ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

テロとの百年戦争

2015年02月02日 | 社会・政治

 古くは新撰組、さらに5.15や2.26などの青年将校、戦後は極左、そしてオウム真理教などと、わが国においてもテロリストは存在し続けてきました。
 暴力による世直しを求める者は、いつの時代も一定程度存在します。

 それはもちろん、洋の東西を問いません。

 9.11以来、既存の国家は長くイスラム過激派によるテロに手を焼いています。

 わが国もこのたび、人質を殺害されるという痛ましいテロに見舞われてしまいました。

 イスラム国を名乗るテロ集団が特異な点は、国家を名乗り、広大な土地を支配していることでしょう。
 さらには欧米を含む多くの外国人がイスラム国に共鳴し、これに参加していること。
 これほど大規模なテロ集団を、私は他に知りません。


 支配地域が広いわけですから、当然、イスラム国の考え方ややり方に不満を抱いている者や、日々の暮らしに追われて支配者に興味を示さない一般庶民が大勢いるものと思われます。
 それらの人々が畑を耕し、狩猟採集を行い、あるいは会社員として、または公務員として、殺人や暴力とは関係がない普通の生活を営んでいるはずです。

 そういう人々に支えられなければ、国を名乗る組織が維持できようはずもありません。

 イスラム国の本当の怖ろしさは、残酷なテロ活動にあるのではないと思います。

 穏健なイスラム教とは全く異なる過激なイスラム教を、イスラム国内の一般庶民に植え付け、欧米に移民したアラブ系の人々をもインターネットや直接の勧誘活動などで洗脳し、まるで増殖するウィルスのように、現状に不満を抱く若者などに広がっているという事実が、このテロ組織が持つ本当の怖ろしさだろうと思います。

 仮に有志連合と呼ばれる主に欧米の国家群が、空爆の後、地上部隊を派遣してイスラム国を壊滅させたとしても、イスラム国ウィルスとでも呼ぶべき思想に感染した者は、アラブ世界各地、さらには世界全体に散らばり、イスラム国を壊滅させられた復讐に燃え、より過激なテロ活動に走る可能性があります。

  そして、現状に不満を募らせ、暴力への志向を持つ者は、テロ組織が過激であればあるほど、思想の中身とは関係なく、その組織の過激さに強く惹かれ、やがては自らもテロリストに成り下がるでしょう。

 テロリストの増殖は、イスラム国壊滅後に爆発的に増えるものと予想します。

 そうであるなら、既存の国家はこれまで全く経験したことのない、テロリズムの新たな地平に立って、これと対抗しなければならなくなります。

  これはおそらく、百年戦争の様相を呈することになると思います。
 世界は変わってしまったのですから。

  わが国も価値観の多様性を認め、信教の自由を認める自由民主主義国家の一員として、否が応でも、百年戦争に巻き込まれるでしょう。

 私たちにはその覚悟が求められています。

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