予想できただろうか。

ツールドフランス第19ステージ終了時点で
ユンボヴィスマのログリッチは
2位のUAEのポガチャルから57秒アドバンテージがあった。

続く第20ステージは個人タイムトライアル(ITT)
ゴールタイムがそのまま総合時間に加算されるのだが、
40kmにも満たないコースである。
総合優勝を狙う選手は山岳に強く、
たとえゴール手前に1級山岳が待ち構えていても、
総合順位をひっくり返すようなタイム差はつきにくいはず。

誰もがそう思っていた。
 

「ツールは優勝を狙うためのものでなく、出場するためのもの。」

レース出場時にポガチャルはそう思っていた。

最高の選手と戦えること。
ただそれだけに喜びを感じていたのだ。


ファンアールトとデュムランは
第20ステージ終了後に語った。

僕らは毎日全てを出し尽くし、
全てを完璧にこなしていたんだ。
優勝スピーチの準備さえしていたくらいだ。



ITTの翌日、ツール最終日に22歳になるポガチャルが
圧倒的なタイムを叩き出す。

57秒のアドバンテージを余裕でひっくり返したのだ。
歴史的な大逆転劇。

たった一回のITTで、たった一人の若い選手が
この3週間の常識をすべてひっくり返してしまった。

ワウトを始めとしたユンボのアシスト陣の強さ。
ログリッチの粘りと安定した走り。

それらは今も変わらない。
ただ、今日のポガチャルが強かった。それだけの話だ。

ポガチャルおめでとう!!!


一夜明け、
Twitterのトレンドに「ポガチャル」があった。

興奮冷めやらない日本のサイクルロードファンがTwitterのタイムラインでまだ大騒ぎしていた。やがて、ポガチャルは過去にTeam Gustoのメンバーとして2018年ジャパンカップサイクルロードレースに出場していたことを誰かがつぶやき、当時を懐かしみながら、今日のマイヨジョーヌを讃えていた。


最終ステージの今日、
プロトンはパリを走る。

タイトル画像は、その2018年ジャパンカップTeam Gustoのメンバーだ。
先輩に囲まれて走っていたあの頃と同じ表情で、
きっと明日、はにかみながら彼は凱旋門に向かうだろう。


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