Entre ciel et terre

意訳して「宙ぶらりん」。最近、暇があるときに過去log整理をはじめています。令和ver. に手直し中。

どうして歴史を学ぶのか、あらためて見つめなおすと難しい。

2023年10月07日 | 日々雑感
先日、ある世界史の参考書を読み終えました。(当ブログの読書記録としてはつけないことにします)
初版が今から10年くらい前なので、きっと今本屋さんに並んでいるものに比べたら、情報が古いものになっていることでしょう。

それを読んでいて、いよいよ終わりに近づいたとき。著者の思いがあふれ、コメントが載っていたのですが、そこで著者が「なぜ、私たちは歴史を学ぶのか」と文面で語っておりました。
そのあとの続きは、本を手に取ってもらった人に確かめてもらいつつ。

うーん、確かに。嫌がられつつも、様々な歴史を振り返ることの多い我々。
最近気になっているのは、ニュース番組ですぐに何かのトレンド、流行を追うときに「では歴史をひも解いてみましょう」というフレーズがでてくるんですが、そんなに世の中の出来事は重箱に仕舞われているのか? と思ってしまう。いや、つぶやきですのであしからず。

よく歴史の話をすると、「過去と現在との対話」という言葉(E. H. カー)がでてきますね。
現在は、過去の行動をふりかえり道しるべとすることができる。
でも、本当に過去の成功や失敗は、活かされているのでしょうか。
いま自分のまわりから、世界で起きている様々なことまで、解決できているのでしょうか。
はたまた歴史を知っているからこそ、解決できないのでしょうか。
考えるまでが歴史学だとすると、そこから先に行動へとつなげるために歴史学ができることは何なのでしょうか。
歴史学は考えるまでで、先への行動につなげられないからこそ、同じループを時代をこえてくりかえすのでしょうか。
つまり、歴史は繰り返す、ということですね。

「歴史学」という言葉を調べてみると、「過去の史料を評価・検証する過程を通して歴史の事実、及びそれらの関連を追究する学問」というような記述が見受けられます。(wikiより引用)

歴史の事実が、本当の事実とは違って解釈されたり、時代の風潮によってとらえ方が変わることもあるわけで、「歴史学」という言葉をこのように調べてみても、やっぱりしっくり来ないような気もします。

学校で学ぶ「歴史」って、そういう意味ではやっぱり難しいと思うのですよね。
うまく言えないのですが、歴史を学ぶ本質にまで、本当にたどり着けているのだろうか? ということです。限られた授業時間の中で。
どうしても基礎・基本を作るために「用語の暗記」は必要だし、教科書の流れに頼る必要性はあるけれど、教科書の「思惑」をどこまで鵜呑みにするのか。それを利用する学校や教員、授業を受ける生徒の環境によっても、いろんな捉え方が出てきます。
そもそも上にもあげたように、捉え方の話を歴史学に持ってきてよいのか、という気もしますが...

大学入試もしかり。試験で、覚えた事柄をひとつずつ答えていって、それが正解で、得点になって・・・ と考えたら、
やっぱり「歴史を学ぶことは、いろんな知識を覚えること」になっちゃうと思うんですよね。
それが活用できていることとは違うわけで。

そんなときに、むかし、大英博物館展が行われたときに購入した、ミニガイドブックが本棚からでてきました。
薄いガイドブックだったので、サクッと目を通してみます。
ウルのスタンダードから、エジプトのミイラから、現代ではクレジットカードまでが展示されていた、興味深い展覧会だったのを思い出します。
(クレジットカードがショーケースに入れられて展示されていたのをみて、なんと斬新な! と思った記憶があります。)

そこでふと。そうか、やっぱり歴史も教科書を気にせず、歴史に触れるものが主体的な体験をすることが新しい歴史学に求められているような気がします。
1、自分で歴史を作り、残す体験をする必要性がある。
(→たとえば大英博物館の諸資料を利用して、記録をつける。研究する。なぜ作られたのか、その品物は何なのか、どのように広まったのかを考える。ちょっとした歴史家気取りをしながら。笑)

2、現在から、過去を振り返り、未来について考察する時間も必要。そこで自分なりの解釈をはぐくみ、それに固執せず他者の解釈も総合的にとらえていくことでみえてくるものを、弁証法的に探究する。
(→意見を交換する。特に世界規模でやれると興味深い。でも最近はネット環境も発達しているから、すぐわかるのかな? 他者との意見交換や、時代考証による弁証法的な探究活動を行う)

3、必要最低限の国内の歴史や海外の歴史を知識として知っておくことは必要。
(→博物館だと、イヤホンガイドや図録などで調べることができる。学芸員さんの本領発揮! そうか、歴史の授業を手伝ってもらえるときっと先生方も喜ぶはず!)

でも、1、~3、を、じゃあちゃんとやろうとすると・・・。
どうやればよいんでしょうね。笑
歴史学専攻の大学の授業がどのようなものなのか、そういうのもふと気になった今日この頃でした。





今回の投稿は、下記記事に加筆する形で更新しました。

タイトル:大英博物館展 投稿日時:2015-05-17 19:02:03
概要:東京都美術館にて。




行ってきました。世界史の概略を掴むのにもってこい。
興味があれば、ぜひ!!


ハリ・ポタのモデルになったチェスの駒。
会場の入り口で、ちょっとした記念写真スポットになってました。



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